【インタビュー】the GazettE、2年ぶりのライブ開催「ファンに自分達の居場所が戻ってきたなと思ってほしい」

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■終わらないthe GazettEをみんなに見せないと
■いけないという気持ちがあった──戒


──ライブはバンドとお客さんがひとつになって作るものだと、あらためて感じます。おふたりは長年に亘っていろいろなコンセプトのもと、様々な場所でライブをされてきましたが、ステージに立つにあたって常に大事にしているのはどういうことでしょう?

戒:そんなに意識しているわけではないですけど、メンバーを見るようにしていますね。ライブのときに自分の世界に入ってしまって周りを見ない時期があって、そうなるとあまり良くないことに気づいたんです。メンバーと目を合わせたほうがテンションが上がるし、メンバーの背中を見ているといろんなことがわかるんですよ。今日は本当に調子がいいんだなとか、楽屋では気づかなかったけど今日はちょっとピリピリしているなとか。だから、どんなに切羽詰まった状態でもメンバーを後ろから見るというのは自然とやっています。で、葵とはよく “あっ、今こっちを見る”と思ったときに、彼は必ず俺のほうを見るんですよ、不思議ですけど。逆に、REITAはそれがないんです。俺がREITAを見ても全くこっちを見ないし、REITAが俺の方を見ていても俺が気づかなかったりして、ライブ中に目が合うことが滅多にない。

REITA:ないね。だから、いま戒がライブ中にメンバーを見るようにしていると言ったときに、嘘つけよと思いました(笑)。本当に、戒とは目が合わないんですよ。でも、息が合っているから、いいのかなとも思いますけど。

戒:REITAと必ず目が合うポイントというのはあるんですよ。この曲のここでは必ずREITAと目が合うという場所があって、そこは覚えていてREITAを見るからいつも目が合う。フトしたときにアイコンタクトを取るんじゃなくて、決まった場所だけ目が合うんです(笑)。

REITA:そう、そんなふうになっています(笑)。僕がステージに立つにあたって大事にしているのは、やりやすさを求めないようにするということですね。そうなったのは昔狭い場所でライブをしていた頃の経験で。どうしてもベースというのは優先順位が後になってしまうんですよ。モニターを置く場所だったり、立ち位置だったり。狭いライブハウスとかでは空いた場所に立たざるを得なかったので、だんだん自分の中で考え方が変わっていって、“俺はどこでもベースを弾けるぞ”というヤツになろうと決めたんです。それからは、やりづらいほど燃えてくるようになりました。

──負荷が掛かった状態でライブをするのが好きなんですね?

REITA:そういう体質になっちゃいました。暑いとか、重いとか、たまらないんですよね(笑)。なぜなのか、よくわからないけど。


──以前、ライブが終わったときに立てないくらいクタクタになっていないと、ライブをした気がしないとおっしゃっていました。

REITA:ライブをした気がしないというか、乗りきった、2時間をやりきったという達成感がほしいんだと思う。やりやすい環境だと、それは得にくいじゃないですか。Tシャツで、涼しくやっちゃった……とかだと(笑)。もう限界だと思ってライブが終わるのが自分の中で気持ちいいんです。ホールは狭いライブハウスと違って涼しいし、酸欠になることもなくて、やりやすいんですよね。それで、ホールツアーをやるようになった頃から、だんだんと負荷を求めるようになっていったのかもしれない。かといってライブの途中でバテてしまうのはヤバいじゃないですか。なので、全力でライブをして2時間持ちこたえられるようにするために、筋トレも始めました。

──自身がライブに求めることや表現したいことが明確なんですね。こうして話をしていると、お二人とも本当にライブが好きなことがわかります。今年に入ってからもコロナ禍は続いていて、そんな中で2年ぶりのライブ<LIVE 2021 -DEMONSTRATION EXPERIMENT- BLINDING HOPE>が決まったときはどんなことを感じましたか?

戒:“やっとだな”という感じでした。ただ、やろうと決めたときは、まだ不安もありましたね。コロナの状況が日々変わる状況が続いていたから、決まったけど発表していいのかな……みたいな気持ちになったんです。いろんなアーティストがライブを発表しては延期になり、発表しては延期になり……ということを繰り返しているのを見ていたから。今回のライブのスケジュールを発表した後も、本当にやれるのかなという不安は抱えていました。もちろんライブの内容に対する不安もあったけど、やれてしまえばいいライブになるだろうということを感じていたんですよ。だから、そもそもやれるのかということに対する不安が一番大きかった。

REITA:コロナの状況を見つつこの頃なら大丈夫なんじゃないかという予測のもとに正式に会場を押さえて、メンバー/スタッフ間でこの日にやろうと決めたときは、もう本当に燃えましたね。とにかく楽しみだし、準備を怠らないようにしようと思った。自分でもちょっとビックリするくらい気持ちが上がりました。中止になる可能性はギリギリまであるわけだから、そこに対する不安はあったけど、あまり考えないようにしていましたね。やれると信じて、モチベーションを高めていきました。



──9月26日の大阪公演が実現して、本当によかったです。2年ぶりのライブですし、5月にニューアルバム『MASS』をリリースされましたし、2020年の周年ライブが中止になったということで、今回のライブは見せたい要素が沢山あったと思います。セットリストは、どんなふうに決めたのでしょう?

