真野恵里菜、1年振りのコンサートツアー東京公演はコントあり、アクションあり

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“手握(てにぎ)”こと「手を握って歩きたい」(後藤真希のカヴァー)や、ピアノ演奏しながらのメジャーデビュー曲「乙女の祈り」も披露された中盤。ここでは、(前年のコンサートツアーで登場した)悪の総帥・キングクエッションの部下で、どこぞの悪の軍団のような出で立ちのアクロバティックな覆面男たちを相手に、ピンクのミニスカポリス風な衣装に着替えた真野ちゃんの、仮面ライダーなでしこをも彷彿とさせるようなアクションが炸裂する。「純情警察“K・I・S・S”」を歌いながら、ジャンプやキックを披露して、バッタバッタと覆面男たちをねじ伏せていく痛快な大立ち回り。しかし激しいアクションの中にも笑顔とピースが飛び出すなど、可愛さも忘れない。

そして、残すはキングクエッションのみ。ということはつまり、(本人の意向はさておき)前年のコンサートで大好評だった、あの「堕天使 エリー」をフィーチャーした真剣勝負!のコーナーが。

「真剣勝負! 知ってて当然の常識クイズを出します。間違えたら、秘蔵ショットを出しちゃうからなー。問題、5000円札に描かれている偉人は?」

キングクエッションが繰り出した、日本国民なら誰しも見たことがあり、学校の授業でも習う常識問題の前に絶句する真野恵里菜。そんな真野ちゃんの、明らかに“わかってない”表情を見て、会場からは「えー!」の声が飛ぶ。「うわっ、なんだっけ? あれっ? うわーこれ恥ずかしい。5000円札使わないもん。」と、答えられず(答えは樋口一葉)。寝顔ショットをファンの前で披露。そして真野ちゃんが恥ずかしさを誤魔化すように言葉を続けようとしたところで、強引に曲(間違えた時に流れる「堕天使 エリー」のサビ部分)が流れる。

2問目は間違い探し。真野ちゃんは最後のひとつが見つからず、これも失敗。秘蔵ショットと同じ表情を強要される罰ゲーム。3問目は想像モノマネ。真野ちゃんは「もしも板東英二さんが女子高生だったら」というお題をこなすことができず、ステージ上で欽ちゃん走りを披露するなど、散々、キングクエッションに振り回されるのであった。

後半は「ドキドキベイビー」や「元気者で行こう!」など、本編終了までアッパーチューンが連続する。もちろん盛り上がりは最高潮だ。そして「恵里菜!」コールからのアンコールでは、新曲の「Song for the DATE」に、“自分の中の曲で、一番大切にしている曲”という「My Days for You」が披露される。この曲は、真野恵里菜とマノフレとの関係性、メッセージが込められている曲でもある。

赤いサイリウムを揺らしながら歓声を送ってくれる会場の、隅から隅までを眺め、瞳を潤ませて歌い上げていく真野恵里菜。そんな真野ちゃんの姿に心を打たれながら、<いつも見ててくれて ありがとう / 支えてくれていて ありがとう>という想いを受け取っていくマノフレ。両者の優しさに包まれて、公演は幕引きとなった。

「ここは本当に特別な空間なので、なにかお芝居のほうでくじけることがあったとしても、こうやって、イベントだったりライヴでみんなに会うと『あー、やっぱここだなぁー。』って、思ったりするんです。ひとりじゃないんだな、って。こうやってライヴを作り上げるために支えてくれるスタッフさんもいるし、心配かけているはずなのに、何も言わずに思ってくれる家族もいるし。何よりも、みなさんにいっぱい心配とか、『真野ちゃん大丈夫なの?』『リハーサルちゃんとできてるの?』って、思わせちゃてるんですけど(笑)。でも、私もそう言ってもらえるからこそ、『いいステージ作りたい』と思って、今回、リハーサルをやっていまして。ほんとに、ここに立てているのは、スタッフのみなさん、家族、ファンのみなさん、友達のおかげだと思っています。ほんとにほんとに、ありがとうございます。」── 真野恵里菜

真野恵里菜のコンサートツアーは、残すところ、追加公演も発表された6月23日の座間公演(ハーモニーホール座間)のみ。ちなみに神奈川県出身の真野恵里菜にとって、初の“凱旋公演”でもあり、過去には「特別なものにしたい。」と語っていた公演だ。チケットは残りわずかとなっているようなので、どうしても真野ちゃんの凱旋公演を観たい人は、早めにチケットを確保しておくことをおすすめする。

そして最後に。公演が行なわれた6月16日の渋谷公会堂周辺の天気は、というと、言うまでもなくもちろん雨だった、ということを付け加えておきたい。しかし雨は、決して悪いものではない。

言うなればこれは、真野ちゃんのもとにマノフレが集う時の約束事、のようなものなのだ。

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)
◆BARKSかわいこちゃんねる
◆真野恵里菜 オフィシャルサイト
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