<Reading Festival2003>ライヴ・レポート【その3】 ブラーの素晴らしいショウ、プライマルがメタリカに悪態

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OsbourneとMcCrackenだけが、今年のフェスティヴァルのスペシャル・ゲストとなったわけではない。Har Mar Superstar自身も、土曜日にBBCラジオ1・ステージの出演したNYのディスコ軍団Radio 4のステージに参加。Placeboのショウには、元PixiesのFrank Blackが参加し、Pixiesの「Where Is My Mind?」をプレイした。またフェスティヴァル全体のハイライトの1つは、土曜日にヘッドライナーを務めたBlurの2時間のショウ(スーツを着たシンガーDamon Albarnは、過去何年かより数段、素晴らしく、「Song 2」「The Universal」「Tender」「This Is A Low」「End Of The Century」といった昔のヒット曲を歌った)の終わりに、映画『Quadrophenia』のスターPhil Danielsが予告なしに登場した時だった。Dannielsはバンドと一緒に、話し言葉を使った実験的な未発表曲を歌ったり、Blurの代表作'94年の『Parklife』からのタイトル・トラックでゲスト出演したのを再現し、多くの観客をうならせた。

今年のステージでは、The White Stripesを望む声と同時に、日曜日のヘッドライナーだった時代遅れのMetallicaをけなすことが流行った。Metallicaは多くの観客を魅了したが、誰からも好かれているというわけではなかった。同じく日曜日のメイン・ステージに立ったPrimal ScreamのBobby Gillespieは、曲の合間に「お前たちみんな、Metallicaみたいなくそを見るためにここにいるなんて奴隷の集まりだ!」と野次を飛ばし、多くのMetallicaファンを怒らせた。Har Marは、ステージでもっとユーモラスに嫌味を言っていた。「'92年のMetallicaのビデオは、もう効き目がない。だって、あれがクールだったのは俺が8年生だった頃だろ」と話し、Metallicaのヒット曲「Enter Sandman」をディスコ調にアレンジしたものをプレイした。

これらのアンチ・Metallicaのコメントが、フェスティヴァル全体の雰囲気を盛り下げたわけではないが、The White Stripesのキャンセル以外にもいくつかガッカリすることがあった。たとえば、最近“健康上の問題”でバンドから離脱、バンドメイトCarl Baratの自宅に押し入り逮捕されたThe LibertinesのPete Dohertyは、土曜日の午後、メイン・ステージに上がったバンドに再び参加し、パフォーマンスするのではないかと噂されていたが、実現することはなかった。Joe Strummer風の特徴ある荒々しい声を出すDohertyの代わりを引き継いだBaratのリード・ボーカルでは、バンドは以前と全く同じというわけにはいかなかった。また荒々しい声でまくし立てるThe StreetsのMike Skinnerも声を痛めていたようで、イギリスの労働者階級の生活について述べる、お得意の鋭い観察力もいまひとつ冴えなかった。

しかし3日間のフェスティヴァルには、ほかにも多くの素晴らしい出来事があった。土曜日の午後早く始まったダイナミックなデンマークのデュオJunior Seniorのステージは、自由気ままで楽しいポップを展開。大ヒット曲「Move Your Feet」(即興でコンガのメロディも取り入れた)で観客を掴んだ。また、東ロンドン出身の不屈の新人Razorlight、オルガンとテルミンを使用したオーストラリアのいかしたバンドRocket Science、サイコビリー・メタルのEighties Matchbox B-Line Disaster(Elvis Presleyを全盛期のGuns N' Rosesのフロントに立たせ、Johnny Ramoneをギターに加えたと想像するといい)、80年代のヘア・メタルを復活させるThe Darkness(フロントマンのJustin Hawkinsは、Freddie Marcuryばりのユニタードを着てTed Nugentに似たライオンのたて髪のようなヘア・スタイルをしている)などの新人達を発見することが出来た。これらのバンドは、アメリカではまだ知られていないが、来年の夏にはアメリカのフェスディヴァルでもヘッドラインを務めるようになるのかもしれない。

Lyndsey Parker, Los Angeles (C)LAUNCH.com
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