杉真理、大学の講義でザ・ビートルズをパフォーマンス

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杉真理が、東京・渋谷のライブハウス多作で行われた山口大学・福屋教授の公開講座にゲスト出演した。福屋教授は、リヴァプール、ロンドン、ハンブルグといった都市を核にザ・ビートルズを語る、ユニークな音楽本『ビートルズ都市論(幻冬舎新書)』を上梓したばかりで、この日は同書の出版記念の公開講座だ。

◆参照「都市から論じた、ユニークなザ・ビートルズ本登場」

福屋先生の普段の授業と同様、ステージにかかったスクリーンには様々なデータや写真や映像が映し出され、ザ・ビートルズと彼らが育った都市をテンポよく、かつアカデミックに解説していく様は、ライブハウスなのに大学の教室にいるよう。集まったザ・ビートルズ・ファンをも「ふむ、なるほど」と唸らせた名調子の講義だ。

続いて2部には杉真理がアコースティック・ギター1本を携え登場。杉といえばBOXやPiccadilly Circusといったビートルズ・サウンドを意識したバンドを結成する程のビートル・マニア。第1部の福屋先生に負けじと、ギターをつま弾きながらビートルズ・サウンドの秘密を講義調のトークで対抗。オノ・ヨーコとの共演のエピソード等を披露しながら『オール・マイ・ラヴィング』や『ミッシェル』等のビートルズ・ソングを次々に演奏。

福屋先生の公開講座目当ての濃いビートルズ・ファンというアウェー環境の中、ポール・マッカートニーが作曲したピーター&ゴードンの「愛なき世界」といったマニアックな選曲で、コア・ファンを納得させ、続いて「昨日(11月3日)、リリースされたばかりの竹内まりやのシングル、あれってボクが作ったんです…」と恥ずかしそうに紹介した「ウイスキーが、お好きでしょ」を歌った頃には、すっかり会場を自分のペースに持ち込んでいく力量はさすがのベテラン。

アンコールでは「キャント・バイ・ミー・ラヴ」を全員で合唱し、全11曲のミニ・ビートルズ・ライブは終了した。

ビートルズ関連の講演と、カバー・ライブという二本立ては大人をも満足させる一夜。今後もこういったイベントは、どんどん見てみたいものだ。

『ビートルズ都市論』
発売:幻冬舎新書/262頁/定価(本体860円+税)
[第1章 ビートルズとリヴァプール]
リヴァプールの歴史/ロックンロール誕生までの音楽史/黒人音楽と白人音楽の融合/リヴァプールにおけるロックンロール・シーンの形成/ビートルズ・ビジネスの基盤/ビートルズの中のアイルランド性/他
[第2章 ビートルズとハンブルグ]
ハンブルグとリヴァプールの比較論/ハンブルグのイグジスたち/ハンブルグで青春を燃焼した二人の元ビートルズ/他
[第3章 ビートルズとロンドン]
歴史の中に暮らすロンドナー/ビートルズの妻と恋人たち/シンシアとモーリーンの中のヴィクトリア二ズム/パティとジェーンの中のスウィンギング・ロンドン/ロンドンはビートルズ周辺をどう変えたか/ビートルズの支配権:ブライアン・エプスタインからジョージ・マーティンへ/他
[第4章 ビートルズと東京]
ビートルズの東京公演への言及/日本のポップス・シーンの黎明期(ビートルズ受容の土壌形成)/エレキ・ブームの到来/東京公演に至るまで/他

◆福屋利信オフィシャルサイト
◆杉真理オフィシャルサイト
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