ザ・フューチャーヘッズ、ロンドン・アストリア レポ!

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5月16日、ロンドンのアストリアで行なわれたザ・フューチャーヘッズのライヴへ行ってきた。彼らのコンサートへ行くと言ったとき小学生から「いいなあ」との反応があり、ちょっと驚いた。確かにトップ10ヒットも出しているし、昨年発売されたデビュー・アルバムも未だCDショップでは目立つ場所に置かれている。しかし、小学生から羨ましがられるとは意外だ。今回ライヴが行なわれたアストリアは入場に年齢制限があるため子供の姿はなかったが、この次、彼らがより大きな会場でプレイするときは小学生が大挙して押し寄せるなんてことが起きるのかもしれない。

結論から先に言うと、この夜のパフォーマンスは、今年これまでに見たライヴの中でベストに挙げられるものだった。彼らには、昨年ブレイクした新人、フランツ・フェルディナンドやカサビアンにあったような勢いがある。それは、1曲3分以内というたたみ掛けるような演奏のせいだけでなく、4人のメンバーが楽しんでパフォーマンスしているのが見ている方にも伝染するのかもしれない。いいオーラを発していた。

彼らのサウンドはザ・クラッシュを彷彿させるものだが、ここにはジョー・ストラマーが3人いると想像してもらっていい。ギターの2人(ロス&バリー)にベース(ジャフ)、3人のヴォーカルで攻めてくるのだから、迫力満点。演奏も上手い。アルバムも十分楽しめるが、ライヴはそれ以上にパワフルだ。普段は音響がいまひとつのアストリアだが、この夜だけは気にならず、約1時間、威勢のいいロックンロール・ショウを楽しめた。ただひとつ難点を挙げるとすれば、どの曲も同じに聴こえてしまったこと。しかし、パフォーマンスの流れを変えないという意味では、これでよかったのかもしれない。

彼らは次の晩にもアストリアでパフォーマンスしている。2夜連続どちらのショウもソールド・アウト。先述した小学生の話とも併せ、続々と新人バンドが現れる中でも次にフランツ・フェルディナンドやレイザーライト級の若手バンドとなり得るのは彼らなのかもしれない。フランツが“昨年のベスト・アルバム”に選んだ彼らのデビュー・アルバム『The Futureheads』は6月8日に日本発売。そして<FUJI ROCK FESTIVAL '05>でそのライヴを見ることができる。“ワン・ツー・スリー・フォー”の掛け声で始まる勇ましいパフォーマンスをお見逃しなく。

Ako Suzuki, London
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