戒:最初に、どんなライブをするべきかということを、メンバー間で意見を話し合ったんです。いつもはアルバムをリリースした後のツアーではアルバムの曲を全部演奏するけど、今回はリハーサルを全然押さえられない状況だったんですよね。練習量の問題があるから、今回は『MASS』の曲は小出しにしようというのはそもそもあって。それに、ほぼほぼマンスリーの3本だけというスケジュールなので、タイトルどおりですけど、デモンストレーション的なニュアンスで見せられるといいよねということで、『MASS』の曲は数曲だなというのがみんなの頭の中にあったんです。なので、まずは『MASS』の中からどの曲をやるかという話し合いをして、そのうえで他の曲を決めていきました。メッセージ性も込めたようなセットリストにはなったかなと思います。

REITA:セットリストは比較的スムーズに決まりましたね。ただ、リハがあまりできないし、なにせ1本1本の間がすごく空いているので、そこを考慮して望まないといけないなというのがあって。ある程度の本数を続けてやるならライブをして課題とかが見つかるとトライ&エラーを繰り返して修正していけるし、気持ちも切れないじゃないですか。今回は、ライブ中になにかあったら次のライブまでモヤッとした気持ちでいることになるし、ライブとライブの間に集中力をそがれてしまうようなことが起こるかもしれない。だから、環境としてはあまり良くはないんですよね。でも、2年ぶりにライブをやれるというだけで幸せだから、毎回いいライブができるようにしようと思っています。


──以前のように長いツアーを普通に行なえる日が1日も早くやってくることを願わずにいらせません。2年という長い期間を経て大阪オリックス劇場のステージに立ったときは、いろいろな思いがこみ上げてきたでしょうね。

REITA:きましたね。本編の最後の曲とアンコールの最後の曲は、サビ中で涙がこぼれそうになりました。ファンに自分達の居場所が戻ってきたなと思ってほしかったので、特別感動的にはならないように、アグレッシブなライブをしたんですよ。涙ぐむようなライブではなかったのに、やっぱりくるものがあった。ファンのマナーもすごく良かったんですよ。全く声を出さなくて、その代わり拍手がずっと止まらなくて。本当に曲の間も1秒も止まらなかった。スタッフもこんなに拍手が続くライブは見たことがなくて、ちょっと泣きそうですと言っていて、それがすごく嬉しかったです。

戒:俺はライブをやり終えたときに2年のブランクがあったからとか、こうだったからできなかったというようなことを言いたくなかったんです。そのためにやれることを直前までやっていたし、照明とかもずっと詰めていた。“ただいま”という気持ちはありつつもいかにいつもどおりというか、終わらないthe GazettEをみんなに見せないといけないという気持ちがあったんですよね。その結果、大阪では目指していたライブができたんじゃないかなと思う。名古屋と東京も大阪と同じモチベーションでいきたいですね。1本やったからみたいなことではなくて、それこそ新鮮な気持ちを持って名古屋と東京にも臨もうと思っています。

REITA:2年間をただの空白だと思われないように、この2年間もthe GazettEはずっと成長し続けてきたという姿をファンに見せたいですね。ファンも大阪では僕達以上に伝えようとしてくれるパワーがあったので、それをまた見れることを楽しみにしています。名古屋、東京でも納得のいくライブをして、いい流れでその先へつなげていきたいですね。

取材・文◎村上孝之

<LIVE 2021 -DEMONSTRATION EXPERIMENT- BLINDING HOPE>

【日時】
2021年9月26日(日)大阪 オリックス劇場 OPEN 17:15 / START 18:00
2021年10月19日(火)愛知県芸術劇場大ホール OPEN 17:45 / START 18:30
2021年11月1日(月)東京ガーデンシアター OPEN 17:30 / START 18:30

【料金】
前売¥9,600(IN TAX)
※未就学児童入場不可
※諸サービス手数料別

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【応募期間】
2021年10月15日(金)~2021年11月15日(月)23:59まで
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