待望の新作で再び女性を虜にするR&Bのトップ・シンガー

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待望の新作で再び女性を虜にするR&Bのトップ・シンガー

 

 

照明が落とされた瞬間、L.A.の会場は興奮した女性の絶叫で埋め尽くされた。観客の中にいた30代の女性の1人は本当に失神してしまった。そしてステージ上の歌手が最初の曲を歌い始めると、絶叫のヴォリュームはさらに数デシベル上昇したのである。このような大騒ぎを起こす色男はいったい誰なのだろう? Ricky Martin? それともSisqo? いや、それは不屈のKeith Sweatである。ロスアンゼルスでのコンサートは、彼の持つ否定しがたい、そして時としていわく言いようのないアピールをきっぱりと証明してみせるものであった。

今やSweatはその魅力に磨きをかけ、さらにいくつかの秘術を持って戻ってきた。「ニューアルバムのタイトルを『Didn't See Me Coming』に決めたのは、音楽が少しハードになったのと、俺が歌うとは思われていないような題材を扱った歌を収録しているからだ」。ツアー中のSweatはニューヨークシティのホテルの部屋から電話インタヴューで答えてくれた。「みんなは俺がこんなかたちで出てくるとは思いもしなかっただろう

このハーレム育ちのR&Bシンガーは『Didn't See Me Coming』で、Busta Rhymes、RahDigga、Dave Hollister、T-Bozそしてシングルの「I'll Trade(A Million Bucks)」でフィーチャーされたLil' Moなどとチームを組んで、いくつかの驚くべき成果を上げている。

アルバムの17トラックをレコーディングする際に、Sweatは自分のファンをこれまで行ったことのない場所へ連れていきたいと思ったという。「全面的な飛躍というわけにもいかなかったけど、いくつか新しいことを試みたいと考えたのさ。一部の曲はこれまでよりちょっとハードになっている」とSweat。「それに一緒にやった連中はみんな、曲と完全にフィットしているんだ

SweatはR&Bのグルーヴはしっかりと維持しながらも、業界のトレンドには強い関心を払っている。「ここしばらくはラップがスタイルを決めていたが、いまではR&Bがラップに影響を与えている」と彼は説明する。「ラップはあまり聴かないけど、中には俺の好きなスタイルの連中もいるよ。それとスタイルは好きだけど、音楽は少しも気に入らないやつらもいるね」。またSweatは、大切なファンが望んでいるのものにも、何より大きな関心を寄せている。「俺はずっとアップテンポの曲をカットしてきたが、ヒットするのはいつもバラードだ」と彼は認めている。

おそらくはトレンドの先端にとどまることのできるSweatの能力が、悪名高いほど移り気な音楽ビジネス業界で10年以上も生き残り、いまでも女性たちをひざまずかせる理由だろう。「俺はあらゆる階層にアプローチしている。黒人、白人、ヒスパニックの老若男女にね」と語るSweatは、たしかにその事実を把握しているようだ。彼はアルバムを5枚連続でR&Bチャートのトップに送り込み、12枚のシングルがR&Bチャートでトップ10入りし(そのうち6枚がナンバーワン)、ポップチャートでも4枚のシングルがトップ5にランクされている。アーティストとしての長寿のもう1つの理由は彼が本格派であるという点にあり、彼にとって歌うことは自己表現にほかならないという。「俺が歌えるのはその時どきで自分の心に描いていることだけだ。それはでっちあげることのできないものなのさ」とSweatは説明している。

Sweatは自身のサクセスストーリーを、少なくとも自分が楽しめる限りは、これからもずっと続けていく計画である。「俺は自分のやっていることに満足している。好きなときに曲を作り、やりたいようにやっているよ。ヒットが出せるように特定の方法で曲を書かなくちゃならない、なんてことはないのさ。自分が何をすべきかについてほかの人の意見を聞いて、自分よりもその人に従ったために失敗するよりも、俺は自分で間違いを冒すほうをとりたいね。ヒット曲を作るというストレスに対処する必要もない。自分のやりたいことをやるまでだよ

たしかに彼のやっていることは間違っていないようだ。

 

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