【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第8回 「Joni Mitchell とジャケットの魅力」
さて、ここでレーベルを見てみましょう。このアルバムは1968年にREPRISE RECORDSからリリースされているので、オリジナル盤は“2色リプリーズ”レーベルです。この後のREPRISEのレーベルは“タン”と呼ばれる1色のレーベルで、様々なアルバムでよく見かけますが、この2色リプリーズは'68年と'69年の2年に満たない期間しか使われていないためあまり見かけません。さすがに貫禄ありますね。2色の色使いや汽船のデザインもかわいくて、好きなレーベルデザインのひとつです(画像をクリックすると拡大画像に飛びます)。
ではアルバムの話に戻りましょう。彼女の溢れる才能は音楽にとどまりません。この『Song To A Seagull』のジャケットのアートワークも彼女自身が手がけています。Joni Mitchellという人は、その個性的な音楽性からしてももちろんそうなのですが、音楽家というより芸術家なんだなあとつくづく感じさせられます。
僕はこのジャケットが大好きで、このアルバムのオリ盤がずっと欲しかったというのも、実はこのジャケットによるところも大きかったのです。やはりレコード時代のアルバムジャケットはレコードでこそのもの。レコードでは雰囲気があってよいのに、CDになるとひどくチープになってしまうものばかりです。逆を言えば、CDでは冴えないジャケットだと思っていたものも、レコードで見たらすごくよいジャケットだったということもよくあります。
それは当然ながらその大きさと、色味や素材感によるもの。言うまでもなく、レコード時代のジャケットデザインはあの大きさであることを前提としてデザインされています。また、レコードジャケットの素材は紙ですが、その紙質は様々。つまり、
素材感も含めてデザインされているのです。
そして、アーティストのひとつの作品であるアルバムにおいては、ジャケットも大切な大切な作品の一部なのです。
しかしそのジャケットも、同じアルバムにおいてレコードならすべて同じかというと、実はそうではなくて、オリジナル盤では見開きや変形ジャケットだったものが再発盤ではそうでなくなっていたり、紙質や色合いも違っていたりと、オリ盤と再発盤では仕様だけでなく雰囲気までがかなり違っている場合が多々あります。
やはりオリジナル盤にはオリジナル盤にしかない貫禄、風格がジャケットにも漂っているものなのです。
オリジナル盤を楽しむということは、その音を楽しむだけではなく、そのアートワークも含めた作品全体として楽しむ、作品全体を感じる、ということなのです。
それは今、現在の音楽にも当てはまるもの。アルバムとはアーティストのひとつの作品であり、ジャケットは大切な作品の一部であり、こだわりを持って作っているということに変わりはありません。音楽配信も普及し、音楽というものをとても手軽にを楽しめるようになりましたが、その反面、忘れられ失われていることもあるのではないでしょうか。
オリジナル盤を通じて、色んなことを考えさせられます。
オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。
text by:鈴木健太(D.W.ニコルズ)
◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます
--------------------------------
「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)
待望のメジャー1st フルアルバム
2010年4月7日発売
『ONELBUM』(ワンルバム)
初回盤(DVD付)
AVCH-78012/B/3,000円(tax in)
通常盤
AVCH-78013/2,500円(tax in)
【CD】
01.B.D.K.
02.春風
03.ファミレス
04.SMOKE
05.グリンピースヌーピー
06.熱帯夜
07.太陽
08.サマーレイン
09.波待ちサーファー
10.マイライフストーリー
11.haleiwa
【DVD(初回盤のみ)】
01.マイライフストーリー
02.春風
03.B.D.K.
◆D.W.ニコルズ オフィシャルウェブサイト
◆D.W.ニコルズ MySpace
ではアルバムの話に戻りましょう。彼女の溢れる才能は音楽にとどまりません。この『Song To A Seagull』のジャケットのアートワークも彼女自身が手がけています。Joni Mitchellという人は、その個性的な音楽性からしてももちろんそうなのですが、音楽家というより芸術家なんだなあとつくづく感じさせられます。
僕はこのジャケットが大好きで、このアルバムのオリ盤がずっと欲しかったというのも、実はこのジャケットによるところも大きかったのです。やはりレコード時代のアルバムジャケットはレコードでこそのもの。レコードでは雰囲気があってよいのに、CDになるとひどくチープになってしまうものばかりです。逆を言えば、CDでは冴えないジャケットだと思っていたものも、レコードで見たらすごくよいジャケットだったということもよくあります。
それは当然ながらその大きさと、色味や素材感によるもの。言うまでもなく、レコード時代のジャケットデザインはあの大きさであることを前提としてデザインされています。また、レコードジャケットの素材は紙ですが、その紙質は様々。つまり、
素材感も含めてデザインされているのです。
そして、アーティストのひとつの作品であるアルバムにおいては、ジャケットも大切な大切な作品の一部なのです。
しかしそのジャケットも、同じアルバムにおいてレコードならすべて同じかというと、実はそうではなくて、オリジナル盤では見開きや変形ジャケットだったものが再発盤ではそうでなくなっていたり、紙質や色合いも違っていたりと、オリ盤と再発盤では仕様だけでなく雰囲気までがかなり違っている場合が多々あります。
やはりオリジナル盤にはオリジナル盤にしかない貫禄、風格がジャケットにも漂っているものなのです。
オリジナル盤を楽しむということは、その音を楽しむだけではなく、そのアートワークも含めた作品全体として楽しむ、作品全体を感じる、ということなのです。
それは今、現在の音楽にも当てはまるもの。アルバムとはアーティストのひとつの作品であり、ジャケットは大切な作品の一部であり、こだわりを持って作っているということに変わりはありません。音楽配信も普及し、音楽というものをとても手軽にを楽しめるようになりましたが、その反面、忘れられ失われていることもあるのではないでしょうか。
オリジナル盤を通じて、色んなことを考えさせられます。
オリ盤探求の旅はまだまだ続くのであります。
text by:鈴木健太(D.W.ニコルズ)
◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます
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「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)
待望のメジャー1st フルアルバム
2010年4月7日発売
『ONELBUM』(ワンルバム)
初回盤(DVD付)
AVCH-78012/B/3,000円(tax in)
通常盤
AVCH-78013/2,500円(tax in)
【CD】
01.B.D.K.
02.春風
03.ファミレス
04.SMOKE
05.グリンピースヌーピー
06.熱帯夜
07.太陽
08.サマーレイン
09.波待ちサーファー
10.マイライフストーリー
11.haleiwa
【DVD(初回盤のみ)】
01.マイライフストーリー
02.春風
03.B.D.K.
◆D.W.ニコルズ オフィシャルウェブサイト
◆D.W.ニコルズ MySpace
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