パール・ジャム、デンマークのフェスティバルでの悲劇にショックを受ける

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 デンマークのニュースによると、6月30日(金)、Pearl Jamのライヴの最中に悲劇的な事故が起こり、8人のファンが押しつぶされて死亡し、少なくとも3人が怪我を負った。Pearl Jamは、デンマークの首都コペンハーゲン郊外で毎年行われているRoskildeフェスティバルに出演しており、事故当時、Pearl Jamはメインステージでライヴを行っていた。ライヴの最中、メンバーは、ステージ前の柵にファンが押し付けられている為、観客に下がるように言っていたと言われている。

 観客が前に押し寄せてきた時に、ファンがステージ前のぬかるみで転び、踏み潰されたのではないかと報道しているものもある。Copenhagen Post紙によると、警察の発表では、被害者は17歳から26歳のデンマーク人、スウェーデン人、ドイツ人の若者であるとしている。

 Pearl Jamはひどくショックを受けており、6月30日(金)、公式ウェブサイトにコメントを出している。
「非常に辛いことである…。僕等全員が、誰かが来て、全ては悪夢だったと言って眠りから覚ましてくれるのを待っている気がする…。亡くなった方の遺族や友人達に対し、どう申し上げていいのか、まったく言葉が見つかりません」

 この悲劇により、Pearl Jamのライヴは中止となり、同日のthe Cureのライヴもキャンセルとなった。また、OasisPet Shop Boysが、“亡くなった方と遺族に敬意を払い”、7月1日(土)の出演をキャンセルした。

 しかし、the Cure、Oasis、Pet Shop Boysのキャンセル以外は、フェスティバルは予定通り進められた。
「生は死よりも大きなものである」とRosklideの広報担当、Leif SkovはAP通信に語った。
フェスティバルのウェブサイトでは、「全ての他の土曜日の出演バンドは、亡くなった音楽ファンの為にも、残りの観客に向けてライヴを続行することを選択した」と伝えている。土曜日の出演は、Rollins Band等であった。

 Pearl Jamの公式ウェブサイトによると、バンドはヨーロッパツアーの残りの日程であった、7月2日(日)のベルギー、7月3日(月)のオランダでの公演もキャンセルした。バンドの米国ツアーは、8月3日にヴァージニア州ヴァージニアビーチより開始される予定となっている。

 Pearl Jamのコメントによると、バンドはライヴ中の事故に気付いていなかったようである。
「未だに、実際に何が起こったのかは知らされていない。しかし、予想も出来ず、あっという間に起こったようだ。…まったく解らない」
 そして次のようにも語っている。
「これ位の規模で、実績もあるフェスティバルに出演する時に、こんなむごい悲劇が起こるなんてまったく考えられない」
「僕等の気持は二度と以前と同じにはなれないだろう。しかし、それは亡くなった方の遺族や友人等の悲しみとは決して比べものにはならない。非常に痛ましいことだ…本当に言葉も出ない」

 Roskildaは、'69年のWoodstock Festivalに影響され、'71年より毎年開催されてきた。昨年は約10万人を集めたこのフェスティバルの今年の開催は、6月29日(木)から7月2日(日)となっていた。

 このデンマークでの悲劇は、すでに、'79年に起こり11名の死者を出した、オハイオ州シンシナティでのThe Whoのコンサートでの将棋倒し事故と比較されている。皮肉なことに、WhoはPearl Jamのヴォーカリスト、Eddie Vedderが大きな影響を受けたアーティストとしてよく名を挙げられており、VedderはWhoのギタリスト、Pete Townshendのライヴにゲスト出演したこともあった。

記:Craig Rosen、ロスアンジェルス
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