【ライブレポート】FUNKY MONKEY BΛBY’S、特大級の歌声響き渡る<太陽の街ツアー>「力を貸してください。あなたの声が聴きたいんだ」

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FUNKY MONKEY BΛBY’Sの2人の地元の会場、東京・J:COMホール八王子公演を皮切りにスタートした<太陽の街ツアー>。8月4日に開催された東京・LINE CUBE SHIBUYAでのライブはその折り返し地点に差し掛かった8公演目だ。以下、同公演のライブレポートをお届けする。

◆ライブ画像

ツアーは今後も続くのでセットリストや演出などの詳述は避けるが、「君だけの歌」「エール」「YOU」など、最新アルバム『ファンキーモンキーベイビーズZ』に収録されている曲のほか、代表曲の数々もたっぷりと盛り込まれた内容となっていた。そして、観客の歌声が会場に力強く響き渡っていたのが、とても印象的だった点として思い出される。



新型コロナウイルスの影響によって観客が一緒に歌ったり歓声を上げたりできない状況が長らく続いていたのは、みなさんもよくご存じの通りだ。しかし、2023年の5月8日をもって「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」が廃止。マスク着用の有無は観客自身の選択・判断に委ねられ、マスク着用の有無に関わらず、公演中に発声・声援ができるようになった。これがファンモンにとってどれだけ大きいことなのかは、これまでに彼らのライブを観たことがある人ならば、おそらく容易に想像がつくだろう。


全力で歌うファンキー加藤、モン吉に負けないくらいの観客の熱唱は、ライブを彩る大切な要素となっている。客席にいる人々のエネルギーによって様々な曲が一際輝くのがファンモンのライブなのだと、LINE CUBE SHIBUYA公演で改めて実感することができた。

「こうやってみんなと一緒に歌を歌うことができて、心から嬉しく思ってます。3年間、我慢することが多かったけど、俺たちが歌ってるこの空間だけは我慢することない。みんなが歌いたい時に歌っていい。それがFUNKY MONKEY BΛBY'Sのライブだからね。みんなが我慢してくれたから、またあの日みたいな光景を取り戻すことができました。みんなと一緒に大合唱したい歌があるんで、力を貸してください。あなたの声が聴きたいんだ!」とライブの途中で観客に呼びかけていたファンキー加藤。そしてスタートした「あとひとつ」で客席から沸き起こった歌声は、特大級だった。



「俺たちはみんなの存在がないとろくにライブができない。そんな情けないミュージシャンですが、みんなの歌声が重なった瞬間に世界一の応援ソングも歌える。そんなミュージシャンでもあるんです。どうかあなたの隣にいる大切な人へ、あなたの前、後ろにいるまだ名も知らぬ人へ、そして何よりも大切な自分自身に向かって、その世界一の応援ソングを一緒に歌っていきましょう!」という言葉が添えられた「ちっぽけな勇気」の大合唱もすごかった。

そして「エール」は、ファンモンの2人にとって何が何でも観客と一緒に歌いたい曲だったのだと思う。2021年9月にリリースされたこの曲はファンモンの再始動を飾り、2022年に開催された全国ツアー<YELL JAPAN>でも披露されたが、事前に観客から寄せられた声のデータを使用して作成した音を流すことしかできなかった。完璧な状態で鳴り響かせたい想いが彼らの胸の内で膨らみ続けていたのだろう。「みんなと一緒に歌って本当の意味でこの曲が完成するような気がするんですよ。日常の中で抱えてる孤独感とかがあるとするなら、この「エール」の合唱で吹き飛ばしたいと思ってます。歌の力というのを聴かせてください」という言葉に応えた観客の歌声を聴いて、ステージ上の2人は心から嬉しそうな表情を浮かべていた。


今回のライブに関して、もう1つ紹介しておきたいのは、序盤からものすごい気迫が伝わってきたという点だ。サポートメンバーのDJ・バカムスコ翔が放った大音量を合図にステージに2人が勢いよく飛び込んできて1曲目がスタート。ファンキー加藤が最初からアクセル全開なのはいつものことだが、モン吉も同様なのは前例がないように感じた。新鮮な印象のオープニングとなった理由は、その後のMCで明らかとなる……。



「正直、ここに来るまで俺は1回地獄を見てる! 公演10分前に到着。俺の車は、石川パーキングに停まってる。石川パーキングを降りたところでタクシーに乗り、府中駅まで行き、そこから電車で来た。間に合って良かった。みんなと会えて良かったです!」と語ったモン吉。わかりやすくするために少し補足すると……八王子の自宅から渋谷のLINE CUBE SHIBUYAへと車を運転して向かったが、中央自動車道が通行止めとなったため、彼は大渋滞に巻き込まれてしまった。

リハーサルに間に合わなかっただけでなく、18時30分の開演に間に合うことも危ぶまれる緊急事態。車を石川パーキングエリアに停めてタクシーで京王線の府中駅に向かった彼は、電車を乗り継いで渋谷駅に到着。会場入りしたのは、開演直前の18時23分。「地獄から舞い戻ったことによって変なアドレナリン出てた(笑)」とのことで、ハイテンションの状態でステージに登場することになった……ということらしい。ファンモン史上このようなトラブルは初。今後も語り継がれるエピソードとなるだろう。

このライブ中には初解禁の情報も発表された。「ツアーのアンコール公演を9月30日と10月1日に沖縄・桜坂セントラルで開催」「12月3日に<WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S -2023 TOKYO->を東京ガーデンシアターで開催」。という予定を聞いて観客は大喜び。11月11日、12日に東京・エスフォルタアリーナ八王子で行われる音楽フェス<八王子魂 Festival & Carnival 2023>への出演(※FUNKY MONKEY BΛBY’Sが出演するのは、11月12日)も含め、年内の彼らはまだまだ熱い活動を繰り広げる。




コロナ禍の期間に我慢してきたものがファンはもちろん、ファンキー加藤とモン吉にもたくさんあるはずだが、それらを思いっきり解き放てる日々が続くことになりそうだ。

取材・文◎田中大

ツアー情報

全国ホールツアー<太陽の街ツアー>
※終了公演は割愛
2023年
8月19日(土) 宮城・仙台サンプラザホール
8月25日(金) 大阪・グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場 メインホール)
9月03日(日) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
9月09日(土) 福岡・福岡市民会館 大ホール
9月16日(土) 東京・J:COMホール八王子【追加公演】
9月17日(土) 東京・J:COMホール八王子【追加公演】
9月30日(土)沖縄・桜坂セントラル《アンコール公演※オールスタンディングライブ》
10月1日(日)沖縄・桜坂セントラル《アンコール公演※オールスタンディングライブ》

▼席種/チケット代
・指定席 ¥8,800(税込)
※4歳未満入場不可/4歳以上有料

・沖縄・桜坂セントラル《アンコール公演》
オールスタンディング ¥5,000(税込)
※4歳未満入場不可/4歳以上有料
※ドリンク代別

ライブ情報

<WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY'S -2023 TOKYO->
2023年12月3日(日)東京・東京ガーデンシアター
OPEN 16:30 / START 17:30
¥9,800(税込)

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