フジコ・ヘミング、クラシックになじみのない世代へ意欲作

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7月22日(水)発売のフルアルバム『フジコ』に先駆け、全5曲収録のミニアルバム『イングリット・フジコ・ヘミング』が7月1日(水)にリリースとなった。

この作品はTSUTAYA限定商品で、全国のTSUTAYA RECORDS店頭ならびにTSUTAYA onlineに購入可能だ。フジコ・ヘミングの新たな活動のスタートとなる1枚だが、フジコ・ヘミングの代表曲「ラ・カンパネラ/リスト」を含む全5曲全てが2008年12月にレコーディングした最新ロンドン録音音源だ。フルアルバム『フジコ』には未収録となる「ため息/リスト」「別れの曲/ショパン」の2曲も含まれ、見逃すことの出来ない作品となっている。

1999年に発売されたファーストCD『奇跡のカンパネラ』はこれまでに200万枚を売り上げるという、クラシック界異例の大ヒットを記録したフジコ・ヘミングだが、公演活動で多忙を極める中、一方でCDの印税やコンサート出演料を様々な慈善団体に寄付しており、人や動物に向ける深い関心と愛情深いまなざしも、人間味あふれる彼女の魅力である。

──今回はTSUTAYA限定で作品を発表、比較的メジャーな曲を中心に選ばれていますが、どういった思いがおありでしょうか?

フジコ・ヘミング:クラシックのピアノというと、かしこまって聴かなければならないイメージがあるでしょ? ほんとうは、そんなことはないのよ。私がいちばん嬉しかったのは、ドイツにいたころ、家でピアノを練習していたら、隣の家の外の壁のペンキを塗っている人が、私のピアノに合わせてリズムをとっているのが、窓から見えたことなの。学者のためにピアノを弾いているのじゃないからね。ふつうの人に、生活の中で楽しんでもらいたいのよ。TSUTAYAは若い人がたくさん来るそうですね。だから、TSUTAYA限定盤のお話をきいて、若い人でもどこかで聴いたことがあるような曲を選びました。「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、ラヴェルがオーケストラのためにも編曲しているけれど、ピアノ曲もすてきでしょ? 私が共演した世界的指揮者で元ピアニストのタマーシュ・ヴァシャリーは、私がアンコールでこの曲を弾いたら、楽屋に飛んできて「すばらしい!」って言ってくれたのよ。江原啓之さんも、雑誌で対談したとき私が弾くこの曲が好きだと言ってくれました。私は音階を弾くのでも、ひとつひとつの音に違った色をつけるようにしています。もちろん、基礎として、最初は、テンポも音色も、均一に弾くように練習します。でも、いつまでも、そんなレベルにいては、曲を弾くことはできません。ショパンなんて、特にそうですよね。このアルバムに入っているショパンの「黒鍵」や「別れの曲」を聴いてくだされば、私が言っていることをわかっていただけると思います。現代の生活は、機械的な音にいつもさらされていますね。そうではなくて、アコースティックのピアノのあたたかい音に、TSUTAYAに来る若い人を含め、ひとりでも多くの方に触れていただければうれしいです。

──今回のジャケットはご自身のデザインですが、どういったイメージで描かれ、どんなメッセージを込められましたか?

フジコ・ヘミング:この天使は、私がこのたびつくったフジコ・レーベルのロゴマークです。クラシックになじみのない方でも、親しみやすい曲を選んでミニ・アルバムにしたので、ジャケットも、親しみやすいものにしたいと思いました。それで考えているときに、「そうだ、ロゴマークの天使の絵をジャケットにすればいいや」と思いついたのです。パリの家で、髪の毛はこんな感じで、ふわっとさせてと天使を描きました。私は、このアルバムを自分ではひそかに「女学生向けCD」と呼んでいます。女学生が好みそうな曲に、女学生が手にとりそうなジャケット。なんか、奥ゆかしいでしょ? ノーブルでおしゃれなイメージ。小粋に、シックに、暮らしてゆきたいですよね。お金があるとかないとかどんな生まれだとかは、まったく関係ない。媚びることがなければそれがノーブルだと思う。天使は幸せを運んでくるそうだから、このジャケットがみなさまに幸運をもたらしてくれますように。

「すべての音が輝いています」というフジコ・ヘミング。『イングリット・フジコ・ヘミング』はクラシックになじみのない若い世代へ向けた意欲作だ。この5曲を聴いて、琴線に響く新たな発見をと音楽との出会いが経験できれば、7月22日(水)発売のフルアルバム『フジコ』を手にすればいいだろう。

なおTSUTAYAでは、『イングリット・フジコ・ヘミング』『フジコ』両作品の予約で、当2作品が入るオリジナルCDケースと直筆サイン入りポスターかコンサート会場限定のパンフレットが当たる応募ハガキが先着でプレゼントされる。また、『イングリット・フジコ・ヘミング』販売を記念して、シングルCD「ラ・カンパネラ」のレンタルも実施となった。

『イングリット・フジコ・ヘミング』
2009年7月1日(水)発売
FUZJ-0003 2,100円(税込)
1.ラ・カンパネラ(パガニーニによる大練習曲S.141の3)/リスト(7年ぶりに新録)
2.ため息(3つの演奏会用練習曲S.144の3)/リスト(※)
3.エチュード第5番変ト長調≪黒鍵≫作品10の5 /ショパン(8年ぶりに新録)(※)
4.エチュード第3番ホ長調≪別れの曲≫作品10の3/ショパン(※)
5.亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル(5年ぶりに新録) (※)
※フルアルバム『フジコ』(7月22日発売)未収録曲
※自主レーベルのロゴマークであり、自身のデザインによる天使の絵のジャケット。「天使は幸せを運んでくるそうだから、このジャケットが、皆様に幸運をもたらしてくれますように」との想いが込められている。
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