【BARKS編集部レビュー】フィッシャー・オーディオDBA-02 Mk2は、メンソールのような爽快感

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こと海外では高い評価のもと、安定した人気を保っていたFischer Audio(フィッシャー・オーディオ)のDBA-02は販売終了となってしまったが、DBA-02 Mk2として装いも新たに登場したのが、漆黒のこいつである。以前のモデルからはルックスこそ大きく趣を異にしたものの、バランスド・アーマチュアのデュアル・ドライブである基本構造は変わらず、高品質である点は引き続き期待を裏切らないところだ。

◆フィッシャー・オーディオDBA-02 Mk2画像

▲付属のハンガーは、刻まれた溝にきしめんケーブルがぴったりとはまる。ケーブルの遊びをどれくらい残してはめるかは、耳に合わせて調整を。私の場合は、遊びを残さずぴったりにはめてちょうどよかった。

▲ステムの太さは標準的なので、イヤーチップは汎用性がありそうだ。

▲左がDBA-02 Mk2、右がAurvana In-Ear3。サウンドの傾向は非常に似ているものの、DBA-02 Mk2のコンパクトさが非常に際立つ。女性でも問題なくフィットする大きさだ。

▲左がDBA-02 Mk2、右がGRADO iGi。おもわず一緒に撮影したくなるくらい素材の質感がそっくり。

▲立派で丈夫なパッケージには、ふんだんなイヤーチップ各種とキャリングケース、取説が付属する。

▲コンパクトなキャリングケース。丈夫で普段使いにちょうど良い大きさだが、イヤーハンガーをつけてしまうと入らないという、何とも微妙なもの。常に耳にひっかけておくのがデフォルトということか。

細かいスペックなどは一切明かされていないので不明だが、音を聞く限り搭載ドライバーは、knowlesのTWFK-30017で間違いないと思う。同じドライバーでもハウジングと音導管の設計や音響フィルターでトーンやバランスも大きく変わってくるのがイヤホンの面白いところだが、DBA-02 Mk2のサウンドは、パッと聴きそのクリアさに感動し、じっくり聞くと素直で忠実な音再生に感嘆し、聴き込んで耳に馴染んだ頃には、空気のように自然に馴染んだ音を出す、永遠の伴侶のような居心地の良さを醸し出す好モデルだ。

典型的なBAサウンドではあるので、暑苦しいようなダイナミック・ドライバーのサウンドに慣れた人や昨今の低域バシバシを期待する人にはとてもお薦めできないが、高域のきめ細やかと抜けるような爽やかさに魅力を感じる人であれば、初見できっと満足できるモデルだと思う。ハットのキレやライドの繊細さなど高域の表現力が特筆点で、透明感のあるサウンドがとてもすがすがしい。耳障りな歯擦音もきっちり制御されているので、音量を上げたときの耳に直接飛び込み元気よくはじけるサウンドが若々しくストレスがない。分離の良さもトップクラスだ。

DBA-02 Mk2のサウンドをキーワードとして拾い出すとすれば、「爽快感」「きめ細かい音の粒立ち」「鋭くキレのよい高域レスポンス」といったところか。低域も必要量十分に出ているので低域不足は感じないが、頭を揺らすようなダイナミクスや艶めかしさは期待するべきではない。濃厚なエロさではなく、タイトな誠実さこそが、DBA-02 Mk2の神髄だ。

全帯域にわたってウイークポイントがなく非常に基本に忠実で、奇をてらわずに実直に設計した結果だと思うが、大きな音を出さずとも、むしろ非常に小さい音でも心地よいバランスで疲れなく音楽に浸れるバランスで鳴ってくれる。音楽を常に鳴らしていたいという、真の音楽好きにこそお薦めしたい耳に優しいモデルのようだ。メンソールのような爽快感を感じてもらえればマストバイ。

なお、DBA-02 Mk2にはイヤーフックが付いており、これがなかなかの使い心地だった。IE8をはじめ、おまけのイヤーフックを活用したことはこれまでなかったのだけれど、これにセットすると耳への挿入角度と深さが安定するので、サウンドにブレが出ない。多めのケーブルのタッチノイズもこれによって大きく改善され実用的になる。イヤーフックを使わずとも、耳にケーブルをひっかけるいわゆるSHURE掛けが基本だが、ケーブルを下に垂らすような通常の使い方も問題なく可能だ。耳穴の形状にもよるところだけど、フィット感が弱まるとその分低域が逃げてしまうので、そこだけご注意を。

DBA-02 Mk2は全てが漆黒で、材質はゴムっぽいものとなった。ケーブルは細めのきしめんケーブルだが、多少癖が付きやすい。タッチノイズは乗るが、SHUREがけ、あるいはイヤーフック使用でノイズは軽減する。何故にこのようなゴム系材質でまとめてきたのかは謎だが、シンプルに質実剛健なイメージでカッコいいデザインというところだろうか。質感だけで言えば、GRADO iGiとそっくりだ。サイズやサウンドは全くの別物だけど…。

また、手持ちの2ドライバーモデルとしてAurvana In-Ear3との音質比較を試みたが、両者の基本トーンは非常に似通っている。ただ、やはり高域の伸びとキメのこまやかさにはDBA-02 Mk2の方に随分と分がある。ピリッと利いたクセになる絶妙なスパイスが、DBA-02 Mk2の魅力なのだと思う。

フィッシャー・オーディオって、さりげなくもピリリとへんちくりんで魅力ダダ漏れのモデルを唐突に出してくる魅惑のブランドだ。以前紹介したセラミックもゴキゲンなヘンタイ野郎だったし、実は、他にもウッドハウジングのJazz 977や、consonanceという名の低音野郎、レアウッドをハウジングに起用しまくって極彩色の超極上サウンドを垂れ流すヘッドホンFA-002Wや、手彫りの熊もびっくりのハンドクラフトOLDSKOOL 33 1/3など、愛らしくも魅力的なモデルが多数リリースされている。そんな中において、DBA-02 Mk2は極めて正当派で、どの角度から攻められても裏切らない律義さを持っている背筋の伸びたハイクオリティ・モデルだ。フィッシャー・オーディオらしいのか、らしくないのか、正統派を地で行く直球モデルだと思う。

すでに各ブランドのフラッグシップを持っているような方には不要な立ち位置かもしれないが、今後長年使い続けていきたい安心できるいいモノを探しているという人には、いの一番におススメしたいバランスド・アーマチュア・モデルとしてご注目頂きたい。

Fischer Audio DBA-02 Mk2
オンラインショップ:19,800円(税込)
・型式:バランスド・アーマチュア型
・出力音圧レベル:108dBmW
・再生周波数:20~24,000Hz
・最大入力:60mW
・インピーダンス:43Ω
・プラグ:φ3.5金メッキステレオミニ
・コード:1.3m

◆Fischer Audio DBA-02 Mk2オフィシャルサイト

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