【ライブレポート】Crossfaith、最大級ワンマン<OUR FAITH WILL NEVER DIE>で証明した規格外のショウ「最高の景色が見たい、それが俺の答えだ!」

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Crossfaithが2月1日・2日の2日間に渡り、最大級のワンマン<OUR FAITH WILL NEVER DIE>、そして初主催の大型フェス<HYPER PLANET 2025>を幕張メッセにて開催。DAY1はONE MAN SHOW(OUR FAITH WILL NEVER DIE)、DAY2はFESTIVAL(HYPER PLANET)と分けられ、国内外のアーティストが一堂に集結した。ここでは初日にあたるワンマン公演の模様をお伝えしたい。

◆ライブ写真(15枚)

18時9分に会場が暗転するや、ステージを覆う紗幕にメンバー5人のシルエットが浮かび、壮大なSEと共に観客の興奮は膨れ上がるばかり。そこにサイレン音が鳴り響き、紗幕が下りると、フード付きのマントに身を包んだKoie(Vo)、Kazuki(G)、Daiki(G)、Teru(Prog, Vision)、Tatsuya(Dr)の5人が登場。特別感を高めるビジュアルに目を奪われつつ、ショウはこれまでのCrossfaithのショウで幾度となくラストソングとして演奏されてきた代表曲「Leviathan」で火蓋を切った。ファンの予想を大きく裏切る開幕に会場のボルテージは一気にヒートアップ。Koieの激越シャウトを筆頭にゴリゴリのヘヴィな演奏を畳み掛け、スクリーンには荒れ狂う海が映し出されている。Crossfaithの高ぶる激情を視覚化した映像に見入ってしまった。



それから最高傑作の誉れ高き最新6thアルバム『AЯK』のアートワークがスクリーンに映り、同作の冒頭を飾る「The Final Call」〜「ZERO」へ。“第一章の完結〜第二章の始まり”を意味する曲順通りの流れだ。ステージ上に設置された階段から順番にメンバー5人が再び現れ、Koieは松明を手に持ち、スクリーンの映像ともリンクさせながらステージ上に複数の炎柱が舞い上がる。それから昨年2月に加入したDaikiを含む新体制で初めて作った「ZERO」を投下。レッド・ツェッペリンの「Immigrant Song」にインスパイアされたエスニックなコーラスをフックに、骨太かつ疾走感みなぎる曲調を叩きつける。これぞ新生Crossfaithを強く印象付けるナンバーだ。曲のムードを盛り立てるレーザー光線&ライティング効果も素晴らしく、耳目を揺さぶるスペクタクルな演出に序盤から圧倒されるばかりだ。


「HEADSHOT!」に入ると、スクリーンにはFPS感満載の映像が投影されオーディエンスはその世界に没入し、無類のパーティー曲「Jägerbomb」ではサークルピットを作り上げたりと、攻撃の手を緩める気配はない。次の「Make A Move」ではフロアに巨大風船が5つ投げ込まれ、Teruはマイクを握りしめてステージを動き回ったりと、ガッツ溢れるパフォーマンスで観客の心を焚き付けていく。



「幕張、調子はどうですか? 遂に来たな、この時が。こんな大掛かりセットやけど、いつも通りにやってくれよな。イギリスから友達呼んだで。BobbyはアフターパーティーでもDJしてくれるけど、この日のために来てくれた!」とKoieは前置きし、「L.A.M.N(feat. Bobby Wolfgang)」をプレイ。UKオルタナロックのSTRANGE BONESのフロントマンであるBobbyは早口ラップでKoieと掛け合い、プロディジー風のパーティーコアに熱気は右肩上がりに上昇。「DV;MM¥ SY5T3M…」「Endorphin」と繋ぎ、Crossfaith流のトライバルメタル「My Own Salvation」も破壊力が半端じゃない。ディスターブドやKING810にヒントを得た呪術的な早口ボーカルもいいスパイスになっている。



「楽しんでくれてますか、幕張? 俺たちが活動を始めたのが2006年で、今年19年目で幕張のステージに立つことができました。ヤバイわ、今日の出演者はCrossfaithだけなんよ。純度120%のCrossfaithファンしかいない」とKoieは興奮気味に喋り、缶ビールを開封する音をマイクで拾い、ステージ上でクイッと飲み干した後、「少しだけ俺たちの原点に遡りましょう」と告げ、「FICTION IN HOPE」を披露。正統派メタルコアと太字で書きたくなる剛腕ぶりに加え、シンフォニックなドラマ性を重んじたアレンジは今聴いても新鮮だ。間髪入れずにインスト曲「Technologia」〜「Demise And Kiss」に雪崩れ込むと、盟友であるcoldrainのMasato(Vo)がゲストで現れ、メロデイアスな歌唱で曲を華やかに色付けていた。



