THYME、記念すべき待望の1stアルバム『first 9uality』リリース特集

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THYME 記念すべき待望の1stアルバム『first 9uality』リリース

2人のサウンドプロデューサーがメンバーとして作り上げる究極のJ-POPサウンド



――歌詞についても、以前はあまり考えないこともあると言っていたけど、今回のアルバムでは、どの曲の歌詞もすごくポジティブな世界に統一されてる。

thyme:それは3人共通のテーマですね。せっかく私たちの曲を聴いてもらって暗い気持ちになったらイヤだし。それはいつも意識してます。

――けっこう強い意志を感じる歌詞だけど、これはthymeさんの内面が表れているということですよね?

thyme:うーん、どうですかね。こうなりたいという自分の中の理想像を書くことが多いですね。人間くさいところは出していきたいと思ってますけど。

清水:彼女はやはり強いんだと思いますよ。こういう歌詞を書き続けられる、歌い続けられるのはうらやましいと思うし、すごく彼女のガッツを感じて頼もしいです。

星野:どの曲にもポジティブなところがちゃんと出てる。そこはすごいなぁと思いますね。

――“もういないあの人の歌声”という歌詞の出てくる「My Life」は、thymeさんの心の中にいる誰かに向けた歌ですね。これ、誰のこと?

thyme:これは…教えられない(笑)。人それぞれ、カリスマミュージシャンだと思う人がいると思うし、それぞれの想いを重ねてもらえればいいと思います。

――1stシングルのときは、時間がないことが苦労でもあり、やりがいを感じるところでもあったと言っていたけど、今回はどうだった?

清水:今回も時間なかったですよ、シングルと同じくらいの時間しか(笑)。個人的には「Humming Bird」という曲のアレンジは、今までほかの仕事でもやったことのないスタイル。ちょっとアイリッシュだけどちょっとカントリーロックっていう。この曲はプリプロの時間もなかったし、歌詞も最後まで上がってこなかった。これをどうまとめるかっていうところにけっこう力を入れましたね。

星野:けっこうどの曲も難航したって言えるかも。シングルの作り直しもしたし。

清水:あと星野君は「晴天」と「Wonderland」のストリングスアレンジも。これはかなり変えたんです。ライヴでもやっていてみんながよく知ってるものをぶっ壊して変えるって、けっこう大変だったろうなと思いますね。

thyme:私は「Humming Bird」にいちばん苦労したし、そのぶん内容が濃かったように感じてます。この曲のヴォーカル録りは最後にやったんですけど、歌詞ができたのがギリギリすぎて、他の曲ほどイメージが固まっていなくて。ブースに入ってから3人でやり取りして、どう歌うかを詰めていったんです。大変だったんだけど、自分の中で新しいものがたくさん出てきた。確実に次につながるものが見えてきたような気がしてます。

 

――アルバムを完成させた今、次にやってみたいことはどんなこと?

thyme:個人的にやりたいことはありますけど。

清水:普段きちんとそういう話をしないから、この機会に聞いておこうか(笑)。

星野:僕は、自分たちを評価してくれている人たち、ファンの人たちがこのアルバムを聴いて何を感じるのかを知りたいですね。次の制作もやらなきゃならないんですけど、その前にファンの人たちの声をフィードバックするような作業もしておきたいです。

清水:僕も同じですね。リスナーにとってのバリューを考えていく、というのがこの後の数カ月に必要なことかもしれないと。自分たちがカッコいいと思うものだけを追及しても、リスナーの趣向に合わないかもしれない。うまくそれをミックスしたものに挑戦していけたら面白いだろうなあと。

thyme:私は完全にカラオケ世代だと思うんですが、今は私がカラオケで歌われる側になってるんですね。で、カラオケにいった女の子たちが家で練習したり真似したりしたくなるようなヴォーカリストになりたい、と。今はみんな歌うまいですからね。真似されるような“濃い”歌い方をしていけるように、と思ってます。

清水:それもリスナーのバリューという点で僕らと同じだよね。

――結局みんな同じことを考えていた、と。

清水:ハイ。きれいにまとまりました(笑)。

取材・文●田澤 仁

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