【インタビュー】小林太郎、2年前からやりたかったことが2年越しでようやくできたアルバムが完成

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■イメージ通りのものができたけど嬉しくはない
■ようやく重い荷物を下ろせたっていう感じ

――後半にはそういう「唄いたい」流れがありますね。「愛のうた」「星わたり」とか。

小林:こういうのがあるからこそ、ゴリゴリのものはそっちに振り切れたのかもしれないですね。グランジ方面に行こうとするとローファイになりすぎて派手じゃなくなるので、ライヴ映えしなくなってくるじゃないですか。逆にメタルの方向って行き過ぎないとライヴ映えするんです。そこは行き過ぎずバランス良く織り交ぜたいというのはあったので。一番は俺がやってて楽しくて、見ているほうも楽しいのが一番だから、ロック系はそういう面で貫けたと思っています。だからこそ、歌モノはこういう感じで振り切れた。

――ライヴでもメリハリつけられそうですね。

小林:メタル的な曲でシャウトしたあと歌モノっていう切り替えができるかどうかが問題ですね(笑)。ライヴは大変そうだなぁ。

――ギターも何本も重なっているし。

小林:そうそうそう(笑)。レコーディングのときにライヴで再現できるかどうかは考えてませんからねぇ。逆にライヴアレンジとか考えるのも楽しそうですけどね。そういう意味で、ギターを弾いている人にとっても、今作はかなり聴き応えがあると思いますよ。

――「星わたり」はアコギ弾き語りとかでも良さそうだしね。

小林:そうですね。そういう曲なら歌を聴かせる曲になるから、芯となる歌詞をしっかり作らなきゃならないなぁと思って作ったし、そういうことは今作ではちゃんとできているかなぁと思います。でも、実はこの「星わたり」は、今までリリースしてきた中でも一番最初にできた曲なんですよ。4年前、上京する直前に書いた曲。上京する直前って期待と不安があるじゃないですか。そのときにGoing Steadyの「銀河鉄道の夜」を聴いたんですけど、「こんな曲が俺にも作れないだろうか」って思ったんです。そんなこと滅多にないのに。だから、他の曲が、無意識に自分をさらけ出そうって曲ならば、この曲はちょっと違うんですよね。自分の深層心理とかじゃなく、そのときの自分の気持ち。故郷を離れたことがある人なら、誰でも感じるような気持ちだと思うし、そのときの年代の気持ちであり、それを曲にしたかったんです。その当時に作ったものを、今回はそのまま録り直したって感じなんですよ。

――へぇ~。この流れで聴いても4年前に作った曲っていう感じはしないですよね。

小林:これを作ったときは、これからも自分は変わらないで良い気がするって思ってたんですよね。洗練されるっていうのはいいんですが、方向はずっとこのまま、変わらないでいい。洗練されてないから、ハッキリは見えないけど、芯や足下に流れている川のような部分はこのままで良い気がするって思ってたんです。今の自分を考えると、その頃と何も変わってないなって思うんです。「星わたり」を書いた自分が階段の一段目にいるとしたら、今の自分はその同じ階段の三段目くらいで、階段自体は変わってない。4年前の曲をそのままできたってことは、そのままで良かったってことだから、それが答えですよね。何も変わっていないということが、4年前の自分に対しての答えなのかなって嬉しくなったんです。だからこうやって、昔の曲をそのまま入れても違和感にならなかった。

――感慨深いね。重要な一曲だ。

小林:そうなんですよ。いつ入れるか迷いましたからね。やっと入れられました。君たちは知らないだろうけど、「星わたり」っていうすごく良い曲があるから、いつか入れるからって心の中で思ってたんですよ。それがやっと形になって良かったなぁと思いました。付き合いの長かった曲です。

――今作ができてみてどうですか。

小林:2年前からこれをやりたかったんですが、2年越しでようやくできたっていう感じですね(笑)。イメージ通りのものができたのが初めてだった。ただイメージ通りにできたことで開放感はあるけど、嬉しくはないんです。2年間、コネコネしてたものがやっと完成したわけだから、「疲れた!」って感じ。ようやく重い荷物を下ろせた。これが受け入れられれば嬉しいけど、今は気だけ抜けてるって感じですね(笑)。

取材・文●大橋美貴子

『tremolo』
1月16日(水)リリース
KICS-1859 \2,800(tax in)
1.frontier
2.答えを消していけ
3.艶花
4.目眩
5.饒舌~interlude
6.ナユタ
7.輪舞曲
8.INDUSTRIALLADY
9.愛のうた
10.星わたり

<TOUR2013“tremolo”>
2013年3月2日(土) 大阪 / 梅田Shangri-La
2013年3月3日(日) 名古屋 / ell.FITS ALL
2013年3月9日(土) 東京 / 渋谷CLUB QUATTRO

<VS Short Tour>
2013年1月16日(水) 埼玉 / 西川口Hearts (GUEST:another sunnyday)
2013年1月18日(金) 千葉 / 千葉LOOK (GUEST:THE NAMPA BOYS / BLUE ENCOUNT)
2013年1月19日(土) 東京 / 八王子RIPS (GUEST:UNCHAIN)

<NEW TOWER GENERATION 2013~SPECIAL~>
2013年1月31日(木) 名古屋アポロシアター (w/ザ・ビートモーターズ)
2013年2月1日(金) タワーレコード渋谷店B1F『CUTUP STUDIO』 (w/カラーボトル)
2013年2月8日(金) 心斎橋LIVE HOUSE Pangea (w/カラーボトル)


◆小林太郎 オフィシャルサイト

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