【インタビュー前編】13.3g、よりグルーヴィーに進化を遂げた「恋愛進化論」は「いまの僕らだったらこう届ける」

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■2年ぐらいやり続けた結果が、今回の音源になった

──拓馬さんは、将太さんの歌の熱量の変化みたいなものを感じる瞬間はあります?

輪田拓馬(Dr):そうですね。囚われなくなってきてるんじゃないかなって。難しく考えずに、いま歌いたいものを素直に、クリアに表現していると思うし、それは将太だけじゃなくて、自分自身にもそういう感覚があって。だから、全員同じペースで進化できているんじゃないかなって思いますね。

──いいですね。誰かひとりが先陣を切っていくというよりは、全員が同じペースで進めているという。

拓馬:そういうことを敢えて話したりはしていないんですけど、ちゃんと足並みが揃っているなっていう空気は、この1年間ずっとあったと思います。

▲輪田拓馬(Dr)

──いま、「足並みが揃っている」と言った瞬間に、拓馬さん以外のお三方が同時に深くうなづいてたんですけど。

メンバー全員:はははははは(笑)。

──(笑)。その感覚はみなさんあるんですね。

聖樹:ありますね(笑)。

奥野"ロビン"領太(G):うん(笑)。あります。

将太:それこそライブ中のパフォーマンスも、意識的にやっていたことを無意識でやるようになったり、いますごく熱がこもってるなっていうのをお互いが感じあって、そんなに行くんだったら俺も行っちゃうよ?みたいな。そういうところからも、全員で進めている感覚は前よりも感じるようになりましたね。


──充実の2023年だったわけですが、2023年12月13日にはデジタルシングル「恋愛進化論(Remastered)」をリリースされています。ライブの動員が増えているというお話もありましたが、この曲はSNSでいろいろな反響があって。それに応えて録りなおそうという話になったんでしょうか。

将太:たくさんの人に聴いてもらえて、「恋愛進化論」という曲に対して、みんなが持っているイメージや思いが僕らのところまで届いたことで、この曲は多面性があるというか、いろんな顔を持っているんだなっていうことに気付けたんですよ。

──というと?

将太:たとえば、この曲って歌詞はすごく悲しいというか、失恋した子の主観なんだけど、曲調自体はノリ感がいいし、Dメロのところは、何か漂っているようなイメージがあって。なんか、空にふわっと浮いているだけじゃなくて、これはもう宇宙に漂っているような感じだよねっていう話をしていて、そういう方向で進んでいったんですけど。

──それで最初に作ったMVはあの形なんですね。

将太:そうですね。

ロビン:進化して宇宙に行っちゃったっていう(笑)。



将太:その曲に対して、歌詞にフォーカスをする人もいれば、聴き馴染みがいいとか、グルーヴィーな感じがいいと言うもいるし、いろんな見方をしている人がたくさんいて。だから、それを吸収した上で、いまの僕らだったらこういうふうに届けるのもありだなとか、こういう見方もあるよねっていうイメージも湧いたので、リマスターバージョンを出してみようということになりました。



──「恋愛進化論」を作った当時のことって覚えてます? もう本当に結成初期の初期ですよね?

聖樹:めっちゃ初期ですね。最初に将太が弾き語りを持ってきて、そこからプロデューサーのヒデヲさん含めみんなでアレンジして、いまの形になっていった感じだったんですけど。

ロビン:俺、めっちゃ覚えてる。移動してるときに「いまこういう曲を作ってるんだけど」って将太が共有してくれて。いつもギターリフは僕発信で作ることが多いんですけど、「恋愛進化論」に関しては、そのときに将太がアコギで弾いていたもののイメージを抽出したというか。将太が弾いていたアコギのトップノートのメロディラインをリフにしたから、すごく印象に残っていて。

▲奥野"ロビン"領太(G)

聖樹:そういう形で最初に作ってから、練習とかリハーサルを重ねていく中で、ノリ感とか、こっちのほうがグルーヴィーになるね、みたいなことにみんな気付き始めたところがあって。そうやって2年ぐらいやり続けた結果が、今回の音源になった感じですね。

拓馬:でも、そこもナチュラルに変わっていったよな? ここが変わった!っていう感じじゃなくて。

聖樹:うん。今回のバージョンも、具体的にこのフレーズを変えたとか、そういうわけではなく、フィーリングというか、いまの感覚で録ったっていう感じですね。

拓馬:ドラムでいうと、作った当初は点で音を出すようなイメージで捉えていたんですけど、ライブを重ねていく中で、点と点が繋がって、その間にある空間がもっと見えるようになってきて。今回はそこをちゃんと聴かせたいなと思っていたし、もっと3Dな音像にできたんじゃないかなと思ってます。昔とは捉え方がいい意味で変わって、もうちょっと丸みを帯びていて、グルーヴがある。で、空間がもっと広くなって、肩の力も少し抜けて、ゆとりのある感じというか。自分自身としても、この曲にはこういう一面があるんやなって気付けたことを閉じ込められた気がしてますね。

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