ビヨンセ、自分自身を振り返り人生を語る特別な夜

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8月19日(金)、NYでも老舗中の老舗である僅か2500~3000人収容というローズランド・ボールルームで、ソロ4作目となる最新作『4』に合わせ、ビヨンセが<4 INTIMATE NIGHTS WITH BEYONCE>と題した限定4公演の最終公演を行なった。

◆ビヨンセ画像

当日は激しい雷雨に見舞われたが、初日からわずか1週間前の発表ながら、手の届くような至近距離でビヨンセが観られるという機会に、22秒で完売したというプレミア・チケットを獲得した熱心なファンが会場を埋め尽くし、ジェイ・Z、ポール・マッカートニー、レディー・ガガ、ニーヨやジェニファー・ハドソンなども会場を訪れた。

いつものように全員が女性というバンドに、ホーンやストリングスやハープ、そして指揮者も加えた総勢20人のオーケストラ編成をバックに、ゴールドのラメのミニドレスにハイヒールというシンプルな姿でビヨンセが登場。

「小さい頃はマイケル・ジャクソンに夢中だったの」と大歓声のオーディエンスに語りかけ、まずはマイケル・ジャクソンの「I Wanna Be Where You Are(ボクはキミのマスコット)」のカヴァーを披露。そこからはキャリアを振り返り、デスティニーズ・チャイルドで成功を掴むまでの紆余曲折を再現するコミカルな寸劇などを挟みながら、「ノー・ノー・ノー」「ビルズ・ビルズ・ビルズ」「セイ・マイ・ネーム」「インディペンデント・ウーマン」「ブーティリシャス」「サヴァイヴァー」の順で、既に何千回とパフォーマンスしてきた代表曲に慣れや古さを感じさせない新鮮さをもってデスチャ時代をおさらい。

続いては「ボニー&クライド03」「クレイジー・イン・ラヴ」「ドリームガールズ」「イレプレイスブル」「シングル・レディース(プット・ア・リング・オン・イット)」といったソロ・デビュー以降のヒット曲で、本人も「意識してそういう歌い方にした」というライブで聴かせる迫力の歌唱法で畳みかける。アリーナ級の特大ステージとセットをバックに、アクロバティックで息つく暇も無いステージングを見せてきたビヨンセが、観客からほんの20mもあるかないかぐらいの手の届くような距離で歌い、右に左に時にはピアノの上に飛び乗り踊るパフォーマンスを披露した。

そしていよいよ、「4」という数字にまつわる想いを語りながら今回の“4”公演の本題である、アルバム『4』収録曲のパフォーマンスを、収録順通りに「1+1」からスタート。1曲目から会場中が大合唱に包まれ、「アイ・ケア」「アイ・ミス・ユー」とバラードが続いたところで、現在ヘビーローテーション中のセカンド・シングル「ベスト・シング・アイ・ネヴァー・ハド」へ。シングル・カット曲だけに会場のボルテージが天井知らずの如く上がり続ける中、続く「ラザー・ダイ・ヤング」「スタート・オーヴァー」は、歌っているビヨンセ本人が誰よりも気持ち良さそうにパフォーマンス。そして次の「ラヴ・オン・トップ」ではその「快適さ=気持ちよさ」も全開となり、「10、9、8…」とボーイズIIメンの元ネタからの引用で始まる「カウントダウン」では、ライティング、ダンサーも交えた振り付け、20人編成という音の厚みに加えた視覚的ゴージャスさも含めたオーケストラの存在など、本格的なワールド・ツアーを予感させるスケールの大きもピークに。

続く「エンド・オブ・ミー」では、兵隊の行進のような低音と突き抜けるようなコーラスというドラマチックな対比と演出でも魅了し、そのまま息をつかせる暇もなく「ラン・ザ・ワールド(ガールズ)」へ。ダンサー200名以上が集結したビデオで見せたステップを、「シングル・レディース」でもお馴染みのバックダンサー達と共に初披露。会場中がそのステップを真似て「Who runs the world?」のコールに合わせて「Girls!」を絶叫。力強く攻撃的、そして複雑極まりないステップに大歓声が沸き起こった後、最後の「アイ・ワズ・ヒア」で、前の2曲での嵐のような盛り上がりを心地よく諌めて、この日のライブは終了した。

「世界中を旅して、ようやく自分が誰なのかわかった」とも本人がコメントしているように、キャリア上での新しい門出を迎える記念のアルバムとも言えるこの『4』を、ビヨンセを愛してやまないファン達の顔が見える距離でパフォーマンスすることは、今の彼女にとって必要不可欠な再確認のプロセスであり、ファンにとってもビヨンセ本人にとっても本当に特別な夜となったことだろう。

8月28日には、3部門でノミネートされている<MTV Video Music Awards>へ出演し、10月からはクリント・イーストウッド監督の映画『スター誕生』の撮影を行ない、2012年2月からは本格的なワールド・ツアーを予定している。

『4』
初回生産限定盤[2CD] \2,940 SICP3185-6
通常盤[1CD] \2,310 SICP3187
・デラックス盤限定特典: CD-EXTRA仕様(ビデオ収録)/限定ジャケット/ボーナスCD付
・豪華ブックレット&(初回のみ)ステッカー封入
・日本盤のみボーナス・トラック収録

◆ビヨンセ・オフィシャルサイト
◆ビヨンセ・オフィシャル・ツイッター
◆BARKS洋楽チャンネル
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