<FRF'03>やっぱりすごかった! 巨匠2人 ビョーク、イギー・ポップ MCは対照的……

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26日(土)、Green StageのトリはBjork。彼女の日本での人気はご存知の通りだが、人気のあまり昨年の来日公演ではチケットの値段がネット・オークションで高騰。会員限定の先行チケットを転売していたユーザーをSmashが退会処分にするという事件まで発生してしまった。そんなわけで、彼女が出演する26日のチケットがソールド・アウトしてしまったのはFUJI ROCK史上初、前代未聞の出来事ではあるものの、予想された事態でもあるわけだ。メインゲートや入り口付近のステージであるRooki A Go Goの周辺には、「チケット売って下さい」の手製プラカードを下げた人たちが大勢おり、同情を禁じ得なかった(もちろんほかのバンドのファンもいたのだろうが)。

9時半過ぎ、白鳥のドレスで現われたBjork。髪はショートカットにばっさり切っており、大型モニターを通して見た限りでは、出産を経て逆に若返ったようにさえ見えた。若いのは外見だけではなく、リズムに合わせて足を交互にばたつかせるようにステップを踏む、独特のダンスを踊る姿は少女のようだった。

オーケストラは8人(ぐらい)編成だったようだ。「Unravel」でオープンニングを飾ると、「Cocoon」「Joga」と新旧織り交ぜたセットを披露。なお、この日の写真付きライヴ・レポートが彼女の公式サイトでも公開されているhttp://www.bjork.com/facts/gigography/sub.php?id=20

声量感あふれるヴォーカル、そしてあの“声”。独特のリズム感で、“まさにBjorkワールド”という曲の数々を披露。素晴らしいの一言に尽きる。もうちょっと見たかったが、Iggy Popを見るためにWhite Stageに移動した。

雨はほぼ止んでいたものの、これまでの雨でぬかるむ道をWhite Stageに急ぐ。実は初日観たのはGreen StageとRed Marqueeだけだったので、White Stageに行くのは今年初めて。Whiteに渡る橋は昨年までの細い木製のものから、2倍はあろう太さの石とコンクリート(?)製に大きく拡張されていた。これなら、昨年のCorneliusのときのような大渋滞は発生しないかもしれない。また、橋の近くには「ところ天国」というドリンク、軽食、乾電池などの便利グッズを売る売店ができていた。

そんなこんなでようやく到着したWhite StageのトリはUKの伝説的なパンク・ロッカーIggy Popだ。最近(といっても数年前だが)では、ユアン・マクレガー主演のイギリス映画『Trainspotting』のサントラも話題になった。BjrokからWhite Stageに移動したときにはすでに2、3曲目になっていたようだ。彼のライヴを見るのは初めてだが、雑誌の写真などで見たようにやっぱり上半身裸だった。そして、ステージ上で機材の調整などをしているスタッフもやっぱり上半身裸(笑) この日、けっこう寒かったのだが……。MCで盛んに「マザーファッカー」を連発しながらも(別に不機嫌だったわけではなく、むしろ楽しそうにそう連発していた)、いかしたナンバーを次々と披露。古さを全く感じさせずまさに現役ロッカーというハイテンションなギグだった。乾いた声、ちょっとやさぐれた演奏……カッコイイ。周りを見渡すとIggy Popをリアルタイムで経験したファンよりは若干若いリスナーの姿が目立った。ひとつ大きく印象に残ったのはオーディエンスがみんな笑顔だったこと。Iggy Popを見られる喜びのオーラが会場を覆っているようだった。ライヴは大いに楽しく盛り上がっており、後ろ髪を引かれる思いだったが、再びBjorkに移動する。

Green Stageに戻るとBjorkはいくつかのエレクトロなナンバーを披露していた。相変わらずステージは素晴らしく、オーディエンスも大いに感動している。ステージ後方には大型スクリーンが用意され、曲に合わせた映像やビデオ・クリップなどが流されていた。ぼんやりとそんな演出を眺めていると、なんと花火が打ち上げられた。観客からは大歓声があがる。MCでは「アリガト、アリガト」と繰り返すBjork。そんなBjorkに「アリガト」と心の中で呟きつつ、Green Stageのタイムテーブルが若干押していたせいもあり、ラストまでは見られず……。Royksoppを見るためにRed Marqueeに移動する。

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