【ライヴレポート】MICHAEL、Xmas公演で重大発表「春にフェスやっちゃいます」

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MICHAELが12月23日、東京・品川プリンス ステラボールにて恒例のクリスマスライヴ<MICHAEL LIVE 2016 第三章>を開催、その最終公演を締めくくった。同ライヴ中には松岡充(Vo)から重大発表も。これは2017年4月17日より赤坂BLITZで<MICHAEL SPRING JUMPING CIRCUS 2017>と題したフェスを一週間にわたって開催するというもの。MICHAELは2015年7月、ZEPPブルーシアター六本木にて11日間全8公演の規模でMICHAEL初主宰フェス<MICHAEL SUMMER NIGHT CIRCUS>を開催しており、その時とは季節と場所を変えて行われることが告げられたというわけだ。当日のライヴレポートとともに、現時点で明らかになっているフェスの概要をお伝えしよう。

◆MICHAEL 画像

<MICHAEL LIVE 2016 第三章>は彼らが毎年クリスマスに行なっているライヴで、MICHAELの音楽活動の中でも核となる重要な公演として位置付けられているもの。第4回目を迎える今年は、大阪・堂島リバーフォーラムおよび東京・品川プリンス・ステラボールにて、それぞれ2DAYS計4公演を開催した。

その最終日の舞台には、左右に置かれた大きな2つのクリスマスツリーが煌めき、恒例のSE「What a wonderful world」がブツリと消えると突如、場内が暗転した。ライヴは圧倒的な歌唱力を誇る松岡だからこそできるアカペラでの幕開け。今年はMICHAEL単独での音楽活動がなく、このクリスマスライヴが初ということもあってオープニングから「ange」という新曲がプレゼントされた。このオープニングが秀逸だった。



松岡を照らすは、か細い一筋の光。その中でSOPHIA時代から彼らを支えてきたファンの気持ちを射抜いたような“愛とは許し”という言葉を伝える歌が、聴き手の胸に迫りくる。ステージ上の彼ら、それを観る観客たち、それぞれの内側でこの瞬間に感情が静かにうごめき出した。今、目の前で歌っている彼らと対峙することで、今ここにいる自分自身とも深く対話する機会を与えていくような。こんなバンドはそうはいない。だが、SOPHIAも、MICHAELも、共通してそんな特異性を持ったバンドなのだ。このオープニングで観客たちは、まるで教会で神父の言葉を聞いているかのような面持ちで歌と対峙し、すると次第に心が洗われ、穏やかな気持ちになっていくようだ。そして、このパートこそが<MICHAEL 第三章>の核だということが、ライヴが進むにつれてどんどん明確になっていく。

この後は、豊田和貴(G)の黒いギブソンレスポールがご機嫌なバンドサンドをサポートメンバーと奏でるインスト「Overture」へ。これを合図にアッパーチューンでエネルギーを外へと放出していく。まだ音源になっていない「スリーナイン」はウキウキするようなポップソングだ。しかし、松岡がそのイントロで「人生、そんな甘い話はないっていう歌です」と解説するなど、鋭利な言葉で現実を射抜きながら、それでも諦めずに“生きる”人間像を浮き彫りにしていく。そしてそれが彼らの楽曲たちの本質なのだ。

「こんばんは、MICHAELです」と諦めずにここへ辿り着いたオーディエンスに挨拶をする松岡。「今こうして歌えることがめっちゃ幸せ」と笑顔を浮かべた後、2016年を総括する漢字が個人的には「忍耐の“耐”だった」と吐露、「本当に、耐えた自分を褒めたい」と本音をこぼした。「俺だって“クソッ”っていう恨み、憎悪が募ってくよ。だけど、ずっと音楽活動を続けてきた中で、いろんなことを乗り越えてきたもう一人の自分は、それでも裏切っていった人間を“許そう”って言うんだよ」と話した。その、もう一人の自分が冒頭の「ange」という歌になったことは間違いない。そして“クソッ”と思う気持ちを人に向けるのではなく「自分の創作エネルギーに向けてつくった」という紹介から、またもや新曲が披露された。


「誰が為に 風に向かう」と名付けられた新曲は、暗闇を疾走するようなロックチューンである一方、変拍子によるイントロや間奏が荒ぶる感情の渦を表現するような肌触り。これは突然止まってしまったSOPHIAの責任を取るべく、ファンのために突貫工事でMICHAELを立ち上げ、周りから何を言われようが必死になって走り続けてきた自身の心情を表すものなのかもしれない。

