『ツァイトガイスト』を斬る7つのワード 04/07

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「レコーディング・プロセスとロイ・トーマス・ベイカー」 by ビリー・コーガン

僕らは結局自分達でレコードのプロデュースはやったんだ。そうしたいとは思ってなかったんだけどね。

あまりに隔離された状況でやっていたから、他の人達が入ってくるのが難しかったんだ。僕らが誰よりも意見を聞いたのは、ロイで、その他の人の意見はほとんど聞かなかった。近道を行くこともできるし、遠回りもできる。それで、僕らは遠回りすることにしたんだ。最近ではプロ・トゥールの影響で、遠回りを理解してくれる人はほとんどいないけどね。

僕らはテープのみでレコーディングしたんだ。このアルバムにはコンピューターは一切使用していない。しかも、僕らふたりしかいなかったから、バンドでやるよりもさらに時間がかかった。というのも、ダブは全部僕がひとりでやったからね。

今の音楽に欠けているものは信念だと思う。

みんながみんなマクドナルドのコマーシャルを作ってるみたいで、その核に信念もなければ、ましてやギター・ソロさえなくなってしまった。そんなものがあるとラジオでオン・エアしてくれないとどこかの神が禁じてしまったからね。

ロイは、まったく周りのことを気にしないような人なんだ。本当にね。人によっては、気にしないようなフリをする人もいるけど、本当に気にしない人っていうのがいるんだ。ロイは、本当にまったく気にしない人だった。

ロイは、このレコーディングの始まりから終わりまで唯一、このレコードに影響を与えた人だった。彼がそこにいるっていうだけでね。他にはそういう人もいなかったし。彼は何が起きても、誰に対しても、怖じ気付くことがまったくなかった。彼はすべてを見て来ているし、すべてをやって来ているから、自分の城を持ってるんだ。

自分の城を持ってるような人とは、やっていけるんだ。

ビリー・コーガン
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