桜散る季節にBARKS編集部ガチンコ企画「この曲、自腹で買いました」BARKS編集部(も)編

良い音楽は良いオーディオシステムによる良い音で聴かなければならない。いま編集部には素晴らしいシステムがある。ならば、自腹でCDを購入のうえ、そのシステムによって良い音を体験するべきである、という至極ごもっともな指令に応えるべく、最近気にいっているへヴィメタルのCDを購入。mhi(musical heart instruments)の「Evidence MM01A」と、ラックスマンのアンプ「SQ-N100」およびCDプレイヤー「D-N100」というオーディオシステムで聴いてみたのが、以下のレポートだ。
普段は仕事がら、J-POPを始めとしてチャートを賑わすリリースものを聴く機会が非常に多いのだが、こちとら筋金入りのヘヴィメタル・マニア。こんな機会なのだから、重く、華麗で、ラウドなものを選び、オープンエアで聴いてみることにした。

とはいいつつも、なぜこのバンドが気になったかと言えば、それはヴォーカリストであるシャロンの恐るべき美くしさがまずあったのは事実。その端麗な容姿に相応しい高貴な声、ステージでの華美なドレス姿、そしてパフォーマンス。清く正しいゴシックな雰囲気でオーディエンスにアピールする姿は美しく気高い。<LOUDPARK 06>に出演し、そこで初めて見てシビれた人も多いだろう。
と、前置きが長くなってしまった。本論に入らせてもらおう。普段はヘッドホン、通勤ではイヤホンで聴くことがもっぱらで、ほとんどオープンエアで音楽を聴くことがない。しかし、音とは空気の振動が空気中を伝わり鼓膜を震わせ、脳神経の認識によって音として聞こえるのである。スピーカーのコーンが実際に震えて出る音を鼓膜で音楽として受け止めてみたい。
スピーカーから出た音としてまず気付いたのが音圧だ。イヤホンでイコライザーをベース・ブーストなどにして聴く音というのは、なにか神経に直接働きかけているようで、迫力はあるのだが圧力を感じない。それが、スピーカーから出る音というものは、音の壁となってこちらの全身にぶつかってくる。鼓膜だけでなく、身体全体が音を受け止めているような感覚になる。そして、イントロなどに使われているピアノなどのアコースティック楽器の音の繊細なかすれやリバーブが非常に生々しいのも特筆点。音のダイナミクスがあるというか、小さく鳴っている音から大きい音までの幅が広い。だからこそ、ヘヴィメタル特有のベース、バスドラム、ギターのパワーコードが同時に鳴るときの圧力が、実に圧倒的な迫力を持つ。
そして、シャロンのヴォーカルである。シャロンのヴォーカルはアルトからソプラノまでとてもよく通る声なのだが、このスピーカーでは、その声に含まれる倍音が確実に増しているのがわかる。声に深みがあると感じられる。MP3音源のようにコンプで押しつぶしたような音とはまったく違い、ナチュラルな広がりがある。
このスピーカー「Evidence MM01A」は割合フラットなチューニングになっているということなのだが、それでも重低音は腹に響き、中音域は分離良く、高音域は抜ける。簡単に言うと“気持ちの良い音”だ。
「人が独りもいない深遠な山奥で大木が倒れた時に音は鳴っているのか」という哲学的な問いがある。木が倒れた時の空気の振動を鼓膜というものが受け止めていない以上、そこに音はなかったという解釈は面白い。せっかくこの世には音楽が氾濫しているのである。頭蓋骨を内部から振動させて聴くのもいいが、ぜひ空気の振動を鼓膜で受け止めて、幅広い音域で音楽というものを享受したい。そんな気分になった今回の試聴であった。
◆Evidence MM01A詳細ページ
◆ウィズイン・テンプテーション『ザ・ハート・オヴ・エヴリシング』CD情報
BARKSオーディオ

◆プレーヤー:LUXMAN「D-N100」
◆アンプ:LUXMAN「SQ-N100」
◆スピーカーケーブル:SUPRA「CLASSIC 6.0」
◆RCAケーブル:SAEC「SL-2000」
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