【ライブレポート】ビクターのロック愛に応える熱演の連続。<ビクターロック祭り~音楽の嵐~>

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さあ、次の出番はサンボマスター。またしても空気が一変する。ステージ前方には早くもファンが押し寄せてギッシリで、彼らの根強い人気をうかがわせる。スクリーンに「サンボマスター」と表示され、いつものようにオープニングSE「モンキーマジック」が流れ出すと大歓声の中メンバーがステージ・イン。山口は「俺たちはビクターに来て日が浅い(笑)! でも社員がみんな安月給でがんばって働いてんの知ってんだ俺は!」と叫び「世界を変えさせておくれよ」でライヴはスタート。

「お前ら体力温存してるんじゃねえぞ!全員踊れ~!」と煽りまくる山口の声にいきなり爆発する幕張メッセ。「今日はビクターの株主総会かなんかですか!? 違いますよねえ? ロックンロール株主総会やっていいですか~!」続いて「ミラクルを君とおこしたいんです」。ニューアルバムからの「未練は残さず踊るつもりだ」では「(ビクターのサンボマスター担当)山上! 踊れコノヤロー!」とのMCから観客との“山上コール”大合唱に発展。さらに「安月給!安月給!」とエスカレート。こんなコールが起こるライヴはサンボくらいだ(笑)。観客及びメンバー全員が未練を残さず踊った後は、1stアルバムからのアンセム「そのぬくもりに用がある」。イントロが鳴ると一斉に手拍子が起こる。「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」「できっこないをやらなくちゃ」と怒涛の勢いでライヴを終了。この日、中盤のハイライトとなった。


3月5日にカバーアルバムをリリースするTHE BAWDIESは、サム&デイヴの「ソウルマン」をSEに登場。「ROCK ME BABY」でライヴをスタート。「一言で言えばロックンロールです! みなさん感情を爆発させてください!」とボーカル・ベースのROY。揃いのスーツのスタイリッシュな出で立ちとは対照的に、奏でる音は実にささくれ立ったガレージ・サウンドだ。「まだまだ行けますよね!?」とハイテンションで観客に呼びかけるROY。「我々、好き放題ロックやらせて頂いてます! 日本でこれほど好き放題ロックやらせてくれるのはビクターだけです!」と感謝を表し、カバーアルバムから「SHAKE A TAIL FEATHER」を披露。本日の主役(?)であるニッパー君と絡めて「HOT DOG」。日本語での主張や音楽的な探求は横に置いといて、ロック・ミュージックの楽しさをみんなに伝えたいという気持ちが伝わってくるイキイキとした40分間だった。最後は観客との「わっしょい!」でステージを後にした。


ビクターロック祭りも後半戦に突入。18時を回り、くるりの出番だ。「くるりと申します、よろしくお願いします。」と第一声から、「ワンダーフォーゲル」でスタート。ファンファンのトランペットがバシっと決まる。「ブレーメン」「ロックンロール・ハネムーン」と続き最新アルバム『坩堝の電圧』から「everybody feel the same」では煌びやかな照明の中で国名を連呼し、ハイスピードで盛り上げる。ここであらためて京都弁でまったりとMC。「ビクターのフェスをやりたいと聞きまして、来てみたら年末に良く来る場所で。こんなにぎょうさん人がおって凄いですね。」とチューニングしつつ話す岸田に反応するステージ付近の観客。マイペースなステージングに観客から笑いが起こる。「虹」「東京」と、じっくりと熱く聴かせる曲でまとめ、他の出演者との違いを演出したようだ。


ドラゴン・アッシュは真っ赤なライトに照らされながら6人のメンバープラス、ベースのkenkenがステージに上がる。先月リリースされたばかりのニューアルバム『Faces』からのナンバー「Run to the sun」でライヴは幕を開けた。2人のダンサー、DRI-VとATSUSHIが左右のステージで激しいビートを吸収するかのようにしなやかなダンスで曲を表現する。続いても新作から「Trigger」。新たな決意を持って生まれたアルバムからの曲が多くなるのは必然なのだろう。「レディース&ジェントルマン、Mr.ベースマン!」と紹介されたkenkenがフィーチャーされる「The Live」では超絶テクなベースはもちろん「この音を止めてはいけない いなくなったあなたの為にも」という歌詞が胸に迫る。

YALLA FAMILYを迎えての「Still Goin'On」でヒップホップ色を強めた演奏を終えると、「17年目の昨日、ドラゴン・アッシュはビクターからデビューしました。今日から18年目です。よろしくお願いします!」というkjのMCに続くイントロにドッと沸く観客たち。「百合の咲く場所で」だ。ドラゴン・アッシュにとって特別でありファンにとっても特別な曲の合唱に会場が熱くなる。「まあ今、こういう激しい音楽は流行らないかも知れないけど、ロックは大人しく見るもんじゃねえだろ!?」と始まったのは「Fantasista」。上半身裸でステージの端から端まで歌いながら観客を煽るkj。時折スクリーンに映し出される観客を見つめる表情は満足げだ。ギターを手にしてシングル曲「Lily」。「16歳ぐらいにルイードでやってた頃にビクターのディレクターに、“お前らおもしれえことやってんな”って言ってもらった」事をきっかけにずっとビクターから音楽を出し続けていること、これからも誠意を持って、音楽を楽しんで行くことを表明すると大きな拍手が起こった。最後の曲は「Viva la revolution」。さっきまで暴れていたステージ付近の観客も癒やされるように横に体を揺らしている。歌い終えると最後はなぜか「ありがとうございました! ブリトニー・スピアーズでした!」とステージを降りたkjだった(笑)。
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