【インタビュー】逹瑯(MUCC)、ソロ第二章となるアルバム二作に迷いなし「自由に歩きたい方向に進んでいく」

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MUCCの逹瑯が3月13日にアコースティックカバーアルバム『Pandora Juke Vox』、4月3日にオリジナルアルバム『COLORS』を2作連続リリースする。アルバム『=(equal)』、『非科学方程式』同時リリースからソロを本格始動した逹瑯は、その第二章として“J-POPに挑戦”をテーマに掲げ、大島こうすけをプロデューサーに迎えて「エンドロール」「残刻」「ソラノカタチ」といったシングル三作を立て続けにリリースし、貪欲に刺激を求めながら、表現の幅を広げてきた。

◆逹瑯 動画 / 画像

そして完成した3rd アルバム『COLORS』は、疾走感溢れる表題曲「COLORS」や攻撃性たっぷりの「OVERKILL」、艶やかなラブソング「NOBLE」など、さらにヴォーカリスト逹瑯の多彩な個性を堪能できる1枚に仕上がった。

「シングルとアルバムの制作過程で、たくさんの気付きを得た」とは逹瑯の言葉だ。25年におよぶMUCCの活動で刻まれたものと、ソロへの挑戦で引き出されたもの。自身のルーツと、枠にとらわれない好奇心。そのすべてを糧として、自分の表現と向き合ったからこそ生まれたアルバムが『COLORS』だ。

初のアコースティックカバーアルバム『Pandora Juke Vox』、当初同時リリースを予定していた3rdアルバム『COLORS』発売延期の理由、その結果新たな発見も得たというアルバム制作を振り返り、じっくりと語ってもらった。



   ◆   ◆   ◆

■DNAに刷り込まれてんだな
■抗うのはやめましょうと


──2023年12月に発表された「ソラノカタチ」のBARKSインタビューの時点で、「まだアルバムは全然できていない」とおっしゃっていましたが、本格的にアルバム制作を始めたのは、MUCCのツアーファイナル(2023年12月28日@東京国際フォーラム ホールA<MUCC 25th Anniversary TOUR Grand Final Bring the End to「Timeless」&「WORLD」>)が終わってからですか?

逹瑯:2024年1月からですね。本当は、MUCCのツアーの合間に…2023年11月くらいからちょっとずつ作業しようと言っていたんですけど、やっぱりMUCCのツアー中にソロアルバム制作の脳みそに切り替わらなくて、諦めちゃいました。ツアースケジュールをこなしていく中で使っている脳みそだと、ゼロからイチを生み出す作業は難しかったです。

──特に、MUCCの過去曲たちをたくさん演奏していた25周年ツアーと、ソロの新曲制作では、ベクトルが全く違いますもんね。

逹瑯:うん、全然できなかったです。でも、結果的にそれが良くて。11月とか12月頃に曲作りを始めていたら、たぶん全然違う感じのアルバムになっていたと思う。というのも…2023年12月31日のイベント(カウントダウンライヴ<MUCC THE END OF 25th COUNT DOWN FAMILY PARTY -逝く年 狂年 Lightの宴->@茨城・水戸LIGHT HOUSE)にソロで出演したんですけど。いつもソロライヴでは全曲同期を流してクリックに合わせてやっているところ、その日は違うかたちでやったんですよ。そのライヴが終わった後、「バンドサウンドだけで成立してる曲もあるね」という話になって。「次からは同期もクリックもなしで、バンドサウンドだけでバンッといけるような曲を増やしていこうか」というモードになったんです。もともとソロライヴをやっていく中で、ずっと“なんかふわっとしてるんだよな”と思っていたので、バンドの攻撃力をもっと上げていきたかったし。そこから曲作りが始まったので、やっぱりこのタイミングだったから、こういうアルバムに仕上がったんだと思います。

──生バンドサウンドを主軸としたライヴをやってみて、やっぱりそちらを軸とした曲がほしいと。

逹瑯:今ある曲たちだと、対バンライヴで勝てねえんだよなっていうのもあって。ライヴで戦いたいと思うと、やっぱり攻撃力だから。もっとメンタルを振り切ってグッと入り込める曲とか、振り幅がほしかったんですよね。とはいえ、バンドサウンド的な曲の作り方はMUCCでしか知らないわけだからさ。いろいろやっていったらどんどんサウンドがMUCCみたいになっていって。でも、別にそれでいいやと思ったんだよね。だから、曲作りは楽しくできました。


▲<MUCC THE END OF 25th COUNT DOWN FAMILY PARTY -逝く年 狂年 Lightの宴->

──シングル3作のときは、むしろ「J-POPをやりたい」とおっしゃっていましたよね。

逹瑯:大島こうすけさんと3曲作ってみたからこそ、わかったことや消化できたものがあって。逆に、この3曲という柱がアルバムに立っているから、そのほかでは何やってもいいし、遊べるぞっていう余裕ができたんだと思います。シングルの表題曲3曲が先にあったから、その間をつなげるようなイメージで曲を作っていった感じかな。

──J-POPをしっかりやれて、身になった実感があったんですか?

