【インタビュー 前編】KAMIJO、10年の集大成『LOUIS XVII』を語る「表現不可能なものは何もなくなりました」

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■ロックと声優の融合…勇気は要りました
■日本の武器は全部使っていこうと


──KAMIJOさんの音楽は、どういったジャンルになるのか?と尋ねられることもあると思うんですが、今だったらどんな説明をします? 以前は“エピックロック”という言い方をしていましたよね。

KAMIJO:してましたね…でも、難しいですね。何かキャッチフレーズのようにわかりやすく言えればいいんですけど。エピックロックを目指して、ヒストリカルな要素がより強くなっていった。パラレルワールドという言葉だとまたちょっと違うんですけれど、架空の現実というか、いろんな現代の社会問題を裏テーマにしながら、悲劇の少年を王様に変える物語を歌うアーティスト…『Symphony of the Vampire』(2014年)のときからまったく同じこと言ってるんですけど、本当にエピックロックっていう言葉だけじゃ収まらなくなってきちゃいましたね。

──そんな気がしますね。いくつかキーワードを挙げるとしたら?

KAMIJO:歴史は芸術。これはストーリーに登場するサンジェルマン伯爵の台詞でもあり、「カストラート」という楽曲の歌詞にもあるんですが、歴史を描いていくこと、物語を描くことは、それこそそのまま芸術で。バンドってバイオグラフィーを作っていくことが、作品づくりの一環だと思ってるんですよね。それを思い切り具現化したものなのかなとも思います。キーワードで言うとあとは…シンフォニックメタルでもないんですよね。メロディックメタルとか、そういった音楽性の言葉で言っちゃっていいのかな?って。メタル視点だと何になるんですか?


──純粋にメタルでいいと思うんですが、ロックである、メタルである、交響曲であるとか、極めてシンプルに言うとそういったものは入ってくるかなと思いますけどね。

KAMIJO:音楽的にはそうですね。あとは音楽であれ、映像であれ、すべてが原作があって構築されている。その原作者である僕は、お城の設計図を作るかのように作り続けていますね。あとはメロディーだけではなく、ハーモニーをすごく大切にしているんですね。歌のハモりという意味だけではなくて、楽器のアンサンブルを含めたハーモニー。これは自分の音楽において非常に重要です。

──ロックバンドと聞いてイメージするものは人それぞれあると思うんですが、KAMIJOさんの場合、何人かでパッと音を出して、適当にジャムって楽しいというスタイルとは違うんですよね。

KAMIJO:そういうのも素晴らしいと思うんですけど、自分はしっかり構築しきったうえで、ライヴが始まると、それを壊しにかかるんです。創造と破壊というのは楽しいですね。いろんなロックのテイストは含まれていますけど、すべて楽曲に合わせて変えていますし、サウンド、主旋律、歌詞、それからオーケストレーション、脚本、映像、そういったものをすべて自分から発信しているというのは、僕の強みなのかなとは思います。

──今回の『LOUIS XVII』でも特徴的な演出の一つですが、多くの声優陣が参加しているというのも珍しいケースだと思います。

KAMIJO:そうですね。収録にはいつも立ち会っているんですけど、役者さんたちは“本当に泣いているんじゃないか?”と思うぐらい、感情をしっかり出してくださるので、楽曲がより際立つんですよね。映画監督になったような気持ちで、収録させていただいてます。

──でも、よく声優起用によるライヴを実現させましたね。変な話ですが、それがなくてもライヴを成立させることはできるわけじゃないですか。

KAMIJO:そうなんですけど、みなさんいろんな演出をされますよね。ダンサーを入れたり、映像を入れたり、特効を入れたり。規模が大きくなればなるほど、できることはいくらでもある。ただ、多くの場合、それのほとんどが舞台監督や演出家が考えてるんですよ。でも、(LAREINEデビュー時のレコード会社だった)ソニー時代に、ディレクターから言われたことがあるんです。「どんな特効でもお金を出せばできるけど、自分から生まれたものは、自分にしかできないことだから、自分が特効になれ」って。だから、とにかく自分から生み出すことを増やしていこうと思ったんですね。すべて自分が作るからこそ、伝わるものがあるということは信じてます。


──そのひとつが声優起用だと。

KAMIJO:もちろん、声優さんを起用しようと考えたとき、勇気はすごく要りましたよ。声優さんが活躍する場はアニメが多いですし、ロックとは別のコンテンツなわけじゃないですか。そこをどう合わせればいいのか。ちょうどその時期に、日仏ポップカルチャー交流プロジェクトのアンバサダーに任命していただいたんですね。そこで僕は、遜色なく、すべてを伝えていかなければいけないという覚悟が決まったんですよ。日本の武器は全部使っていこうって。

──なるほど。日本のポップカルチャーをより世界に伝えていく使命を感じた中での一つの実験だったということですよね。

KAMIJO:そうです。実は1月のツアーではそのポップカルチャー的な新たな試みをしています。今までは昔の有名な絵画や写真のコラージュなどで表現してきましたが、この世に存在しないものはもう描くしかない。これで制限がなくなり表現不可能なものは何もなくなりましたね。

