【インタビュー】バトル・ビースト「いつも自分達の限界を少しずつ広げていく」

ツイート

ノーラ・ロウヒモのパワフルな歌唱と迫力満点のライブ・パフォーマンスが人気のバトル・ビーストが、4枚目のアルバム『ブリンガー・オブ・ペイン』を完成させた。

◆バトル・ビースト画像

エキサイティングなヘヴィ・メタル・チューンやダンス・ビートのナンバーなど、いかにもライブで盛り上がりそうなメロディアスなナンバーを収録したこの作品は、まさにバンドの進化を示した内容になっているが、前作までメインで作詞・作曲を行なっていたアントン・カバネンの脱退という大ピンチが逆にバンドに成長をもたらしたような印象を受ける。

アントンの後任としてヤンネ・ビョルクロト(Key)の実弟であるヨーナ・ビョルクロト(G)を迎え、新体制で制作したこの新作について、エーロ・シピラ(B)に語ってもらった。



──メイン・ソングライターのアントン・カバネンが脱退しましたが、曲作りはどのように行なったのですか?

エーロ・シピラ:6人のメンバー全員でね。でも、このアルバムに最も貢献したのはキーボードのヤンネ・ビョルクロト(Key)とヨーナ・ビョルクロト(G)だったと思う。

──どの曲も実にメロディアスですね。

エーロ・シピラ:どんな曲でもメロディが鍵を握っている。世界中のどんな曲を思い浮かべても、最初に浮かぶのはメロディだよ。どんなバンドだろうと、どんなジャンルだろうと、重要なのはメロディだ。

──ダンサブルなピートのナンバーなどバラエティに富んだ曲が入っていますが、今作は様々なタイプの曲を入れたいと最初から考えていたのですか?

エーロ・シピラ:イエスでありノーでもある。俺達全員、どんなタイプの曲でも書きたいものを書くというコンセプトを持っていたと思うんだ。典型的なバトル・ビーストに聴こえない曲でも、俺達全員「これは残すべきだ」「これは俺達にとって特別なものになるはずだ」と感じたら、アルバムに入れる。恐らく多くのバンドがそういう選曲の仕方はしないだろうけど、俺達はそういうバンドなんだ。いつも何かクレイジーなことをやるんだよ(笑)。いつも自分達の限界を少しずつ広げていく。それが俺達のやり方なんだよ。

──ノーラ・ロウヒモはハードな曲からバラードまで表現豊かな歌唱が印象的ですが、彼女はアルバムごとに成長を遂げていますね。彼女の歌についてはどう感じていますか?


エーロ・シピラ:確かに彼女はアルバムごとに良くなっているよ。それが、俺にとっては非常に刺激的だ。彼女はバンドに入った時から、「うぁ、凄い!」と思っていた。それは彼女がアルバムのレコーディングに参加する前のことだったけど、アルバム(『バトル・ビースト』/13年)が完成した時に「彼女はさらに進化している!」と思った。そういうのを何度も俺は経験しているんだ。彼女は一体どこまで成長するのか、俺には分からないよ(笑)。俺はミュージシャンとしての彼女を凄く高く評価している。彼女がやれる様々なことをね。それらのすべてが俺にとっては大きなインスピレーションだよ。

──歌詞に関しては何かコンセプトはあるのですか?

エーロ・シピラ:いや、そういうテーマみたいなのはないよ。でもアルバムを通して何回か出てくるテーマはあると思う。「ロスト・イン・ウォーズ」や「キング・フォー・ア・ディ」「ゴッド・オブ・ウォー」など、権力の濫用や人間はいかに他の人間を支配したがっているかといったことを扱った歌詞がたくさんある。でも、それは話し合ったことではなく、ツアー・バスの中などで政治の話や世界で起こっていることがよく話題になるから、そういったことがアルバムにも何らかの形で反映されているんだと思う。

──『ブリンガー・オブ・ペイン』というアルバム・タイトルに関してはどういった意味があるのですか?

エーロ・シピラ:実は最初は響きがクールだと思って付けたんだ。それから、俺たちは、全力を尽くして(註:「bring the pain」は全力で頑張れと励ます時に使うフレーズ)、次のステップに上がる時期が来た、凄いことをやる時が来たんじゃないかとも思ったんだよ。決め台詞として、Tシャツにプリントできそうなフレーズで(笑)、そういう響きがある。曲のタイトルの中で、俺達が一番、アルバム・タイトルになりそうだと思ったものだったし、考えれば考えるほど気に入ったので、それでこれに決まったんだ。

──アルバム・カバーは迫力満点ですが、これは何をイメージしているのですか?

エーロ・シピラ:うーん、何を表現しているのか俺にはわからないけど、タイトルが『ブリンガー・オブ・ペイン』だと決まった時に、俺達で大まかなアイディアをいくつか用意して、カバーアートを手掛けたヤン・イールンドに伝えたんだ。それを基に彼が描いて「これでいいでしょうか?」、俺達全員「いいね!」と決めたんだ。

──今後の予定を教えていただけますか?

エーロ・シピラ:アルバムが出た後、フィンランドで数週間ショーをやった後、ヨーロッパ・ツアーを5月下旬までやるよ。それが終わったら、北米に行って、アメリカとカナダでサバトンのサポートとしてツアーをする。その後は、夏のフェスティバルだ。日本にもできるだけ早く行きたいと願っているよ。

取材・文:Jun Kawai
Photo by Natalia Enemede, Juuso Soinio & Aki Anttila


バトル・ビースト『ブリンガー・オブ・ペイン』

2017年2月17日 世界同時発売
【通販限定 直筆サイン入りカード付きCD+Tシャツ】 ¥6,000+税
【通常盤CD】 ¥2,500+税
※日本盤限定ボーナストラック収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付き
1.ストレイト・トゥ・ザ・ハート
2.ブリンガー・オブ・ペイン
3.キング・フォー・ア・デイ
4.ビヨンド・ザ・バーニング・スカイズ
5.ファミリア・ヘル
6.ロスト・イン・ウォーズ
7.バスタード・ソン・オブ・オーディン
8.ウィ・ウィル・ファイト
9.ダンシング・ウィズ・ザ・ビースト
10.ファー・フロム・ヘヴン
《ボーナストラック》
11.ゴッド・オブ・ウォー
12.ジ・エクリプス
13.ロック・トラッシュ
《日本盤限定ボーナストラック》
14.ファー・フロム・ヘヴン(アコースティック)

【メンバー】
ノーラ・ロウヒモ(ヴォーカル)
ヨーナ・ビョルクロト(ギター)
ユッソ・ソイニオ(ギター)
エーロ・シピラ(ベース)
ヤンネ・ビョルクロト(キーボード)
プル・ヴィッキ(ドラムス)

◆バトル・ビースト『ブリンガー・オブ・ペイン』オフィスページ
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス