全ては芝刈りをして貯めた1500ドルで購入した4トラックの機材から始まった…

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全ては芝刈りをして貯めた1500ドルで購入した
4トラックの機材から始まった…

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「大きなレコーディングスタジオにいるようだった」

最新 Album

beautifulgarbage
Sony Records International SRCS-2533
2001年9月27日発売 2,520(tax in)

1 Shut your mouth  
2 androgyny  
3 Can't cry these tears  
4 Till the day I die  
5 Cup of Coffee  
6 Silence is golden  
7 Cherry lips(go baby go!)  
8 Breaking up the girl  
9 Drive you home  
10 Parade  
11 Nobody loves you  
12 Untouchable  
13 So like a rose  
14 Begging Bone  
15 The World is not enough


多くのジャーナリストがアルバム制作中のバンドとともにレコーディング・スタジオに入り、その興奮やドラマを捉えようとしてきた。

彼らはその長くスローで、面倒な作業を、まるでローラーコースターのようにきらびやかで激しいもののごとくすりかえ、事実を知らない人々に感動を与えることに成功してきた。

しかし実際は、レコーディング・スタジオこそが“動きのある”バンドを見るのに、この世で最も退屈な場所なのだ。そこは活気が溢れるというわけではなく、強迫観念にとりつかれたような何万回もの細かいやり取りがあるだけだ。ほとんどのミュージシャンはその間、本を読んだり、寝たり、靴下のほころびをつまんだりすることに時間を費やす。

しかしながらGarbageの場合、そのプロセスはもっと感じが悪い。バンドの4分の3のメンバーは技術オタクで、フォトジェニックでセクシーなシンガー、シャーリー・マンソンもおとなしく黙っているタイプではない。彼らは服のほころんだ糸をつまむのではなく、おたがいの弱点をつまむのだ。けれども「肝心なのは、次の日にはまた友人に戻っているってことだね」とギタリストのスティーヴ・マーカーは言う。

そういったことでものすごく時間がかかる」とマーカーは付け足す。 「だからこのニューアルバムのために、エンジニアのビリー・ブッシュを起用したんだ。それで僕達はカウチに座って、ミュージシャンであることに専念することができた

もしそういう責任をだれかに押し付けなかったら、あと6ヶ月はかかっただろうとマーカーは懸念する。

タイトル『beautifulgabage』がほのめかすように、このアルバムには矛盾、誤解、皮肉が入り混じり、そのデリケートでひそやかなポップ・ソングは一途に耳を愛撫するかのようだ。

このアルバムはシャーリーそのものだ……ひとりの人間が語る音なんだ」とマーカーは言う。

とはいえアルバムのそこら中に彼女の要素がちりばめられているからといって、他のメンバー、エリクソン、マーカー、ヴィグの姿が見られないというわけではない。曲は全てスタジオの中で書かれたものである。

Garbageのアルバムはこのように作られる。彼らはロサンゼルスの“寿司バーと熱い風呂”から離れて、メンバーがホームと呼ぶ荒削りの場所、スマート・スタジオズ(Garbageが所有するスタジオ)でレコーディングすることを好んでいる。スマート・スタジオズは、マーカーとヴィグが、芝刈りをして貯めた1500ドルで購入した4トラック(いまはもう少しましなものに変わっているが)の機材から始まり、それは現在も彼らの長い友人関係の中で、遊び場として活用されている。こういったプライベートで快適な環境の中、Garbageは納得いくまで優美な音を奏でたり、モダンなコンピュータを使った効果音を取り入れたりしている。

現在のめまぐるしいポップ・ミュージックの世界(マーカー曰く「最悪な業界」)では、強い印象やパワフルな曲、業界での影響力(U2のオープニング・アクトをつとめるなど)をもつGarbageのようなバンドでさえも、マーカーに言わせれば「崖にしがみついているようなもの」だ。

当初ツアーを好まず、じっと「曲を作り出すアイディアがどういう方向にいくのか見たい」と言っていた彼らも、この数年で33以上の国々を回っている。技術オタクなら誰でもやりたくなるように、彼らもサンプリングや音響システムの力を借りて楽器を直接ボードにつなぎ、モニターを通すことなくイヤホンからその音を聞くことによって、生なましいスタジオのバイブレーションをうまく再生することができた。

その効果は「大きなレコーディングスタジオにいるようだった」とマーカーは言う。

これがGarbageの楽しい我が家といったところだろうか。

Rob O'Connor/LAUNCH.com

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