ギルガメッシュ、故郷に錦を飾る凱旋公演、大成功

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2011年2月5日。ギルガメッシュが初のホール単独ライヴを行なった。彼らが記念すべき初ホールの場所として選んだのは、市川市文化会館大ホール。そう。ここは、左迅、弐、愁、Яyoが生まれ育った場所であり、ギルガメッシュというバンドが産声を上げた地である。

◆ギルガメッシュ<凱旋公演“CHIBA”>画像

――其れ故に、<凱旋公演“CHIBA”>。納得のタイトルである。この日のライヴに付けられたタイトルは、結成7年にして、故郷に錦を飾った彼らの想いが、集約されたモノであったのだ。そんなことからも、彼らがこのライヴに、どれだけ特別な想いを寄せていたかが伝わってくる。もはや、それだけでワクワクさせられた。

17時10分。ホール内の照明がすべて落とされると、ステージに張られた真っ白な幕がゆっくりとせり上がった。1曲目は「volcano」。2007年の3月にDVDシングルとしてリリースされた、ヘヴィなサウンドで構築されたディープな世界観からの幕開けには意表をつかれた。絶対的に、1月26日にリリースされたばかりのニューアルバム『GO』の1曲目2曲目を飾っていた「Opening」「destiny」という流れでの幕開けだと思い込んでいたからだ。オーディエンスも予期せぬ始まりに悲鳴にも似た歓喜の声を上げ、そこから間髪入れずに届けられた最近のライヴではなかなか聴けなくなった旧曲たちに、力強く拳を振り上げた。

MCでは、“我が地元市川へようこそ!”とオーディエンスを歓迎し、市川市民が成人式を行なう神聖な場でもあるというこのホールで、訳あって成人を迎えられなかった弐のために、左迅が賞状を読み上げ、オーディエンスが見守る中、無事に弐が成人したことを祝う、弐のためだけの成人式を開くなど、彼ららしい等身大のトークを挟み、2004年の12月にリリースされた人気曲「開戦宣言」で1部を締めくくったのだった。

そして。一旦幕が降りたステージでは、彼らが出逢い、ギルガメッシュを結成するまでを、何故か外国人俳優を使った配役で再現ドラマ化して届けたり、現事務所に入るきっかけとなった、2006年に市川ルート14で行なったムックとの対バン時の様子を再現映像で届けるなど、結成から現在までを歴史映像としてまとめ、オーディエンスを楽しませたのだった。しかしながら。今とはまったく違う風貌の濃いメイクを施した結成当初の写真を、堂々と披露する彼らの虚勢を張らない潔さを、私は彼らの自信と受け取った。当時から彼らを支え続けてきたオーディエンスは、その写真に懐かしみの声を上げ、最近彼らを知ったオーディエンスは、初めて見るフルメイク姿のギルガメッシュに驚きの声を上げていたのだった。

そんな歴史映像の後は、過去曲を中心に届けられた1部とは違う、最近のギルガメッシュでオーディエンスを魅了した。

もちろん。ここからは、最初に想像した景色を裏切ること無く、『GO』の1曲目2曲目を飾っていた「Opening」「destiny」という流れでスタートし、電子的同期音と轟音のバンドサウンドが絶妙なバランスで絡み合うザッツ・ギルガメサウンドでステージを盛り上げたのだった。

今回のライヴは、同期を今ほど用いず、バンドサウンドを軸に構成されていた過去曲と、デジタル音やトーキング・モジュレーターという手法をふんだんに取り込んだ“ギルガメ流轟音ダンスナンバー”である現在曲を2部構成で聴けたことで、つい口ずさんでしまいそうな歌メロと厳つい演奏の対比が、昔から変わらぬギルガメッシュ色として存在し続けているのだということと、そここそが彼らの絶対的ポテンシャルであるのだということを、改めて気付かさせてくれたように思う。

ラウドロックを極めると、どうしても大衆性を失いやすいが、彼らは、耳馴染みのいいメロディアスさを軸におきながらも、とことんマニアックにラウドロックを追求しているのだ。これぞ理想型。実に見事である。

彼らは3月5日から海外ツアーに向かうのだが、そこでも更なるギルガメロックを浸透させてくることになるだろう。

帰国後、6月からは日本ツアーを行い、26日にZepp Tokyoでファイナルを迎えるという。本当の意味での凱旋公演が、今から待ち遠しい限りである。

取材・文●武市尚子
写真●平沼久奈・田中伸二

◆「destiny」PV
◆インタヴュー映像

<ギルガメッシュ WORLD TOUR 2011”Here we go!!”JAPAN TOUR>
6/4(土) 広島ナミキジャンクション OPEN 17:00 / START 18:00
(問) 夢番地広島:082-249-3571
6/6(月) 名古屋ELL  OPEN 17:30 / START 18:30
(問) ジェイルハウス:052-936-6041
6/8(水) 大阪umeda AKASO  OPEN 17:30 / START 18:30
(問) キョードーインフォメーション:06-7732-8888
6/10(金) 福岡DRUM Be-1  OPEN 17:30 / START 18:30
(問) B.I.C.:092-713-6085
6/18(土)仙台darwin OPEN 17:00 / START 18:00
(問) ニュース・プロモーション:022-266-7555
6/26(日)Zepp Tokyo OPEN 17:00 / START 18:00
(問) ディスクガレージ:03-5436-9600

<ギルガメッシュ WORLD TOUR 2011 "Here we go!!" >
3.5 Tochka / Moscow, Russia
3.6 GlavClub / St.Petersburg, Russia
3.8 Nosturi / Helsinki, Finland
3.11 Columbia Club / Berlin, Germany
3.12 Diesel / Budapest, Hungary
3.13 Backstage / Munich, Germany 
3.15 La Laiterie / Strassbourg, France
3.16 Le Trabendo / Paris, France
3.18 O2 Acedemy Islington / London, UK
3.19 Zeche / Bochum, Germany 

<4.22 Anime Boston 2011 / Boston, USA>
http://www.animeboston.com/  

◆ギルガメッシュオフィシャルサイト

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