陰陽座、ゲーム『犬神家の一族』のテーマ曲を担当

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独自の和的世界観と音構築で、唯一無二の存在としてひたすらに自らが信じる道をひた走り、ロック界を騒がす妖怪ヘヴィメタルバンド陰陽座。

その陰陽座が、ニンテンドーDS用ソフト『犬神家の一族』のオープニング・エンディングテーマを手掛けることになった。

◆瞬火からのメッセージ映像

『犬神家の一族』は、ご存知のとおり名探偵の金田一耕助が活躍する横溝正史の代表的な小説。これまでに主人公の配役をさまざまに変えて、何度も映画、テレビドラマ化された人気作品である。衝撃的な殺人や古い因習に囚われた人間の業が描かれ、さまざまな手段や因縁で巻き起こる殺人事件を金田一耕助が悩みながらも解決していく。そのおどろおどろしい世界観は他に並ぶものがなく、出版から数十年たった今でも、根強いファンを持つ作品である。

この作品がニンテンドーDS用ソフトとして1月22日に発売される。陰陽座が担当するのは、このゲームのオープニングとエンディング・テーマ「相剋/慟哭」だ。

横溝正史と陰陽座。まったく、よくぞコラボを実現させてくれたと快哉を叫びたくなる組み合わせだ。横溝正史は、先述したように、古い因習などに絡めとられる人間の業を描き出した作家であるし、陰陽座は古い日本の言葉を多用して、今の言葉では表現できないような人間の愛憎を描くことに長けている。読むことすら困難な古式ゆかしい言葉が、ヘヴィなサウンドに乗ることで独自のグルーヴと妖しいきらめきを生み、歌詞カードに羅列された文字列から立ち上る視覚的な美しさとも相まって、日本人の根幹を揺るがす“ロック”を生み出し続けているバンドだからだ。

ゲーム・プロデューサーの武村大氏から陰陽座へオファーがあり、このコラボレーションが実現した。メンバー全員が横溝正史ファンだったという陰陽座サイドは快諾。ゲームの世界観を壊すことなく、なおかつ陰陽座としてのアイデンティティを失うこともなく仕上げるのは大変な作業だったようだ。

オープニング・テーマ「相剋」は、速めのエイトビート曲。鐘とも鈴ともつかぬ音のアルペジオから不気味なギターリフが導き出される。そこから走り出すのは陰陽座の面目躍如のハードロック。瞬火と黒猫のヴォーカルが絡み合い、歌詞の中に物語のキーワードを含みながら展開していく。オープニングらしい勢いと、今後の流れの予兆を含んだ意味深な1曲だ。

かたやエンディングは「慟哭」、オープニングと同じ音色のアルペジオから始まるスローテンポの曲。黒猫がヴォーカルをとり、ラストシーンが目に浮かぶ歌詞世界。エンディングに相応しい1曲だ。

さて、このテーマ曲を担当した陰陽座のリーダー瞬火からのメッセージが届いている。この両曲にかけた思いを熱く語っているので、ぜひ見てほしい。シングル「相剋/慟哭」は1月21日リリース。

「相剋/慟哭」
KICM-1267 \1,200(tax in)
1.相剋
2.慟哭
3.相剋(インストゥルメンタル)
4.慟哭(インストゥルメンタル)

◆iTunes Store 陰陽座(※iTunesが開きます)
◆陰陽座オフィシャルサイト
◆キングレコード 陰陽座ページ
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