4年振りに新作アルバムをリリースしたポール・マッカートニー、音楽のすばらしさを語る

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【DVD収録内容】※曲目は通常盤と同じ
1. “Between Chaos and Creation”: ポール・マッカートニーと
  ナイジェル・ゴドリッチのインタビュー(日本語字幕付)

2. “Fine Line”: 「ファイン・ライン」パフォーマンス・ビデオ
3. “Line Art”: アートワークにも使用されている線画の映像
4. “How Kind Of You”: 「ハウ・カインド・オブ・ユー」イメージ・ビデオ

ファイ・ラインPV映像
※2005/12/27まで公開
『ファイン・ライン』 [シングル]

東芝EMI
TOCP-40183 \ 1,050(税込)
2005年9月7日発売

【収録曲】
01 ファイン・ライン
02 コンフォート・オブ・ラヴ
03 グローイング・アップ・フォーリング・ダウン
――またニュー・アルバムが完成しましたね。これほど長い間活動を続けてきたあなたでも、いまだに新しいアルバムをリリースするとなると、ワクワクされたりするのですか?

ポール・マッカートニー(Vo/以下、ポール):リリースは僕の好きなことではないんだ。自分の赤ちゃんを手放すようなものだからね。作っているとき、つまり、あの創造的なプロセスは最高だ。リリースするとなると、少し大変になる。プロモーションしたり、あれやこれや考えなくてはならないからね。別にそういったことをやりたくて、アルバムを作るようになったわけではないし、自分の元から手放すわけだから。それに、必ずしも僕が同意できないような意見を言ってくる人もいる。先日も、「あの曲は、こういう内容ですよね?」と言われたんだが、僕は、「いや、そうじゃないんだ」と答えたよ。ああ、またいつものあれが始まったな、と思ったよ。でも、このアルバムは作っていて楽しかったし、リリースするというのも嬉しいことだ。みんなに聴いてもらえるんだからね。

――これまで長年にわたりすばらしいポピュラー・ミュージックを作り続けてきたことで、自分の曲がどこからやってくるのかがより明白に感じられるようになったのでしょうか? 曲がどこからやってくるのかということを考えたりしますか?

ポール:うーん、そうだね。いつもどこから生まれてくるんだろうと不思議に思うけれど、それを知りたいとは思わない。知らないでいるからこそ、魅力的なんだ。毎回、まずは何もないところで、腰を落ち着けて、ギターを手にして、その1、2時間後に突然曲ができて、上手くいけば、「あの曲は大好きだよ」と言ってもらえたりする。「これだ!」と感じるんだ。だから、僕にはどこから曲が湧いて出てくるのか全くわからない。僕の音楽に対する愛情から生まれてくる。それほど前のことでもないんだけど、キース・リチャーズと話をしていて、彼が、「なあ、俺たちはまず、音楽を聴くことから始まっていて、曲を書いたり、歌ったりするなんてことはしてなかったよな。俺たちがやってたことは、音楽を聴くってことだったんだよ」と言っていた。まさに彼の言う通りだと思う。それから音楽を演奏するようになって、歌うようになって、最終的には曲も書くようになったんだ。自分がすばらしいと思える音楽を聴くのが大好きだという感情から生まれてくるんだと思う。それが音楽の特別なところだ。僕は、「ゴッド・オンリー・ノーズ」を涙せずには聴いてはいられない。この曲は僕にとって、そういう曲のひとつなんだ。とにかく特別な曲で、歌詞やらコード展開、あの録音がそうさせるんだが、それは神秘的なことで、僕はそれが大好きなんだ。僕は、そういった意味で、自分のやっていることが本当に大好きで、「なんで今でもやっているんだい?」なんて言われることもある。「飽き飽きしないかい? うんざりしないのか?」なんてね。僕は、「そんなことはないよ」と答える。そうだったらいいのに、なんて思うこともあるけどね。そうすればホリデーに出られるからさ。でも、本当に好きでやっているからね。アメリカにツアーに出るのが楽しみで仕方ない。そうすることで、こういったこととは別に、アルバムに対するフィードバックをオーディエンスから得られるしね。とにかく、どうやって生まれてくるのか、その理由はわからないな。音楽を作るという行為には神秘的な要素があって、僕は、それはすばらしいことだと思っている。

――『ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード』のレコーディングはどこで行なわれたのでしょうか?

ポール:基本的には、ナイジェル(プロデューサーのナイジェル・ゴドリッチ)のお気に入りのスタジオでレコーディングしたんだ。僕はサウンドの専門家ではなく、マイクの後ろに立っている人だから、彼の慣れている環境や、彼の満足できる環境で音が聴こえるということが重要だ。それで僕は、「で、どこでレコーディングしようか?」と彼に尋ねた。そしたら彼が、「ロンドンのいつものスタジオ、ラク(Rak)でやりたいんだ」と言うから、「それはいいね。僕もあそこでレコーディングしたことがあるよ。いいアイディアだ」と答えた。ロサンゼルスのオーシャン・ウェイ(Ocean Way)でもレコーディングしたよ。そこも彼のお気に入りのスタジオのひとつで、僕は一度も使ったことがなかったんだけど、彼が、「すばらしいスタジオで、僕はあそこのサウンドが大好きなんだ。あのスタジオだとマジックが起こるんだよ」と言うんで、「それだったら、そうしよう」と答えた。それと、このエアー・スタジオのエアー・リンドハーストでもやったよ。ここは僕も使ったことがあるスタジオなんだけど、このスタジオも彼のお気に入りだから使ったんだ。彼がサウンド・マンなんだから、僕はそれを尊重しているんだ。

――実際レコーディングしている最中には、他のアーティストの音楽を聴かれたりするのですか?

ポール:いつも音楽は聴いているよ。でもそれは、必ずしも自分の参考にするためではないけどね。参考になるものもあるよ。それは当たり前のことだよね。ニール・ヤングのようなアーティストを聴いていたとしたら、「アコースティックの曲をやりたいな」と思ったりするかもしれない。でも、それくらいのことだよ。カナダっぽい音楽にしたいとか、ニール・ヤングっぽい音楽にしたいとは思わないしね。漠然としたものだな。いろんな音楽を聴いているし、あまりにも幅広いから、それに影響されたアルバムを一枚作るということはあり得ないけどね。


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