レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのヴォーカル、Zack De La Rochaが脱退を発表

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バンド内の問題についてさまざまな噂が囁かれていたRage Against The Machineだが、 10月18日、ヴォーカル/ソングライターのZack De La Rochaがバンド脱退を発表した。

De La Rochaは次のようなコメントを発表している。
「Rageを辞める時が来たと感じる。なぜなら、バンド内の意思決定の方法が機能しなくなってしまったからだ。もう4人全員の意見が、バンドとして一致したものにならなくなってしまった。私個人の考えとしては、そのことが我々の芸術的、政治的理想を崩すものになった。私は、政治活動家およびミュージシャンとしての我々の今までの活動を非常に誇りに思っているし、その素晴らしい経験において、我々を支持し、また協力してくれた人々に対し、とても感謝している」

De La Rochaは、現在ソロアルバムの制作に入っているという。これまで彼がRage以外で行なった活動には、'99年にUnbound、Public EnemyのChuck Dとリリースした『Mumia 911』がある。また、最近発売されたサウンドトラックアルバム『Bamboozled』に収録されたPublic Enemyの“Burn Hollywood Burn”のカヴァーを、同じくChuck Dとthe Rootsと共にレコーディングしている。

ギタリストのTom Morelloは、'99年9月に行なわれたLAUNCHのインタヴューに対し、次のように語っていた。
「解散の噂は'93年からある。非常に性質の激しいバンドだから、派手な噂が上がるときは、いつも何らかの真実がそこに存在している。しかし、現在、我々が行なっていることは、今までで最高の音楽を作ることだ。我々はGrand Olympicでかつてないほど素晴らしい公演を2回行ない、その瞬間を奇跡的にテープに収めた。新しいスタジオ録音のアルバムも発売されるし、すごくエキサイティングな状態だ」

De La Rocha脱退発表の前に、Rageにはトップニュースとなるような数件の出来事が起こっていた。まず、予定されていたBeastie Boysとのツアーが、BeastieのMike Dの自転車事故によるケガでキャンセルとなった。また、サンフランシスコのFillmore Theatreで予定されていたアルバム用のライヴレコーディングが、スケジュールの都合や、De La Rochaの病気(病名は未発表)を理由に、最低でも2度キャンセルされていた(最終的には、9月のロサンゼルスのGrand Olympic Auditoriumの公演がレコーディングされた)。

8月には、民主党全国大会の開かれている会場の向かい側で、政治活動的なライヴを行ない、ライヴ自体は問題なく終わったものの、その後、観客が警察と衝突し暴動に発展したため、各報道では、事件とバンドが結びつけられる結果となった。

また、9月に開催されたMTV Video Music Awardsの式典で、ベーシストのTim Cが、Limp Bizkitの授賞セレモニーの最中に、奇抜な方法でまったく予定外に登場し、式典を妨害したとして逮捕されている。さらに、その数日後には、バンドはマネージメントのG.A.S. Entertainment(他にBeastie Boysをマネージメントしている)を離れると発表した。この決断は、MTV式典でのTim Cの騒動とは関係ないと、関係者はLAUNCHに語っていた。

今回のDe La Rochaの脱退発表は、初めての騒ぎではない。4年前には、Tim CがLAUNCHのインタヴューでバンドの解散危機について語っている。
「『Evil Empire』の前ぐらいに俺たちは問題を抱えてて、曲を書いても、何がいいのか全員で同意するのが難しくなってたんだ。大変だったよ。当時は、バンド内で音楽の好みが派手に食い違ってたんだ。でも、最終的にはどうにかまとまったよ。それまでは、ヒップホップとメタルの戦いで、そこに俺がパンクまで持ち出してたんだ」

Rage Against The Machineは'91年にロサンゼルスで結成されて以来、その政治的姿勢でロック界を揺るがしてきた。バンドの最新アルバムは、'99年に発売された『The Battle Of Los Angeles』。次のアルバムは、ライヴ音源とカヴァー曲を収録したものが11月に発売される予定となっている。

記:Darren Davis、ニューヨーク、Neal Weiss、ロサンゼルス
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