ビンテージ・シンセを網羅したハードウェア・シンセサイザー「ORIGIN」がついに登場

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MINIMOOOG V2などのソフトウェアシンセサイザーで有名なARTURIAのハードウェアシンセサイザー「ORIGIN」がついに日本上陸を果たすことになった。ORIGINは2008年のヨーロッパでの限定的な発売以来、日本での発売が待たれていたモデル。アナログシンセサイザーの銘機と呼ばれるビンテージシンセ群を再現し、モジュール化している。サウンドの素晴らしさはもちろん、多くのノブやカラーディスプレイの搭載などシンセサイザーとしての完成度も抜群だ。国内発売はフックアップで、6月中旬の発売予定だ。

ORIGINは、Minimoog、ARP 2600*、Jupiter-8*、Prophet 5*といったビンテージシンセの精巧なエミュレーション(=テンプレート)を内蔵。さらに、銘機と呼ばれるシンセ(Minimoog、Moog Modular、Yamaha CS-80、Roland Jupiter-8、ARP 2600、Sequential Circuits Prophet 5*、Prophet VS)から抽出されたモジュールを駆使して、オリジナルシンセを構築。さらにARTURIA社独自の最新モジュール(Galaxyなど)も搭載している(*はアップデートで対応予定)。音源システムは、同社がMONIMOOG V2などのソフトウェアシンセサイザーで培ってきたTAE:True Analog Emulationというシミュレーション技術だ。

最大4つのインストゥルメントの同時演奏が可能なマルチモードを搭載。それぞれのパートを個別のステレオ出力へアサイン可能なので、外部のエフェクターの使用やレコーダーでのミックスにも便利だ。SPDIFアウトもあるので、デジタルミキサーやデジタルレコーダーでの使用にも対応する。また、マルチパターンステップシーケンサーも内蔵する。こちらはパートごとに3つのサブシーケンスが使用できる。

リアルタイム・エフェクトもパートごとに最大3つ利用可能だ。フェイザー、コーラス、ディレイ、リバーブ、ディストーションを搭載。アップデートによってパラメトリックEQ、ビットクラッシャーまで対応予定としているのがARTURIAらしいところ。さらにオーディオインを備えるのも特徴の1つ。外部から入力された信号を内部のモジュールやエフェクトで処理できるようになっている。

本体ソフトウェアはアップグレード対応で、新しいシンセやモジュールの追加も可能となっている。ハードウェアでありながら、購入したあとでも、さらなるパワーアップが期待できるというわけだ。アップグレードはPCとUSB接続で行う。USB 2.0端子は、ファームウェアのアップデートのほか、今後プリセットの保存・管理、新しく開発されるモジュールの追加、PCでのプログラム編集などに対応予定とのこと。

<ORIGINの主な仕様>
・プログラムモードとマルチモード
・同時発音数:32音
・音源システム:TAE(True Analog Emulation)
・プログラム:1000(400ファクトリー + 600ユーザー)
・マルチ:256(100ファクトリー + 156ユーザー)

<モジュラー構成>・オシレーター:最大9(各モデルからのエミュレーション)
・ウェーブテーブル:最大4
・フィルター:最大4(マルチモードフィルター)
・出力VCA:最大4 ・ミキサー:最大5
・リングモジュレーター:1
・フェーダー:2
・Bodシフター:1
・LFO:最大4つのポリLFOと最大2つのモノLFO
・ADSRエンベロープ:最大8
・Galaxyモジュール:1
・2Dエンベロープ:1

<Minimoogテンプレート>
・オシレーター:最大3
・フィルター:1(4ポールタイプLP)
・ミキサー:1
・LFO:1
・モジュレーションマトリックス:1
・エンベロープ:2
・エフェクト(1プログラムあたり3つのエフェクトスロット):5(コーラス、ディレイ、リバーブ、ディストーション、デュアルフェイザー)

◆ORIGIN (オリジン)
価格:オープン(実勢価格:294,000円)
発売日:2009年6月中旬
開発元:ARTURIA社(アートリア社:フランス)

◆フックアップ
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