中盤を過ぎた頃、「次はライブでプレイしたことがない特別な曲」と説明し、最新作収録の「Night Waves」へ。Koieのクリーンボイスを前面に出したエレクトロ色の強いバラードは、こうした大きな会場でひときわ映えていた。長丁場のワンマンでは押し引きも必要だ。こうした静謐な楽曲アプローチに、Crossfaithがネクストステップに進む鍵が潜んでいる気がしてならない。今後も積極的にセットリストに組み込んでほしいと感じた。


「Scarlett」を経て、「Freedom」に突入すると、ENTER SHIKARIのRou Reynolds(Vo, Key)がラップパートを挟み、アッパーなミクスチャーっぷりで観客を掌握。Tatsuyaによる圧巻のドラムソロを挟み、いよいよショウは後半戦へ。ここで未発表の新曲「TERRITORY」を披露。曲名から連想される通り、セパルトゥラを彷彿させる90’Sラウドを下敷きにした重厚感溢れるサウンドは強烈無比。新しい扉を開けた曲調に興奮せずにはいられなかった。

「どうですか、新曲? 超ハイパーやろ。年内には何かしらの形で音源を出す」とKoieから嬉しいお知らせもあり、ほかのメンバー4人にも話を振ると、各自のキャラが表れた発言に場も和む。その中でTeruは活動休止中は曲が書けなかったと告白。『AЯK』ツアーを回っているときも答えが見つからなかったものの、「最高の景色が見たい、それが俺の答えだ!」と叫ぶ姿が印象に残った。


その情熱を「Catastrophe」「Countdown To Hell」で吐き出した後、スクリーンにWARGASM(UK)のミルキー・ウェイ(Vo, B)とサム・マトロック(Vo, G)が白い車からステージに向かう様子が映し出される。そう、遂に2人をフィーチャーした「God Speed feat.WARGASM」の完全版の初披露となった。ミルキーのキュートボイスとサムのシャウトがCrossfaithと合体し、天井知らずのパーティーっぷりでフロアを狂喜乱舞させていた。


アンコールは、AЯKツアー中では封印していた「Monolith」ではじまるという嬉しいサプライズだ。Koieが少し長めのMCで音楽の情熱を取り戻すまでに時間がかかったこと、加えて「幕張メッセをソールドできなかったんで、個人的に幕張を埋めるまで死ねない。俺はまだ悔しい。ドロドロの情熱を持って進んでいきたい!」と熱い思いを語ってくれた。


そして、ラストスパートは最新作の最後を飾る「Afterglow」〜「Canopus」の2曲を続けてプレイ。後者は2ビートを用い、これまでありそうでなかった怒涛の疾走ナンバー。燃え上がるパッションを抱えて突き進むCrossfaithの現在地を示したアンセムソングだ。「お前たちの曲でもあるからな!」とKoieは叫び、観客によるウォー!ウォー!の大合唱が幕張メッセを満たす光景に鳥肌を覚えた。

あえて言わせてもらうと、全23曲2時間強に及ぶワンマンはソールドうんぬんの数字を超えて、この場にいる観客一人ひとりの心にぶっ刺さる破格のパフォーマンスであった。Crossfaithでしか味わうことができない史上最強のショウを観て、言葉を失うほど感動する自分がいた。それこそが、今日の答えである。

文◎荒金良介
写真◎SHOTARO(shot.row)、Takeshi Yao(@takeshiyao)、cazrowAoki(@cazrowAoki)

◆DAY2<HYPER PLANET 2025>ライブレポート前編へ
◆DAY2<HYPER PLANET 2025>ライブレポート後編へ

セットリスト

1. Leviathan
2. The Final Call
3. ZERO
4. HEADSHOT!
5. Jägerbomb
6. Make A Move
7. L.A.M.N feat. Bobby Wolfgang
8. DV;MM¥ SY5T3M…
9. Endorphin (+ REMIX)
10. My Own Salvation
11. FICTION IN HOPE
12. Technologia
13. Demise And Kiss feat. Masato
14. Night Waves
15. Scarlett
16. Freedom feat. Rou Reynolds
- DRUM SOLO -
17. TERRITORY
18. Catastrophe
19. Countdown To Hell
20. God Speed feat.WARGASM
21. Monolith
22. Afterglow
23. Canopus

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