──次の「message」や後半の「ゆびきり」。ここら辺の歌モノポップはさらっと作れた曲なんですよね。

DAMIJAW：　ホントにね、こういうのは何のストレスもなくさらっとできるので。小さい頃から歌謡曲を聴いてたので、そういうのって大切なんだなって今回は思いましたね。これがハードロックばっかり聴いてたら……どうなんですかね……どうなんですか？

──もし自分のなかにこういうものがあったとしても、ずっとメタルやハードロックばかり聴いてた人だと、それを自分がやるのは抵抗があっるんじゃないでしょうか。でもka-yuさん、こういう歌モノやることに対して抵抗はないでしょ？

DAMIJAW：　まったくないですね。

──だからこういうアルバムになったんだと思いますよ。もうちょいメタルにしとこうかとか音だけはハードにしておこうとか、そういう作為を感じないですもの。

DAMIJAW：　この曲、こういうメロディやから音はハードにしよう、とはならないんですね。僕が目指してたのは、その曲が一番生きるアレンジだったので、無理はしてないですね。

──では、続いて「BIRTHDAY ～ダミ嬢の憂鬱～」。これは主人公はヴァンパイア？

DAMIJAW：　ですね。憂鬱なんですよ、でもその世界にも惹かれつつという現実を歌ってます。

──そして「DAMI」と「JAW」。

DAMIJAW：　始めに「JAW」ができてて。JAWの意味は顎なんですけど、僕はここでは「明日のジョー」を想像して歌詞にしてみたんです。「DAMI」はストレートにダミアンをテーマに書きました。

──そして、ラストの「I AM」。名曲です！　コーラスもキャッチーで耳に残りますね。

DAMIJAW：　「I AM」は、実はファンに対するメッセージ的なものが強いんですよ。正直、このDAMIJAWのプロジェクトを始めるにあたって、自分の中で悩んだり……、すぐにできたことではなかったんですよ。そんなときに助けてくれたのがファンの方からの手紙、声だったんで、それをストレートに歌詞にしました。そういうところで、ファンの皆と一緒に歌えたらいいなと思ってそういうコーラスを入れたんです。

──ka-yuさんって、ジャンヌを含めるともう10年以上のキャリアがあるじゃないですか。それでも、ファンの手紙や声に後押されるときってあるんですか？

DAMIJAW：　押されますね。ほんっとに。ずっと。それはインディーズの頃から変わらないです。だから、絶対ファンレターは読むんですよ。いまも。気持ちを肌で感じられるから。

──今回DAMIJAWをやろうと踏み出すとき、どんな気持ちの部分をファンに後押してもらった気がします？

DAMIJAW：　ファンレターをもらって。“どんな形でもいいから音楽やってください。応援してます”とか、そういう手紙を見て背中を押されたんですよ。それで、DAMIJAWをやることができたんですよね。もちろん、ファンのためだけに音楽やってますとか、そんなきれいごとをいう気はさらさらないです。けど、僕がいま音楽をやれるのは、応援してくれてるいままでのファンの皆のお陰だということをここで伝えたかった。君たちの気持ちはちゃんと僕のところに届いてるからね、というのを歌詞にして伝えたかった。僕、ブログもやらないんで、伝える手段は“歌”“歌詞”しかないんです。

──そうなると、ボーナストラックの「WE WILL BE」もファンに向けて？

DAMIJAW：　そうですね。「I AM」があって、こっちは恋愛っぽくまとめてますけど、ストレートに僕のファンに対しての“ありがとう”っていう気持ちを書きました。だから、恥ずかしいんですけどね。直球すぎて（笑）。

──なぜこのタイミングでこういう気持ちをファンに伝えたいと思ったんですか？

DAMIJAW：　自分で歌詞を書いて歌うっていう、この行為は普段思ってても言えないことを伝える本当にいい方法だと思ったんですね。今伝えないと、どこで伝えられるんだと。言わないと伝わらないことってあるじゃないですか？　いまがいい機会だなと思って。Solid Beatをやって、ちょっとギスギスしてた部分はあったと思うんですけど、ここでやっと素直になれたというか。素直に伝えたくなりましたね。

──届いてくれるといいですね。

DAMIJAW：　いいですね。ただ、ツアーでファンを目の前にして歌うことを想像するとちょっと照れ臭いんですけどね（笑）。

──ツアーはレコーディング・メンバーで？

DAMIJAW：　そうですね。そこにギターにKazumaさん（元SIA M SHADE）が加わります。楽しみにしてて下さい！

取材・文●東條祥恵