8月17日(金)、超満員のSHIBUYA-AXは開演前から、すべてのバンドを楽しみ尽くそうという熱気に満ちていた。Angelo初の主催イベント<Angelo presents THE INTERSECTION OF DOGMA>。出演バンドは、MERRY、Sadie、ギルガメッシュ、lynch.。すべてキリト自身が声をかけて実現したラインナップだ。

◆<Angelo presents THE INTERSECTION OF DOGMA>画像

17時30分。客電が落ち、スクリーンには“七つの大罪”をモチーフにした映像が流れ、Pride(傲慢)、Envy(嫉妬)、Sloth(怠惰)、Wrath(憤怒)などのワードが浮かびあがり、戦争、独裁、テロなど長い歴史の中で人間が犯してきた罪を思わせるシーンが次々と映し出され、トップバッター“MERRY”の文字が大映しになり大歓声!

蛇を思わせるオブジェが巻き付く十字架とギロチンが背後に置かれたセットにMERRYの5人が登場し、ガラ(Vo)がその場で「MERRYはじめます」と書いた習字を見せ、「不均衡キネマ」で、見世物小屋的ショーの始まり、始まり。黒いウサギのかぶりものに拡声器を持って叫ぶ「演説-シュールレアリズム-」などアクが強いバクハツ的パフォーマンスと一触即発の緊張感のある演奏でAXの空気を一気にさらっていく。ガラは墨汁を口に含んで吐き出し、渾身のドラムを叩き終わったネロが「クレイジーなイベント、楽しんでいってください」と締めた。

狂乱の一夜を結びつけるように転換時には必ず映像が流れ、続いて登場したのはSadie。一発目からライヴ定番のヘヴィチューン「迷彩」をかまし、ヘドバンで盛り上がる中、最新シングル「METEOR」を披露。煽り曲を連発し、真緒(Vo)は「オレの居場所はここだ!! オマエたちの居場所はここだ!!」とシャウト。アグレッシブなパフォーマンスと共に自らの存在を焼きつけた。

Tシャツにジーンズというカジュアルなスタイルでヴォーカルの左迅がジャンプしながらステージに飛び出し、躍動感とキレのある演奏、自由奔放なステージングで、次第にAXを魅了していったのはギルガメッシュだ。コール&レスポンスで盛り上げ、最新シングル「絶頂BANG!!」ではギターの弐がイントロのコーラス部分でお立ち台にのぼり、振り付けを伝授。ヘヴィロック、ロックンロール、パンクなど様々なエッセンスを独自の味付けで料理した解放感のあるライヴで楽しませた。

幕が開くとすでにメンバーがスタンバイしているオープニングから大歓声が上がったのはlynch.。1曲目は「LAST NITE」。ほとんどメンバーが立ち位置から動かずに歌い、演奏するにも関わらず、オーディエンスを釘付けにする堂々とした佇まいだ。内側から熱を放出させるダイナミックなライヴでテンションをどんどんアゲていく。「渋谷! 暴れに来たんだろ? 俺もだぜ!」と煽った高速ヘヴィチューンでは葉月がドラム台の上にのぼり、熱狂の渦。代表曲のひとつ「ADORE」でその一体感はクライマックスに達し、最後はマイクを叩き付け、完全燃焼。

そして時計の針が21時に近づいた頃、再び、幕が上がり、待ちに待ったAngeloが姿をあらわすと、どよめきと怒濤の歓声。“楽園”を求めて彷徨う「EDEN」に始まり、新曲「RIP」でキリトがマイクスタンドを激しく叩きつけ、Karyu(G)とギル(G)がポジションを入れ替わり、AXは興奮のるつぼと化していく。TAKEO(Dr)とKOHTA(B)の鉄壁のリズム隊はAngeloのグルーヴを支配し、華とエッジを兼ね備えたツインギターの絡みが希代のパフォーマー、キリトの世界観をときにモノクロームにときに鮮やかに彩っていく。楽曲のメッセージは映像とリンクし、アダムとイブも涙する審判の日を思わせる「the Crime to Cradle」は圧巻だった。

「中にはAngeloのことを知らない人もいると思うので、あらためて自己紹介します。名前は前から出てますが、年齢は若いです。世代的にはギルガメッシュぐらいということで(笑)」と笑わせ、場面をガラリと変えるように甘美なメロディの「CHAOTIC BELL」を披露。本編6曲で引き出しの多さ、アプローチの多彩さをも見せつけた。

そして客電がついた直後から大アンコール。再び登場したAngeloは、「主催者とは言え、余分に演奏するのは気がひけるので(全バンド持ち時間は30分)」(キリト)と言い、11月14日にニュー・アルバムが発売されること、11月27、28日の赤坂BLITZを皮切りにツアーがスタートすることを発表。「来てくれたみなさんに感謝の気持ちを込めて爽やかに終わりたい」という発言を予想どおり(?)裏切り、アンコールはマイクスタンドを叩きつけ、暴れ倒した「SCRAP」。

セッションはいっさいやらずに終わったのもAngelo主催のイベントらしいし、すべてのバンドが先輩に臆することなく、限られた時間の中で自分たちのカラーを叩きつけ勝負していたのも清々しかった。シリーズ化することを期待したい。

取材・文●山本弘子

◆Angelo オフィシャル・サイト