InMe、所属レーベル閉鎖という苦難を乗り越え、よりメロディックな新作、『ホワイト・バタフライ』が完成!

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ホワイト・バタフライ

VICP-63090 ¥2,200(tax in)
Victor Entertainment
──日本はもう何回も来てるけど、今回のライヴは楽しめた?

ジョー(B):今回で4回目だと思うけど、日本のオーディエンスはいつもちゃんと聴いてくれるからうれしいよ。地球の反対側に来ても、こんな素晴らしいオーディエンスがいるなんて光栄だね。

──昨日は出演時間が急遽変わったりしたけど、やりにくくなかったですか?

デイヴ(Vo&G):いや、もう早く出たくてうずうずしてた。時間が変わってしまって、前半見逃した人もいただろうけど、本来なら見るはずじゃなかった人に見てもらえたかもしれないから、かえってよかったかもね。

ジョー:会場も音もよかった。とくに音は素晴らしかった。前日の大阪とまったく同じ音が出てるのにはビックリだよ。他の国だったらありえない。日本のテクノロジーはすごいんだな。

──ギターは少し歪みが抑え気味だったのかな。

デイヴ:ライヴだと確かにそうかもね。スタジオだと曲によってアンプを替えるけど、ライヴは同じギターとアンプの1つの組み合わせ。それで全部やれるような音を作るとそうなるのかな。今の組み合わせはかなりクリアに音が出るしメタルっぽい音も出る。音量をすごく上げても大丈夫なので気に入ってる。

ジョー:レコーディングのときは、ディストーションだけでもたくさん使うし、左右に定位を変えたり、ギターも複数重ねたりする。ライヴではそのままできないよね。でもだからといってライヴは制限のあるものだとは思ってない。レコーディングとは別物だから。

デイヴ:ライヴの音も、これはこれで気に入っているんだよ。

──レーベルが変わったことについて、何があったのか教えてくれる?

ジョー:もともと僕たちはMusic For Nation(以下MFN)というレーベルにいた。そのMFNがBMGに買収され、さらにZOMBAに買われ、その動きの中でMFNが閉鎖になってしまったんだ。

デイヴ:1stが出た後はずっとツアーに出ていて、その後LAで2ndのレコーディングをやってた。レーベル閉鎖のニュースを聞いたのはその頃だね。

ジョー:そのとき、自分たちの将来が他の要因に左右されるのは本当にイヤだと思った。それで自分たちのためのレーベルを立ち上げることにしたんだよ。その後ヴァージンが気に入ってくれて、経済的なバックアップを申し出てくれた。それでまた動けるようになった。

──レーベルが変わって、最も変化したことは?

ジョー:バンドとしての結束が固まったことだね。それまでだって兄弟みたいに仲がよかったけど、いっそう結束した。困難に直面すると、人は別れていってしまうか、結束が固くなるかどちらかだと思うけど、僕らは後者だったわけだ。それと、この2年で色々な経験をした。それを曲作りにもいかすことができたのはプラスだったな。

──『ホワイト・バタフライ』はレーベルが閉鎖される前から作っていたの?

ジョー:MFNがBMGに買収されるんじゃないかというウワサはその前から聞いていたし、そうなればMFNの存続も危ないと思っていたけど、はっきりしたことはわからなかった。閉鎖されることは、このアルバムのレコーディングが何曲も終わってから知ったんだよ。だから作業中、実はずっと心配していたんだ。

デイヴ:そのときすでにできていた曲は11曲あって、「セヴン・ウィークス」と「ソー・ユー・ノウ」はMFNの閉鎖を知ってから作った曲さ。

ジョー:「セヴン・ウィークス」の最初の部分の歌詞に、“僕たちがこの状況から絶対に抜け出せないと思うかい?”というメッセージがあるんだ。これはまさにこのときの人間関係について書いたんだ。当時の自分たちの感情を説明するような曲で、このアルバムを象徴する曲だと思ったから、アルバムの1曲目に持ってきたんだ。

──プロデューサーのジョシュ・エイブラハムを選んだのは?

デイヴ:以前の彼のサウンドが気に入ったからさ。ヴェルベット・リヴォルヴァーとかステインドみたいなビッグサウンドが欲しかったんだ。

ジョー:あの時は、僕らの周りの状況についていろいろ聴かれてウンザリだったけど、彼と一緒にLAでやることにしたから、そういうことから逃れられた。

サイモン(Dr):彼らは僕たちのベストな面を引き出してくれた。プロデューサーとして最高だと思うよ。リラックスした雰囲気を作ってくれるからレコーディングを楽しんでできたし、それで最高のパフォーマンスができた。彼とやって本当によかったと思うよ。

──1stアルバムよりも、メロディがずいぶん前に出ているように感じます。


InMeのビデオ・メッセージはこちら

ジョー:とくに意識して変えたつもりはないけど。みんなで歌ってもらえるようなライヴバンドでいたいという気持ちがあるからかな。

デイヴ:どんなサウンドにするかについては別にこだわりはない。でもひとつだけいつも思ってるのは、メロディを強調していきたいということ。聴いてくれた人がみんなで歌えるようなキャッチーなメロディ、そしてフック。これが重要なんだ。

ジョー:朝ラジオでInMeを聞いたら、その歌が一日中アタマから離れないような、そんなサウンドが理想だね。

──ピアノとかストリングスとか打ち込みとか、色々な楽器も入ってる。

デイヴ:僕らは3人だけのロック・バンドだけど、3人のいいところを引き出せるようなサウンドを目指して、みんなでアイデアを出し合うんだ。ヘヴィな曲なら打ち込みを入れようとか、バラードならストリングスで壮大に仕上げようとか。そこで必要だと思うものを入れたら、色々な楽器を使うことになったんだ。

ジョー:ほかにもすごくたくさん使ったよ。バイオリン、シンセ、シンセベース、もうキリがない。

デイヴ:シンセベースとかメロトロンとかね。

ジョー:エフェクトも6種類使った。ピアノもエフェクトを通したりしたし、教会にあるハープシコードみたいな、古い鍵盤楽器も使った。

──それだけ楽器が多いと、サポート・メンバーを入れたくなったりしない?

デイヴ:うーん、絶対にないとは言わないけど。将来的にどうしても必要になったらそのとき考えるよ。でも今はこの3人のサウンドに自信を持っているから。

ジョー:InMeはこの3人でInMeだからね。入れるとしてもライヴだけだ。

デイヴボン・ジョヴィが参加してくれるっていったら?

ジョー:それは話が別(笑)。

──特別なギターやドラムも使ったって聞いたけど。

デイヴ:スラッシュが使ったっていうレスポールがスタジオにあったから使ったよ。スラッシュのピックもあったからそれで弾いてみた。「ホワイト・バタフライ」でオーバーダブに使ったんだ。

サイモン:僕は、デイヴ・グロールが「ネヴァーマインド」のレコーディングに使ったというスネアを使った。タマのベルブラス、深さ6.5インチのやつ。「ディス・タウン」と「ユー・ウィル・ゲット・ゼア」で使った。

──仕上がりにはすごく満足している?

全員:もちろんさ。

ジョー:でも、次もまた同じようなサウンドになるとは限らない。実際、次のアルバム用の曲も作り始めてるんだけど、どんな音にするかはまだ決めていない。それが決まった段階でそれに適したプロデューサーを選ぶことにしてる。



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──このアルバムでとくに気に入ってる曲はどれ?

ジョー:ビデオももうすぐ出るんだけど、「ソー・ユー・ノウ」がいいね。ポップだし、メロディがキャッチー。フックが続いてるようなところもいい。

デイヴ:僕は「セーフ・イン・ア・ルーム」だね。これは僕の親友についての歌で、エネルギッシュでパワフルなリフがある。テレキャスターを使ったんだけど、ガラスのようなクリアな、そうU2みたいなサウンドが出せた。それと、僕が今まで書いた中でもっとも素晴らしいコーラスが入ってるのもこの曲だよ。

サイモン:「ソー・ユー・ノウ」だ。キャッチーだしメロディがいい。ノリもいいから、自分で聴いてもじっとしていられないくらいさ。ライヴでは「アザーサイド」が楽しいな。

──では次回の来日も楽しみに待ってます。

ジョー:来てすぐサウンドチェック、一昨日大阪で、昨日は東京。今日はこの取材だろ。それで明日の朝はもう帰らなきゃならないんだよ。残念だなぁ。

デイヴ:いつも日本に来るとこんなスケジュール。時差ボケで疲れちゃうんだ。もうちょっとゆっくりしたいよ。

サイモン:今度来るときは富士山に行きたいな。

ジョー:日本にはお寺もいっぱいあるんだろ? 前回は一度行ったんだけど、そんな落ち着くところにまた行きたいなぁ。

デイヴ:僕はラーメンだな。ヌードルバーに行きたいよ。そして、今度はヘッドライナーとして戻ってきたいね。

取材・文●田澤 仁

InMeオフィシャル・サイト(Victor Entertainment)
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