誠実なメロディーと繊細なアレンジ、だけど骨太

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メンバーのルックスだけを見たら、勘違いしてしまうかもしれない。ドライなブリットポップのバンドをイメージしてしまいそうになるが、WONDERHEADの信条はストレートで、心に響くメロディーと、前向きな歌詞の世界にあるのである。なるほど満員のオーディエンスは、そんなWONDERHEADを笑顔で受け止めて、全身で楽しんでいるように見えた。ヴォーカル高木慎吾のMCによって、オーディエンスはほぐされ、また演奏によって引き締められていく。魂で叫ぶ高木慎吾のヴォーカルと、ギターの奥山英紀を中心に紡ぎだされる繊細なアレンジが絶妙のコントラストを生んでいた。

WONDERHEADはヴォーカルの高木慎吾とギターの奥山英紀によって、1995年に結成された。ベースの奥山友之は、奥山英紀の実弟であるが、ドラムの上別府仁とともに、その実力を買われて加入した。4人はヴォーカル、ギター、ベース、ドラムというロックにおけるごく基本的な編成でありながらも、非常にバランス感覚に優れたアンサンブルを形成している。また安定感とドライブ感にあふれるリズム隊も、WONDERHEADがライブバンドである証拠であろう。
ライブの途中、お約束的なスローテンポのナンバーも、よくある感動をあおるような曲でなく、意外なシブいアレンジで決めてしまうあたり、非常に好感が持てるのであった。UKロックに影響を受けている部分がスタイリッシュなアレンジに反映しつつも、メロディーやメッセージはスピリチュアル、かつ熱いものを感じるのである。オーディエンスも口々にメロディーを口ずさみ、高木慎吾の独特なトークに笑い転げるのであった。オーディエンスは以外にも)男性が多く見受けられ、その歌詞の世界からも受け取れる前向きな姿勢に共感する人が多いようだった。ON AIR NESTなどを中心に都内ライブハウスで着実なライブ活動を続けているWONDERHEADだが、今後さらにスケールアップが予想され、ますます目が離せない存在となりそうだ。
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