Ryoと大蔵が今のケツメイシのすべてを語る<第一部>ケツメイシは、どうやって今の自分たちの方向性を作り出したのか

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──敷居が低いといえば、ケツメイシの音楽自体がそうですよね。ヒップホップやレゲエの要素がありながらも、そういった音楽に詳しくなくてもすんなり馴染める楽曲ばかりで。新作『ケツノポリス4』1曲目の「ドライブ」は、山下達郎なんじゃないかってぐらいの王道爽やかポップスですね。もちろんラップも聞こえてきますが、純粋にポップスと呼べる曲だなぁと、あらためてケツメイシって多面体だなぁと思いました。

Ryo:年齢が若ければもしかたしたら違ったかもしれないんですけど、イイ歳してやっとレコード会社と契約して……、できるなら売れたいですよねぇ?(苦笑)。

大蔵:ハイ(笑)。

Ryo:本当に自分の好きなことばっかやってたらメシも食えませんから。自分の中で譲れない部分もあるけれど、こうやってレコード会社のみなさんにもお世話になって作品が出せて、しかもメジャーで出せるんだったら、自己満足よりもどうせなら売れたいし、より多くの人に聴いてもらいたいですよね。やってることは、詞とかも完全にベタだと思いますし、でもそれで聴いてくれる層が広がったり、そこから何か分かりやすく感じられるものがあればそれでいいんですよね。昔はもっといろいろありましたけどね。

──こだわりとか?

大蔵:他人の目が気になったりとかね。

Ryo:特に日本語のラップとかって、閉鎖的なところがありましたからね。今ではなくなりましたけど。

大蔵:さっき話した「こっちおいで」の頃とかって、ラップの曲で、サビの部分が歌えるメロディーになってる曲なんていうのはあり得ない、とかって雑誌でも書かれてたりとかして。それでも、ライヴのお客さんの反応は盛り上がって楽しそうだったし。もともと僕らの根本にあるのは、その夜ライヴで楽しかったり、曲を聴いていい気分になれたり、Ryoさんも言ってましたけど、より多くの人たちの人に聴いてもらいたいという意識が昔から強かったんですね。そういう意味では今、何万枚とか売れていろんな人に聴いてもらえてるっていうのは、うれしいですよね。

取材・文●梶原有紀子



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