逹瑯:ありました。そのうえで、J-POPは好きだし歌いたいなと思うし、一方でやっぱり温度感が沸騰してるような、爆発力のある音楽のほうが好きなんだなっていうことを再確認できた感じ。だからこそ、今回のアルバムの中に「エンドロール」「残刻」「ソラノカタチ」というシングル3曲が入っていないと成立しないというかね。シングル曲をアルバムのどこに配置しようか?と悩むんじゃなくて、シングル曲を軸に作っていけたのが良かった。まず最初に、勢いのあるリード曲を作ろうってことで「COLORS」ができて、次に「OVERKILL」だったと思う。

──たしかに、ライヴ仕様な2曲ですね。通算三作目、二回目のアルバム制作ということに関して、迷いはなかったですか。

逹瑯:なかったっすね。むしろ1stアルバムのほうがいろいろ迷ってたかな。とりあえず可能性をいろんな方向で探った結果、さっきも言ったけど、“なんだかぼやけたな。まとまりがねえな”って感じがしてたんですよ。一回やってみてそれがわかったからこそ、今回は方向を定めようということで動き出した感じです。

──そして、アルバム『COLORS』は最終的に、収録楽曲の一部と曲順変更を経て完成しました。それに伴って、当初の予定日からリリースが延期されることにもなりましたが。

逹瑯:諸事情が重なって、予定していたうちの1曲が収録できないという話になったので。その1曲を抜いてそのまま出すのか、どうしようかなあ…とすごく考えました。結果として追加した「CATHARSIS」は、アルバムの制作とほぼ同時期に作っていた曲で、このアルバムに入れるか入れないか悩んでいた曲なんです。ただ、今回のアルバムには曲調が明るすぎるかなと思って入れていなかった。でも、1曲抜いて9曲のアルバムというのもなんだか気持ち悪いし、「CATHARSIS」を入れるなら曲順も変えなきゃいけないなと思って、曲順をいじってかたちにしたんですけど。…まあ、アルバムの表情は180度変わりましたよね。この1曲の違いで。

──取材用に差し替え以前のバージョンも聴かせていただいていましたが、もともと入っていた「PASSCODE」という曲がヘヴィなテイストだったので、「CATHARSIS」に変わったことでポップさが増した印象です。

逹瑯:そう。だから、完成したアルバムのまとまりが悪いわけでは決してないので。当初『COLORS』として出したかった色とは違うけど、これはこれでひとつの作品として成り立っているから。想定していたものから変わったけど、新しい発見もあって良かったなと思います。


▲3rdアルバム『COLORS』

──では、アルバムの収録内容について伺っていきたいと思います。1stアルバムは、初のソロということで挑戦や冒険的な要素が強かった分、今回は逹瑯さんというヴォーカリストの個性をしっかり堪能できる印象があります。ご自身も、X (Twitter)で「アルバム用に曲作りと作詞を進めていくと、どんどん暗い暗黒の曲が仕上がっていく」と書いていましたけど。

逹瑯:さっきも言ったように、“バンドサウンドの曲を作っていこうぜ”となったら、結局、バンドのやり方ってMUCCしか知らないから、どうしてもちょっと激しくて、そういう空気感が漂っている曲が出来上がってくるんですよ。で、そこに歌詞をつけようとすると、ネガティヴな曲になる。俺が曲を作っていくと、必然的にそういう流れになっていくのか…っていうのがわかったのは面白かったですね(笑)。

──25年やってきて刻まれたものが(笑)。

逹瑯:うん。もうDNAに刷り込まれてんだなって。抗うのはやめましょうと思いながら、観念して作ってましたね。“こういうことはMUCCでやってるから、MUCCでやればいいや”じゃなくて、そこも含めての俺なんだから。”選択肢のひとつじゃん”っていう考えに、今はなりました。

──MUCCの25周年ツアーで初期からの曲を辿って、逹瑯さんの歌の歴史を遡ったわけですが、その影響はありました? 

逹瑯:そこはあんまりないですね。今回も今までどおり、曲のベーシックを足立(房文)にオーダーして。「こういうタイプの曲がほしい」というところから、「ここの部分をもうちょっとこうしたい」って修正しながら作っているので。MUCCのメンバーとの曲作りとは全然違うし、MUCCでは絶対生まれてこなかった曲たちだから。

──出来上がったものの中に、MUCCで培ってきた経験が自然と反映されていたということなんでしょうね。

逹瑯:そうですね。

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