【異色対談】ピエール中野(凛として時雨)×河野玄斗、好きなことを突きつめたスペシャリスト「方向は違うけど、やっていることは近い」

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■ 晴明神社で厄除けのブレスレットをいただいてすぐ、『陰陽師』のタイアップのお話が来た

── 「狐独の才望」がOPテーマのNetflixアニメ『陰陽師』も、運のように見えない力が描かれています。陰陽師のような存在や見えない力について、お二人はどう捉えていますか?



河野:個人的には、陰陽師自体にはちょっと悪役的なイメージがありますね。ゲームで言うところのMP、魔力が多いみたいな感じで。

ピエール:妖術を使いそうな。

河野:はい。なので、主人公の側ではなさそうな印象がありました。ただ、作品のほうの『陰陽師』で描かれる安倍晴明は実在した歴史的人物ですよね。

ピエール:元々、陰陽師は占いとかまじない、気象学とか、目で見たりできないものを使いながら「今日はこうしたほうがいいかな」ってより良い道筋を示してきたと思うんですよ。その過程でどんどん話が膨らんでいって、妖しげな力を操るみたいなイメージが強くなったんだと思うんですけど、実際のところは研究者という言い方が似合う気がします。

河野:僕は個人的には、世に言う心霊現象などは信じてはいないんです。というのは、現時点で自分がわかってないことを安易に“心霊現象”というものに押し付けて、ちゃんと分かろうとせずにラクしてるだけに見えてしまう。

ピエール:とはいえ、恐怖って一種の快楽じゃないですか。ジェットコースターとか、怖さを楽しんでいますよね。解明されていない何かの現象を、「これは妖怪だ。妖怪がこんなことをしたんだ」みたいに、エンタメにしているように感じるんですよ。

河野:アニメではそういうシーンをエンタメとして描かれる部分も多いと思うんですが、僕もそれはそれでその作品の世界観として楽しみますね。

ピエール:僕は、見えない力というのがあってもいいと思ってます。たとえば昔は、街を造ったりするときに“気”の通りが良いかどうかを考えながら作ったりしていたそうなんです。



── 中国では数千年前から「気」を重んじ、風水などを学問として研究してきました。

ピエール:実際に、そういう気の通りを考えられて造られた場所に立つと、不思議と心地よかったりすることがあって。街造りに深くかかわっていたと思うと、陰陽師ってすごい能力があると思いますね。あと僕、昨年、厄年だったんですよ。だからずっと気になっていた、京都にある安倍晴明を祀った晴明神社にお参りに行って、そこで厄除けのためのブレスレットをいただいたんですけど、そのすぐ後にこのアニメ『陰陽師』のタイアップのお話が来たんです。だから、何かあるのかもしれないなと。

河野:それはすごい! 努力と、そうした運を引き寄せる力の両方が必要なんだと思います。個人的に聞いてみたかったんですが、今もドラムの練習ってしますか?

ピエール:やりますよ。流石にもう基礎練はしませんが、それは曲の中で確認ができるからで。でも河野さんは、「太鼓の達人」がめちゃくちゃ上手いんですよね?

河野:いやいやいや…。フルコンボはできるんですけど、“可”を出しちゃうから、リズムが繋がりはするんですけど“良”じゃない時もある。でもドラマーの方ってずっと“良”を叩き続けないといけないわけですよね。ちょっとズレてたら聴き心地が悪いので、その正確性がすごいと思いますし、「太鼓の達人」とは違うものだと捉えています。


ピエール:今はどちらかと言うと、ドラムを叩くことも運動なので、それによって生じる筋肉の動きの違いとかを意識しますね。今はトレーニングを始めて筋肉がつき始めてるから、それに合わせた演奏の仕方を探っていったり。

── 体の状態に合わせて叩き方をアップデートするのですか?

