ソロ・アルバムと著作を発表、その旺盛なクリエイティビティに秘められたもの

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ソロ・アルバムと著作を発表、その旺盛なクリエイティビティに秘められたもの
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「今の俺は、先に進めるのがうれしくてたまらないんだ」

st Album

Trust No One
東芝EMI TOCP-65766
2001年6月27日発売  2,548(tax in)


1 Rexall
2 Hungry
3 Sunny Day
4 Mourning Son
5 Everything
6 Not For Nothing
7 Avoiding The Angel
8 Very Little Daylight
9 Venus In Furs
10 Slow Motion Sickness


1stシングルの“Rexall”で、Dave Navarroは「おまえらが想像してるような人生を送ってみたいものだ」と歌っている。大きな影響力を持ったオルタナティヴロック・バンド、Jane's Addictionの一員として、そしてまたRed Hot Chili Peppersのギタリストとして、魅惑のロックスター人生を送っているかのようにみえるNavarroだが、その世界が幸せと成功ばかりに満ちていたわけではない。

周囲の連中に言わせれば、“何がそんなに悲しいんだよ。おまえには金もあれば彼女もいるし、いい車も家も持ってるのに………”ってことになる。それが狙いだったんだろうって。だが、そういう連中は気持ちの部分を勘定に入れていない。口で言う分には魅力的だが、俺の気持ちはそうじゃなかった」とNavarroは語る。

語られた真実によれば、Navarroの華々しい音楽のキャリアには、彼が15歳の時に起こった悲劇が常に影を落としていたという。彼の母親が元恋人に殺されたのだ。当然ながら、そのトラウマたるや恐ろしいものがあった。以来ずっと、複雑な感情をギターの演奏に移しかえることで、彼は正気を保ってきたのだ。ところが数年前、バンドからバンドへの移行期にあった彼は、薬物の過剰摂取により暗い穴へと落ち込んでしまった。

その中で見えた唯一の光が創作である。Navarroはソロ・アルバムに取りかかる一方、1年間に及ぶ退廃と絶望の日々を『Don't Try This At Home』なる本の題材にした。

創作を癒しの策と考えたんだ。何に対しても自信を持てずにいたから、いちかばちかやってみるしかない、と。悩みを断ち切る方法として、俺に思い当たるのは何か創ることだけだったから

ソロ・デビューアルバムとなる『Trust No One』で、Navarroは定番の脇役を脱し、すべての楽器を演奏して、ヴォーカルの仕事も年季の入ったフロントマン並みに無難にこなしている。それをどうして皆が驚くのか、Navarroは理解できないそうだ。

俺にとっては自然に思えるんだがな。どれも前から弾いてた楽器ばかりだしさ。ただ、今まではずっとバンドにいて、そこには他に弾けるやつがいただろ。今回だってエゴでやったんじゃない。たまたまバンドがなかったから、こうなっただけだよ

Navarroはその表現を、ギター・リフのみならずインパクトのある歌詞にも広げ、聴き手を彼の思いそのものへと導いていく。胸の奥底を探り出し、自暴自棄、意気消沈、マゾヒズムといったテーマを掘り下げるような内容だ。

アートとは本来どういうものか? 過去の体験に基づく創造さ。何を題材に書くつもりかって……女に車? 俺はそんなのに心を動かされはしないよ

アルバムのリリースと、それに伴なって予定されているソロツアー(Jane's Addictionの短い再結成ツアー後になる)についてNavarroは、とにかく自身の人生の特定の時期にピリオドを打ち、当時の感情に幕を引けたことが嬉しいと言う。

レコード1枚が完成するまでの間には人の置かれている状況もずいぶんと変化するものだ。だから、1カ月前に思いついたことを延々と追体験しなければならないのは、欲求不満に近いものがある。レコードも本も、制作期間は数年に及んだ。今の俺は、人間として当時と全然違う場所にきている。だから先に進めるのがうれしくてたまらないんだ

By Kastle/LAUNCH.com

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