9bic、市川慶一郎がグループ卒業「みなさんのことを思う気持ちは変わりません」

ツイート

9bicが11月23日、東京・豊洲PITにて<市川慶一郎 卒業公演 ~re:incarnation~>を開催。この日をもってグループから卒業となった最年長メンバー・市川慶一郎が、メンバーとファンに感謝の思いを伝えた。

◆ライブ写真

開演前、会場はすでに満員のファンで溢れかえった。プロデュサーのYapp!(やっぴ)がナレーションで市川との出会いから始まり、9bicの結成とここまでの歩みを振り返った。Yapp!の話を聞いたファンの胸には早くも様々な想いが駆け巡ったようで開演を待つ会場は独特の雰囲気に包まれた。

Yapp!のナレーションが終わると会場が暗転。スクリーンに、壁に掛けられた市川のこれまでの衣装を本人が見上げるシーンから始まるVTRが映し出された。そこに5人が現れ、9bicの6人が揃ったところでVTRは終了。続けて、ステージに6人のシルエットが映し出され、幕が降りメンバーがファンの前に姿を現すことでライブは始まった。


メンバーたちは「今日は6人でできる最後のライブになります」「みなさん準備はできてますか」と会場を煽りながら、前に進もうとする人たちを応援する「klaxon」のパフォーマンスがスタート。「今日は笑顔で市川君を送り出しましょう!」と呼び掛け、ムード漂う「ARK」、4周年ツアーのリード曲「君と僕、繋ぐ景色(ゆめ)」と続けた。4曲目の「Aaliyah」に入るとき、市川は「3年半前、この曲をこの場所でやったことは今でも大切な思い出です」と声を弾ませた。


ここでいったんMCタイムに。メンバーたちが「最初のパートに久しぶりにやった曲が多かった」とライブ冒頭を振り返ると、市川は「この公演は『klaxon』で始めたかった」と明かした。市川の言葉からも分かる通り、今回の公演は市川自身がセットリストや演出をすべてプロ―デュースしており、MCタイムが明けると、いよいよ市川が「やりたいことをやった」という演出が始まった。

市川発案による演出の1番目は、5曲目として始まった「ありのまんま」。仮屋瀬さつきとのコラボとなった同曲のパフォーマンスでは、スクリーンに「ありのまんま」をカラオケで歌うときのVTRが映し出された。VTRには学生服の市川と仮屋瀬が登場し、仮屋瀬がカジノでアルバイトを始めるという展開。ステージでは市川と仮屋瀬がカラオケのVTRに合わせて生でパフォーマンスを行っており、ファンはステージとスクリーンの両方に声援を送った。

自己紹介ソングの1周年バージョン「9bic melody(1st anniversary ver.)」では椚三波斗が「みなさん1周年バージョンです! 分かる人は声出していきましょう!」と盛り上げ、ライブ中盤を彩った。



続いて、市川発案による2番目の演出「今日も生きててえらいえらい!」がスタート。スクリーン上に市川と四季涼雅が“ダンスのお兄さん”に扮し子どもたちにダンスを教える番組「おにいさんといっしょ」の映像が映し出された。ステージ上でも市川と四季が“ダンスのおにいさん”として登場しており、市川は「会場に小さな友達が来ています!」とキッズダンサーたちを呼び込んだ。しかし、キッズダンサーの中に子どもの衣装を身に着けている“大きなお友達”の椚が混ざっているという演出。椚は衣装の可愛さとギャップがあるソロパートでキレキレのダンスを披露し会場を盛り上げた。

市川が発案した演出は、それぞれのメンバーとやってみたいと思ったことをコラボするというもので、六花清春とのコラボは寸劇を交えたものとなった。演出パートが始まると、まず、市川がステージ上で巨大な赤鬼と青鬼に捕まってしまい、そこに六花が現れ、鬼たちと殺陣を行い、市川を救い出すというもの。鬼退治を果たした市川と六花は手を繋いで、好きな人に恋焦がれる気持ちを歌い上げる「ホワイトボナペティ」のパフォーマンスをスタート。市川と六花のコラボにファンは見入った。



最後のコラボ演出の相手は双葉小太郎。市川と双葉は9bicにはまったオタクに扮し寸劇を披露したが、双葉が客席後方の扉から、ファンがライブを鑑賞するアリーナに出現する場面もあった。

双葉は関係者席まで進んでライブを見守っていた後輩グループの7m!nや8iperのメンバーたちにインタビューを始めた。7m!nの日之出莉玖は「本当に楽しいです!」と8iperの田中楓馬は「感動しかないです!」と答えていたが、「関係者をイジっていい」と言われていたという双葉は日之出莉玖に何やら耳打ちを始めた。日之出莉玖は先輩・双葉から指令が出たのか「めっちゃ気持ちいい!」と叫び、一連のやり取りが会場を盛り上げた。

メンバーたちとの思い出にと市川自身が考えたコラボの他にも久しぶりに披露することになった楽曲も盛りだくさんで、ファンはコールを送り、ペンライトを振りながら公演を楽しんだ。

ライブはいよいよ終盤に。市川は「『やりたいことをやっていいよ!』と言ってもらえたので、メンバーとやりたいことを考えました」といい、「涼雅と三波斗とは子ども番組をやりたいなと思いました。三波斗といえばダンスなので、三波斗には踊ってほしくて」「清春とは1周年のときにここ豊洲PITで殺陣をやりました」などと言葉に。「小太郎と俺といえば代名詞の『結婚前提で推してます!』しかない」と声を弾ませ、カラオケVTRで友人同士を演じたさつきは「(カラオケVTRの撮影会場となった)市川君の家に呼んでもらいまいました」と嬉しそうに回顧。