ピエール:そうです。力の入れ方、入り方が変わるので。あとは、単純に曲を覚えるための練習もします。

河野:こうやって新曲が出ると、それに向かって練習するわけですね。

ピエール:レコーディング前には、「どのフレーズがかっこいいかな」ってパターンを色々試して叩いたりしますね。他にも、他の人のライブを観たり新しい音源を聴いたりすると刺激を受けるので、「これ叩いてみたい」って純粋に思ってそれを真似して叩くこともあります。

河野:音楽を聴くときは、やっぱりドラムを聴いちゃいますよね?

ピエール:そうですね、それはもう宿命です。元々僕、ハマりやすい、熱中しやすい性格なんですよ。だからバンドを組む前は、ゲームとかスポーツがすごく好きだったのでずーっとやってました。

河野:僕もゲームします。『FF(FINAL FANTASY)VII』から始めました。

ピエール:僕はその前の『FF VI』でやめました。ちょうどドラムを始めたときだったので、「上手くなるためには、他に時間を割いている暇はないな」と思って。スポーツを観るのも好きなので、「今回の日本シリーズ、ワールドカップだけは観よう」と、今は期限を決めてます。

河野:制限が生じることによって「ドラム、ちょっと嫌だな」って思うことはなかったですか。

ピエール:それが、全くないんですよ。一応いろんなものを犠牲にしてドラムの道に入ったけど、それ以上に魅力があったから嫌な思いはまるでなくて。それこそ、凛として時雨との出会いが一番大きいです。このバンドだから続けていきたいと思ったし、今も多分その気持ちだから20年続いてるんだろうなと思います。河野さんは、きっと昔から勉強が好きだと思うんですけど、いつからですか?

河野:例えば、数学とかは一般的に勉強って括られますけど、僕はあんまりそう思わずにずっと数学をやってたんです。問題集とかを寝っ転がりながらパラパラめくって、「この問題どうやって解くんだろう」って考えていた。テレビで謎解きとかを皆さん楽しんで観ていますよね。それと同じような感覚で数学の問題集を眺めてたんです。



ピエール:なるほど。誰も謎解きを勉強だと捉えてないですし、なんならみんな結構なお金払って、好きで謎解きや脱出ゲームしてますよね(笑)。算数以外の教科もそんな感じだったんですか?

河野:理系の科目のほうが好きでしたが、自分が得意な科目ができるようになると、苦手科目もその延長線上にあるので、抵抗がなくなってどんどん取り組んでいくようになるんです。

ピエール:へぇー。「勉強は楽しい」というギアが入ったのはいつからですか?

河野:小学生のときにKUMONをやっていて、自分のレベルに合わせて算数のプリントをやっていったら、小3の時に高校数学の過程を終わってたんです。そのときに、周りの人たちとは違うのかなって感じましたね。

ピエール:すご。それはそうなりますよね。それで、「これはどんどん突き進んでいったほうが面白いぞ」ってなっていったんですか?

河野:はい。数学が得意だったので、最終的にそればかり突き詰めていました。だから、社会系の科目とかはあまりやらない、みたいな偏りは結構ありましたよ。

ピエール:「偏っても大丈夫」ってことなんですね。なんとなく、全ての科目が満遍なくできたほうがいいのかなって思いきや、突き詰めていって結果を出していくのもアリだと。

河野:入試に通るためにはある程度満遍なくできたほうがいいですが、たとえば、英語がそんなにできなくても特に困らないですよね。ただ、できると単純に選択肢は広がります。そのために勉強するのはいいことだと思いますし、別にしなくても困らない。今ある自分の選択肢の中からルートを選んでいけばいいのかなって思います。

ピエール:僕は、どっちかって言うと勉強に対して苦手意識があったんですよ。でも、高校に入って変わって、成績がいいと学校の先生が優しくなるなと感じて(笑)。当時は軽音楽部に入っててもうバンドをやってたんですけど、もっと予算を貰えたら活動しやすくなるなとか、そんな理由です。その学校で成績がトップになったら先生がめちゃめちゃ話を聞いてくれるようになりました。

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