自分と他人がいて、そこから沸いてくる感情を歌った『キセキ』リリース!

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「自分と他人がいて、そこから沸いてくる感情」を歌う


アルバム『キセキ』を聴いて、「彼らは人間嫌いなのかな?」と思った。
けど、次の瞬間、「いや、好きだからこそこうなっちゃうんだろうな」と考えなおした。

かすかな緊張感を漂わせ、音数はシンプルなバンドサウンド。
そして、“~でありたい”、“~してしまう”と苦悩系な言葉が耳につくと思えば、
“美しい”、“青春”など人間を肯定的に表現するキーワードが前提にある。

作詞作曲を担当する倉島大輔は、制作の原動力を「自分と他人がいて、そこから沸いてくる感情」という。
インディーズですでに2枚のアルバムを出し、地元長野で基盤を作ったセツナブルースター
若々しさを放ちながらも、地に足が着いた、落ち着いた様子でインタヴューに応えてくれた。

何種類かある“キセキ”という言葉の意味全部に当てはまる内容

★セツナブルースター★
インタヴュー映像 

最新アルバム

『キセキ』

Warner Music Japan
2002年12月11日発売
AMCM-10035 2,500(tax in)

1 なないろ
2 死んで行く僕らの目に
3 少年季
4 みんなの歌
5 四度目の青春
6 かけら
7 車窓から
8 エレジー
9 菫に似ている
10 心臓


最新シングル

『少年季』

Warner Music Japan
AMCM-10019 1,000(tax in)
発売中

1 少年季
2 君に宛てる手紙


※全ての画像と文章の無断転用を禁止します。
――メジャー1stアルバム『キセキ』がリリースされましたが、今作の大きなテーマなどはあったんですか?

倉島:
テーマというか……、(地元長野から)上京したのがちょうど1年位前なんですけど、その上京したてのときに書いた曲が「少年季」って曲で。6月シングルでも出てるんですけど、その曲が元になって、新しいセツナブルースターが僕らの中でけっこう見えて、いい感じになってたんです。この時期上京して来たってのもそうだし、ちょうど僕らが十代から二十歳になったときだし。……で、この曲でメジャーからのリリースが決まった感じだったし。

――「少年季」はすごいタイミングでできたんですね。

倉島:
ええ、それまで十代で、インディでやってた頃は他の周りの人に負けちゃいけないっていう変な意味での意識がすごい強くて、どっか尖ってた部分があったと思うんです。そんな状態で上京して暮らし始めたら、すごい、僕自身疲れてしまって、いろんなことが空回りするようになっちゃって、そのときにすごい落ち込んで。どうしようどうしよう…と思ってずっと考えてたときに、なんか肩肘張らなくてすごい素直になりたくなって、そのときに思いのままっていうか、いろんな思い浮かんだ景色とかをバーって、ギター鳴らしながら書いてみたら「少年季」みたいな曲ができたんすよ。

――なるほど。セツナは倉島さんが作った原曲をメンバーに聴かせてアレンジを煮詰めていくのですか?

島田:
今回はそういう感じでしたね。今までの僕らの曲の作り方って、ライヴで曲を育ててくっていうか、ライヴの中でいろんなノリをつかみながらどんどんアレンジ変えていったんですね。でも今回はライヴをしていく時間もなくてメンバー3人、カンヅメになって、アレンジとか作ってきましたね。淡々としてやったかな。

――今後ライヴで大きく変化しそうだなって曲はありますか?

宮下:
うん、全部変わりますね。僕はライヴとCDが全然違っても良しとしているタイプだから、アルバムの内容をそのまんま忠実にライヴで演奏するよりは、ライヴならではの楽しさも感じたい。実際、今のツアーでこのアルバムに入っている曲とかやってるんすけど、けっこう変わってるから。アドリブがよく入りますよね、ライヴは(笑)。

――倉島さんがメインに曲を書いているんですが、曲を書いたり詞を書いたりっていう原動力はどこにあるんでしょう?

倉島:
結局、自分と他人っていう形ですかね、その人間関係っていうかその中で生まれてくる感情だったり、自分っていうのはどういう人間なんだろうとか、ひとつの人間っていう"輪っか"の中で、どういう立ち位置にいるんだろうとか。……あと素朴な疑問だったりする。「なんで今、あの人が笑ったんだろう」とか、「なんで今、爪いじってるんだろう」とか、そういう感情の裏を知りたいっていうか。

――なるほど。でも、東京ってやたら人が多くてわずらわしかったり、人が冷たかったりするじゃないですか。そういうので人がイヤになったりとかしないんですか?

倉島:
それが難しいんですけど、出身が長野なんで、長野の方には友達がいたんだけど、東京来てみて友達ってできてないんですよ。そんなかでけっこう寂しかったりはするんですけど、逆に自分らしくいるっていうか、あんま気を張らないでいられるかなって。ほんと素のまま、笑いたいとき笑って、泣きたいとき泣いて、怒りたいとき怒ってとか、そういうの我がままかもしれないんすけど、そういう生き方がいちばん僕には合ってるかなっていうか、一番楽なんすよね。

――無理しないということなのかな?

倉島:
うん、東京にいるから気張って自分を作っちゃうよりは、素でいたほうが馴染んじゃったんですよね。

――ある意味突き抜けてますね。で、このアルバム・タイトルの『キセキ』は奇跡なんですか? 軌跡ですか?

倉島:
人それぞれいろんな意味にとってもらって構わないんです。でも"キセキ”って言葉が持つ空気感だったり、言葉の響きであったり、その、何種類かある言葉の意味全部に当てはまる内容のアルバムになってるんじゃないかなと思ったんで、『キセキ』って名前にしたんです。

――ではパーソナルな部分もお訊きしたいので、それぞれメンバー紹介を、他のメンバーにしていただけますか。倉島さんは宮下さんを紹介してください。

倉島:
むずかしー。宮下は、俺はふだんヒロって呼んでるんですけど、そうだな、バンド自体の雰囲気というか、たとえばライヴ前だったり、ライヴ後であったり、打ち上げ会場であったり、そういういろんな場所での雰囲気を作ってる人じゃないかなという。

――では宮下さん、島田さんを紹介してください。

宮下:
えー、どんな人なんだろうケンジって。けど、俺的にはケンジがすごいバンドの、ムードじゃないけどそういうなんか作ってる気がする。あ、ケンジはたまーに言葉のキャッチボールが難しい。

倉島:
そうそう、例えば「あの人、桜上水(東京の地名)に似てるね」とか言ったりするんですよ。

――桜上水ってどんな人なんですか?

島田:
え、その人見ないとわかんないなぁ。もうフィーリングです。すべて、イメージ。ぱっと出てきた。

――では、島田さんは倉島さんのことを紹介してください。

島田:
そうっすね、バンドのリーダーでもあるし、しっかり者で、ちょっと神経質なとこあって、お酒が大好きな人ですね。

――今後のセツナは?

倉島:
今、ツアー中なんですけど、その後はミニアルバムとか作ってみようかなと思ってて。そのために少し曲を作る時間にしようかと思っています。

取材/文●星野まり子

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