「コラボ演出の振り返り」と「make up!」「Hero」のパフォーマンスが終わるとライブはいよいよクライマックスに突入。市川とメンバーたちから卒業への思いが語られた。(下記コメント抜粋)

   ◆   ◆   ◆

《双葉小太郎》
僕は17歳くらいから東京に来ていました。高校よりも濃かったといいますか、色んなことがあって家族みたいな存在になっていて、市川君と離れることは想像もつかないことになっています。でも、これからも一緒に普通のことでお話して、普通のことで笑いあって、普通のことで遊べるという、普通を大切にできるような関係でいたいと思います。

《椚三波斗》
2人でいるとあまりしゃべれなかったりする仲だったのですが、僕が「お兄ちゃん」だと思っていたのは市川君でした。こんな年下の生意気なメンバーにガツガツ言われても懲りもせず、寄り添ってきてくれた市川君が大好きです。4年間一緒にやってきて当たり前にいたメンバーが明日からいなくなると考えると辛いし寂しいです。市川君が9bicでやってきた想いは僕たちが背負ってやっていきます。僕たちが9bicを守っていくので、引き続き応援をよろしくお願いします。

《四季涼雅》
三波斗と同じで、僕も家族と離れて東京に来たときに4つ上の市川君がいました。市川君はしっかりしているし、お兄ちゃんみたいだなとずっと思っていました。最年長として僕らが言えないことをズバッと言ってくれたりしてすごく助けられていました。グループを一番まとめてくれていたのが市川君だったので不安もあるのですが、やりたいことに向かっての卒業なので僕は応援しますし、これからの市川君の活動を温かく見守りたいなと思います。

《仮屋瀬さつき》
デビューする2年間くらいから市川君とは一緒にやっていて、一緒にデビューできるとは思っていなかった時期もあったのですが、ここまで一緒に活動できてすごく嬉しかったです。デビューしたときは事務所もなくて、色んな人から舐められたり、バカにされたり、嫌なことを言われたりすることもあったのですが、そういう時の市川君の強さがすごく嬉しかったです。市川君のことは大好きですし、いなくなってしまうのは寂しいのですが、何年かに1回とかでもいいので、またごはんとか一緒に行けたら嬉しいなと思っています。

《六花清春》
4年半ほんとうに色んなことがありました。コロナがあって、新しいアイドルグループができたり、逆に解散したりしたこともありました。そんな中で4年半、6人でやってこれたことは当たり前じゃないなと思います。市川君は僕にとって本当に恩人です。最初はめっちゃ怖かったのですが、時間が経つにつれて市川君の優しさを感じましたし、僕が困っているときに市川君が僕の居場所を作ってくれて自分の立ち位置を確立できました。本当に感謝しています。9bicを卒業して自分の道で頑張っていくと思いますが、頑張ってください。

《市川慶一郎》
メンバーとファンのみなさんと一緒に色んなことを乗り越えてここまで来れたと思っています。小太郎が言ったようにメンバーを家族だと思っていますし、この先何年経ってもその気持ちは変わりません。卒業発表をしてから自分自身のことについて考える時間が増えました。そういった中でみんなと一緒にライブをしたりしていると、どうしても、気持ちが揺らぐといいますか、不安だなと思う部分もあり、みんなに頼りたくなる気持ちがありました。でも、自分で決めたことなので、いい意味で「あのとき決断してよかったね」と言ってもらえるように頑張っていきたいなと思います。ファンのみなさんもメンバーも本当に長い間お世話になり、ありがとうございました。

   ◆   ◆   ◆

市川は「今日は泣かないって決めてるから」と涙を堪えていたが、感情が溢れ出してしまったのか、メンバーとファンに背を向けたまましばらくステージに立ち尽くしてしまう場面もあった。しかし、振り向いたときにはいつもの顔に戻っており、「最後の曲に行きます」と言葉に。胸に手をあてて自分を落ち着かせてから「薫風ノスタルジア」の曲振りを行った。

「薫風ノスタルジア」を終えるといよいよフィナーレに。メンバーたちが順番に市川と抱き合った後にステージから去っていき、最後に市川1人が残った。

市川は「常に応援してくれる人がいることが嬉しくて、頑張ってきました。他のアイドルと比べてアイドルらしいところなんて探さないとないようだったと思いますが、そんな僕のことを応援したいと言ってくださる人がいて本当に嬉しかったです。明日からアイドルではなくなるのですが、みなさんのことを思う気持ちは変わりません。今まで本当にありがとうございました」と言葉を詰まらせながらファンに感謝を告げ、卒業公演は終焉を迎えた。

セットリスト

M1.klaxon
M2.ARK
M3.君と僕、繋ぐ景色
M4.Aaliyah
M5.ありのまんま(市川慶一郎×仮屋瀬さつき)
M6.police hunter
M7.ONE!
M8.9bic melody(1st anniversary ver.)
M9.今日も生きててえらいえらい!(市川慶一郎×四季涼雅×椚三波斗)
M10.ジーニアスター
M11.中辛エクスタシー
M12.ホワイトボナペティ(市川慶一郎×六花清春)
M13.結婚前提で推してます!(市川慶一郎×双葉小太郎)
M14.デルフィリウム
M15.make up!
M16.Hero
M17.薫風ノスタルジア
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス