オオゼキタク、「なでしこ」インタヴュー

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■INTERVIEW

──新曲『なでしこ』は、なかなか素直に言えない両親に対する感謝の想いを綴った楽曲ですね。まずは、なぜこういうシチュエーションの作品が生まれたのかを教えてください。

オオゼキタク(以下タク):昨年7月に発売した2ndアルバム『デラックス・コレクション』を通して“ちょっと魔法がかったきらびやかな世界観”を作りあげた実感を得ることができたんです。だからこそ、次の作品ではシンプルながらも太い芯を持っていて、どっしりとしたメッセージ性のある曲を作りたいと思ったんですね。歌詞に関しても、これまで妄想を描きあげた恋物語が多かったので、今度は今の自分がリアルに伝えたい想いを書こうと決意したんです。そこで出てきたのが、これまで恥ずかしくて言えなかった、両親に対する“ありがとう”という想い。その気持ちって、30歳を少し過ぎた今になってようやく正面切って言えるようになったんですね。だから、両親に対し感謝を伝える想いを形にしたくて、このような作品を作りました。

──タクさんは、今でも実家暮らしなんですか?

タク:20代までは実家暮らしでヌクヌクと過ごしてたんですけど、デビューした30歳以降から一人暮らしを開始しました。やはり日常的に近い距離にいると、忠告やアドバイスで言ってる言葉さえウザがったりしてしまいますよね。だから、なかなか感謝するという気持ちまで至らなかったんです。でも、それまでなんでもかんでも頼りきってた生活をしてたんだということを、離れて初めて実感したので、改めて、親への感謝の気持ちを素直に感じることが増えました。それに、この歳になると、結婚して家庭を持つ仲間も増えて、たまに子供のいる家に遊びに行くと、親の大変さを実感することも多いんです。そうやって、家族や家庭というものへリアルさを抱けるような年齢になったからこそ、親や支えてくれるまわりの人たちを思いやる気持ちや、包み込んでゆく想いを形にしたいと思ったんでしょうね。

──作詞を担当した黒須さんとも、そういう話をしてたんですか?

タク:直接話はしませんでしたが、自分が“親に対する感謝の想い”というテーマを決めたときに浮かんだ言葉をいろいろ書きつらねたものがあったんです。あがった詞を見たら、まさに自分の気持ちをそのままリアルに伝える歌詞だったので、歌うときも感情を込めながら歌うことができました。

──ここでカーネーションではなく、なでしこという花を持ってくるセンスがいいですよね。

タク:じつはカーネーションも、なでしこ科の花なんですよ。なでしこ自体は、秋に河原などに咲く可愛らしい花で、昔から”我が子を愛しんで表現する言葉”として和歌などに使われたりしていたそうです。その言葉の持つ意味もまた、僕の伝えたかった世界観とピッタリでしたね。

──楽曲を聴いてると、タクさんの抑揚した感情の揺れが伝わってくる歌声に、つい胸がキュッと摘まれるような想いを抱いてしまいました。

タク:今回のレコーディングは新たなサウンドプロデューサーを迎え、大きいスタジオで、参加ミュージシャン全員でほぼ一発録りで録りました。自分の仮歌の呼吸を感じてもらいながらセッション感覚で演奏を録っていったので、‘‘ここでグッといきたい気持ち”など、ライブのときに覚える感情の昂りと同じ息づかいを感じながら作ることができたと思います。それがより気持ちの伝わりをリアルにしてくれたんだと思います。

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