「でもね、2015年に春、夏、秋、冬と一年を通してライヴをやらせてもらって実感したことがあって。“もう大丈夫だよ” “私たちはここにいるから”ってオーディエンスの皆に言われた気がしたんです。もうSOPHIAのためのMICHAELじゃなくて、みんなと育ててきたMICHAELちゃん。意思を持って自分の足で歩ませてあげる時期なんやなと思って、今年ずっとジルと2人で曲づくりをしてきました。次回作は最高のアルバムになると思います。もう1曲新曲を。これ、めっちゃいい曲です!!」──松岡充

という楽曲紹介から放たれた新曲が「キミニアゲルヨ」だ。これが、本当に素晴らしいナンバーで、一気に感動ポイントをついてくるようなサビメロを持つ。感動で気持ちが高まったところに、“あの日の青い夢は追いかけるものではなく 立ち上がるためのもの”と歌うナンバーは、次のアルバムに収録されるであろう「かの青きグレイスフルデイヅ」だ。ポジティヴなエネルギーが脈打つこの2曲の流れはとても清々しかった。


その後は、カレー好きな豊田が黄色いサンタ帽をかぶってクリスマスソングを歌ったほか、ブルーサンタになった松岡がプレゼント袋に入った自身の大好物“うまい棒”を客席に撒いてプレゼントするなど、クリスマスしか見られないパフォーマンスを展開。そして、冒頭に記した松岡からの重大発表は12曲目の「True Blue」を歌い終えた後に行われた。

「2017年のライヴが決まりましたー!! すでにInterFM897のレギュラー番組のタイトルとかでヒントが出てたんやけど。4月に<MICHAEL SPRING JUMPING CIRCUS 2017>、やります! 昨年<MICHAEL SUMMER NIGHT CIRCUS 2015>をやったでしょ? あれを春にやっちゃいます。日程は4月17日、18日、19日、21日、22日、23日の7日間6公演。前回みたいに素敵なメンツを集めて、赤坂BLITZをズバッと1週間貸し切りでやります。特設サイトもこの瞬間からオープンします」──松岡充


この発表にはファンも狂喜乱舞して悲鳴が止まない。そうしてステージでは「こころ」が奏でられ、ライヴの終わりが近づいてきたことが知らされた。また、この日のライヴ中に松岡は、「こうして何度も歌えること」「ファンがいてくれること」が幸せだと観客に伝えていた。人生の中で“幸せ”と思える瞬間なんてそうそうないことを、みんなはもう知っている。辛い思いもたくさん味わっただろうし、信頼する仲間に傷つけられたこともあったはずだ。

「でもな、それでも人は一人では生きられないから周りにいる人を信じる。そうしたら裏切られる。でも、また信じるんです。それでええやん? 信じてる時って“幸せ”やん。もし裏切られてもさ、俺らの音楽が支えになるんなら、音楽やるよ。今年の夏にやった舞台『DAYDREAM BABYS*』で、鈴木おさむさんが「俺だって何度も辞めたくなるよ」というセリフを書いてくれたんやけど、俺だって松岡充を辞めたいって思う時あるよ。何度もある。でも、いつもあの頃歌ってた松岡充の曲に教えられる。だから、俺は俺を辞められへん。みんなもこの先、“もう何も信じられへん”って時があったら、そう言えば松っちゃんもそういうときがあったって言ってたな〜って思い出してください」──松岡充


そんなMCの後に「White」「Amazing Grace」が連続で届けられると、オーディエンスはこれまでずっとガマンしてきた涙を静かに流しながら、最後まで歌に聴き入る姿が印象的なものとなった。みんなの気持ちをキレイに浄化して、<MICHAEL 第三章>で彼らはいよいよMICHAELが自らの意思を持って歩き出すことを伝えた。その第一歩を刻み込むニューアルバムは今春の発売を予定して制作を進めているとのこと。

さらに、前述したとおり2017年4月17日からは主宰フェス<MICHAEL SPRING JUMPING CIRCUS 2017>がスタートする。ゴールデンボンバーやJUN SKY WALKER(S)、MUCCなど豪華ゲストが連日登場してチケットがバーストした2015年開催の前回に続き、今回はどんな対バンや豪華コラボ、エンタテインメントなスペシャルアクトが見られるのか。情報は特設サイトや公式SNSで随時発表されるとのことだ。

取材・文◎東條祥恵
撮影◎今元秀明


■<︎MICHAEL SPRING JUMPING CIRCUS 2017>

4月17日(月)赤坂BLITZ
4月18日(火)赤坂BLITZ
4月19日(水)赤坂BLITZ
4月21日(金)赤坂BLITZ
4月22日(土)赤坂BLITZ
4月23日(日)赤坂BLITZ
※4/20(木)のみ休演

■LIVE DVD『MICHAEL LIVE 2015 第二章』

2016年12月17日Release
https://blue-shop.tokyo/manicsshop

◆<MICHAEL SPRING JUMPING CIRCUS 2017>特設サイト
◆MICHAEL オフィシャルサイト
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