デトロイト特集Part2 <トランスマット>新時代の幕開け

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デトロイト・テクノ特集 Part 2
レーベル<トランスマット>新時代の幕開け


エレクトロニカからは感じられないセクシーさとトランスからは感じられない哲学的な深さが同居

最新アルバム

『TIME::SPACE II』

Transmat Records 発売中
CATCD-002~003 

<DISC1>
1 Aril Brikha「Bytes」
2 Microworld 「BC Style」
3 Indio 「Inca」
4 Stephen Brown 「I Am Someone」
5 Louis Haiman 「Actualization」
6 Yellow Planet 「Story of China Men」
7 Sans Solil 「Stretched Blue Oval」
8 Sans Soleil 「Winter Light」
9 Ebb 「Someone So True」
10 Reggie Dokes 「Metu Neter」

<DISC2>
1 Rodenbush 「Tranquility」
2 Lucien Nicolet 「Pasando Una Puerta」
3 Roden Bush 「Awakening」
4 Stephen Brown 「The Year Zero」
5 L.S. 「Thyme Spice」
6 John Arnold 「Respectall」
7 Yellow Planet 「The Fugitive」
8 Louis Haiman 「The Question of You」
9 Microworld 「DB」
10 Sans Soleil 「Sahara VHF」
11 Tony Drake 「Wings」


★【デトロイト・テクノ特集 Part1】の記事は こちら
デリック・メイのインタヴューもアリ
▲Derric May
’80年代後半にテクノの伝説的名曲「Strings Of Life」を産み出したのは、ゴッドファーザー・オブ・テクノと称されるデリック・メイが主宰するレーベル<トランスマット>だ。

しかし、これまでのリリースは断続的であった。それはデリック自身が量よりも質を求めていたためだったのか、レコード会社との契約トラブルによって自身の作品が10年以上もリリースできなくなってしまった結果、彼自身の音楽への愛情が冷めてしまったためだったのか…、それは定かではない。

しかし、今年に入ってから<トランスマット>の新たな境地を切り開いた名曲「Groove La Chord」が収録されているアリル・ブリカのアルバム『Deeperture Of Time』を皮切りに、ステファン・ブラウンの「EP1」と「EP2」、そして将来が嘱望されるローデンブッシュのEP…と、未だかつてないペースでコンスタントに作品がリリースされ、Transmatは未来への助走を始めた。そして遂に新時代の幕開けを告げるレーベルコンピ、『Time:Space II』がリリースされた。

『Time:Space II』には、主にデリック・メイがDJとして世界中を飛び回っている間に出会ったアーティスト達の作品が収録。ここでは個々のアーティストの個性が形成するヴァラエティさを持ちながらも、レーベルとしての明確な方向性を感じ取ることができる。エレクトロニカからは感じられないセクシーさとトランスからは感じられない哲学的な深さが同居し、<トランスマット>が再びエレクトロニック・ミュージックを新たな次元へと押し上げようとする気概を感じるには充分な内容だ。

今回『Time:Space II』に楽曲を提供している3人のアーティスト(アリル・ブリカ/ステファン・ブラウン/トニー・ドレーク)に話を訊く機会を得ることができた。彼らがどういうバックグラウンドを持っているのか、どうして<トランスマット>を選んだのか、今回の楽曲にどういう意味を込めたのかという話を訊いてみた。

取材/文●門井隆盛
取材協力:SoundScape/Cisco International

インタヴュー(アーティスト写真をクリック!)

【Aril Brikha】
イラン人のアリル・ブリカは幼い時からスカンジナビアの移民となり、ストックホルムに越してからも文化的迫害を受けて育つ。自分の作っていた音楽を友達から「それはデトロイト・テクノだ」といわれ、トランスマットにデモを送った。トランスマットが初めて制作したPV「Groove La Chord」は彼の名曲は、アルバム『Deoature In Time』に収録されている。新生トランスマットを代表するプロデューサー。
 
【Stephen Brown】
スコットランドのエジンバラを拠点に活動するステファン・ブラウン。インタヴュー当日はロンドンでマスタリングだったとか・・・(ん、新作がでるのか・・・)。'90年代半ばからヨーロッパ中の様々なレーベルから作品をリリース。彼自身のレーベル、<リアル・タイム・レコ―ズ>も設立している、2002年にはトランスマットより「EP1」「EP2」をリリース。
 
【Tony Drake】
今回インタヴューした中で唯一デトロイトに生まれたトニー・ドレーク。ゴスペル・ピアニストの祖母とR&Bの作曲家の叔父を持ち・・・と親戚からの影響か様々な音楽からの影響を受けている。同じ地域で生活していたデリック・メイに彼のアンビエントっぽい音楽が気に入られ、トランスマットよりアルバム『Texture』をリリース。"アンビエントとファンク、クラシックとテクノの融合”と彼の音楽は評されている。
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