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大手資本主義企業と契約した社会主義ロックグループ?
こう言うと矛盾して聞こえるかもしれない。しかし、Rage Against The Machineにしてみれば、この言葉は単に、彼らが心の底から社会という悪魔と戦っていることを表しているに過ぎない。そして彼らが契約したレーベル、Epic Associated(Sonyの子会社)もまた、この4人組のおかげで大いに利益を得ている。

ヴォーカルのZack de la Roche、ギタリストのTom Morello、ベーシストのTimmy C.、そしてドラマーのBrad Wilkから成るL.A.出身のバンドRage Against The Machine(RATM)。彼らが初めてパフォーマンスを披露したのは、'91年、友人宅のリビングルームであった。それからわずか2年と経たないうちに、Epicレーベルからリリースされた彼らのデビューアルバムがストリートを席巻することとなる。

RATMがこれほど短期間に頭角を表したきっかけの1つとして挙げられるのが、'92年に作られた12曲入りのカセットテープである。当時4人は、そのカセットテープを自分たちの手で約5000本売りさばいた。加えて、彼らの圧倒的なライヴもまた大きな評判を呼んだ。タフなラップとリズムのハードなロックをブレンドした音楽自体は決して新しいものではない――事実、'80年代半ば以降、多くのバンドがこの2つの要素を組み合わせたサウンドを打ち出してきた。だが、RATMのそれは他の誰よりも優れているうえ、そこにシリアスで政治的なひねりが加えられている。彼らの音楽とは、革命を求めて怒り狂う叫びそのものだ。そしてその怒りを、この男たちは実際に行動で示してみせるのである。

4人はこれまで、Rock For ChoiceやLeonard Peltier Defense Fund、United Farm Workers、死刑囚Mumia Abu Jamal解放キャンペーンなど、様々な運動に携わってきた。「迫害を受けた人たちの解放」こそがバンドの永遠のテーマであり、帝国主義に傾きつつあるアメリカを公然と非難した2ndアルバム『Evil Empire』や、3rdアルバム『The Battle Of Los Angeles』においても、彼らは一貫してこのテーマを追求し続けている。さらに、U2をサポートしたスタジアムツアーなど、最近のライヴ活動から得た純収益はすべて、こうした様々な運動のために費やされている。

では、RATMのファンには彼らの過激なメッセージが聞こえているのか?
それとも、彼らは単に激しく脈打つリズムだけを聞いているのだろうか?
狂信的な右翼人間たちは、おそらくこれからも怒声を浴びせ続けるに違いない。しかし、ファンの中には、確かにRATMの「武器を取れ」という言葉に耳を傾けている人がいる。それ以外の人にとっては、どうでも良いことかもしれないが、そういった人たちもまた、バンドが愛してやまない社会活動の数々へ、間接的に金を注ぎ込んでいることになる。そして皮肉なことに、同時に大企業の利益増大に一役買ってもいるのだ。実際、RATMが成功を収めた後、似たようなグループがいくつも出現しているのだから。

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