おったまげマシュー・ハーバート、現在のクラブを問う『One Club』

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不動の人気を誇るダンス・ミュージック、サンプリング界の鬼才マシュー・ハーバートによる3部作のプロジェクト“ワン”シリーズの、4月にリリースされた第1弾『One One』に続く第2弾『One Club』が10月27日にリリースとなる。

◆マシュー・ハーバート画像

「現代のクラブからは政治的なパワーや人々のパワーなど、そこからは何も生まれてこない。私はそういったことをもう1度見直したいと思い、人々にマイクを付けたんだ」とハーバートは語っている。音楽を通して現在のクラブの在り方に対する疑念を訴えるということのようだ。

今作は、ドイツのクラブに実際に人を集め、そのオーディエンスが発する様々な音やクラブの中で起こるサウンドを元に、ハウス、ミニマル、変態ビートを制作。全楽曲のトラック名は、そのクラブにいて録音に協力してくれた実在の人物の名前が付いているのだという。1曲目からロバジョンでびっくりしましたが。

常人とは飛距離の違うパンチ力を持った奇才だけに、生まれるエピソードも抜群に面白い。バスドラのような音を得るため、600人もの人々にビートボックスのように「ブッブッ」と言ってもらったのだとか。結果は、予想外にスカスカな音になってしまい仕方なくキッチンにあった冷蔵庫の扉を閉める音を使ったとのこと。うーむ。いくら600人でも「ブッブッ」はバスドラの音にはならんと思わなかったのだろうか。

もちろん単なるダンス・ミュージックの枠には決して収まらない今回の『One Club』。じっくりと聞いて様々な発見を見つけるのもこの作品の醍醐味だろう。

なお、2011年初頭にリリース予定の第3弾『One Pig』は、前回予告されていた通り、「一匹のブタの生涯」をサンプリングした音で作られた作品になる。どんな作品なんだぶー。

『One Club』
2010年10月27日発売
HSE-30244) 2,490円(税込)
*日本流通盤はボーナス・トラック、本人による楽曲解説付き
1.Robert Johnson
2.Jenny Neuroth
3.Alex Duwe
4.Oliver Bauer
5.Marcus Bujak
6.Marlies Hoeniges
7.Nicolas Ritter
8.Jalal Malekidoost
9.Rafik Dahhane
10.Kerstin Basler
11.The Making Of The Album (ボーナストラック)
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