取材・文◎土屋京輔

■KAMIJO Live Blu-ray & DVD『LOUIS XVII』



2024年1月31日(水)リリース
【初回限定盤 [Blu-ray + 2CD]】SASBD-010 11,000円(税込)
【通常盤 [DVD]】SASDVD-054 7,700円(税込)
▼Blu-ray & DVD収録曲一覧
第一楽章 Presto
第二楽章 Sacrifice of Allegro
闇夜のライオン
Beautiful Rock'n Roll
第五楽章 Sonata
Habsburg
Vampire Rock Star
Castrato
Sang I
Sang II
Conspiracy
Eye of Providence
OSCAR
Louis 〜艶血のラヴィアンローズ〜
Theme of Sang
Nosferatu
Avec Toi 〜君と共に〜
NOBLESS OBLIGE
第七楽章「Throne」
第八楽章「NOBLESS OBLIGE」
この世で一番美しい薔薇よ
▼CD収録曲一覧
第一楽章 Presto
第二楽章 Sacrifice of Allegro
闇夜のライオン
Beautiful Rock'n Roll
第五楽章 Sonata
Habsburg
Vampire Rock Star
Castrato
Sang I
Sang II
DISC II
Conspiracy
Eye of Providence
OSCAR
Louis 〜艶血のラヴィアンローズ〜
Theme of Sang
Nosferatu
Avec Toi 〜君と共に〜
NOBLESS OBLIGE
第七楽章「Throne」
第八楽章「NOBLESS OBLIGE」
※収録内容は予告なく変更になる場合がございます。

■シングル「美しい日々の欠片」



先行配信:2024年1月20日(土)0:00配信開始
配信URL:https://lnk.to/Fr7Z8T
※サブスクリプション&ダウンロードにて
CD:2024年1月31日(水)リリース


【初回限定盤A [CD + SOLO ANGLE DVD]】SASCD-128A 5,500円(税込)
▼CD収録曲
01. 美しい日々の欠片
02. 美しい日々の欠片 [Instrumental]
▼DVD収録曲
ソロ10周年記念公演<KAMIJO Solo 10th Anniversary Special Live「LOUIS XVII」>よりKAMIJOソロアングル20曲収録
01. 第一楽章「Presto」
02. 第二楽章「Sacrifice of Allegro」
03. 闇夜のライオン
04. Beautiful Rock'n Roll
05. 第五楽章「Sonata」
06. Habsburg
07. Vampire Rock Star
08. Castrato
09. Sang I
10. Sang II
11. Conspiracy
12. Eye of Providence
13. OSCAR
14. Louis 〜艶血のラヴィアンローズ〜
15. Theme of Sang
16. Nosferatu
17. Avec Toi 〜君と共に〜
18. NOBLESS OBLIGE
19. 第七楽章「Throne」
20. 第八楽章「NOBLESS OBLIGE」


【初回限定盤B [CD + LIVE ALBUM]】SASCD-128B 3,960円(税込)
▼CD収録曲
●DISC I
01. 美しい日々の欠片
02. 美しい日々の欠片 [Instrumental]
●DISC II ※ソロ10周年記念公演<KAMIJO Solo 10th Anniversary Special Live「LOUIS XVII」>ライヴアルバム
01. 第一楽章「Presto」
02. 第二楽章「Sacrifice of Allegro」
03. 闇夜のライオン
04. Beautiful Rock'n Roll
05. 第五楽章「Sonata」
06. Habsburg
07. Vampire Rock Star
08. Castrato
09. Sang I
10. Sang II
●DISC III ※ソロ10周年記念公演<KAMIJO Solo 10th Anniversary Special Live「LOUIS XVII」>ライヴアルバム
01. Conspiracy
02. Eye of Providence
03. OSCAR
04. Louis 〜艶血のラヴィアンローズ〜
05. Theme of Sang
06. Nosferatu
07. Avec Toi 〜君と共に〜
08. NOBLESS OBLIGE
09. 第七楽章「Throne」
10. 第八楽章「NOBLESS OBLIGE」


【通常盤 [CD]】SASCD-128N 1,430円(税込)
▼CD収録曲
01. 美しい日々の欠片
02. 美しい日々の欠片 [Instrumental]

■<KAMIJO TOUR「NEW VAMPIRE IS BORN」2024>

※終了した公演は割愛
▼神奈川公演
1月31日(水) CLUB CITTA' 川崎
open18:30 / start19:00
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/
【バンドメンバー】
・Guitar : HIRO (La'cryma Christi)
・Guitar : YUKI (DUSTAR-3, Rayflower, Λucifer)
・Bass : IKUO (BULL ZEICHEN 88, Rayflower)
・Drums : shuji (ex. Janne Da Arc)
▼チケット
A 指定席:7,400円 (税込)
スタンディング(先行) 0円
https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=509136



■<KAMIJO -Visual Rock Identity-「The Anthem」>

2024年4月20日(土) 東京・Zepp Shinjuku
open17:00 / start17:30
【バンドメンバー】
・Guitar : HIRO (La'cryma Christi)
・Guitar : YUKI (DUSTAR-3, Rayflower, Λucifer)
・Bass : IKUO (BULL ZEICHEN 88, Rayflower)
・Drums : shuji (ex. Janne Da Arc)
【チケットオフィシャル先行受付(抽選)】
受付期間:1月19日(金)22:00〜2月12日(月/祝)23:59
受付券種:A 指定席 7,400 円(税込) ※入場時ドリンク代別途
受付URL:https://l-tike.com/kamijo/
(問)DISK GARAGE:https://info.diskgarage.com/

■<KAMIJO Europe Tour>



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