【インタビュー】ナオト・インティライミ「“なんかわかんないけどこの瞬間を逃すな!”っていう感覚をキャッチする、“Catch the moment”精神が大事」

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■直感が働いてるときはちゃんと素直にその直感に従う。
■そこでいろんなものが奇跡的に開けてくというのはまぎれもない事実だから


――じゃあ、制作の間に旅に行ってなければ、こういうアルバムには…。

ナオト:なってない、なってない! 旅してると本当にどんどん感性が研ぎすまされていくから、いいものはいいし、違和感を感じるところには絶対何か面白いことがあるって思うようになってくる。そういうのは間違いなく旅の感性ですよ。普段の生活では、ちょっとだけ気になったことはないがしろにしがちでしょ? “気になるけどまぁいいや、そんなことより早く寝なきゃ”って自分のステータスをまっとうすることのほうが多いでしょ?

――うん、うん。まさに。

ナオト:でも旅をしているとそうならない。これは実際にあったことなんですけど、旅の途中に何だか気になるレストランがあって入ろうとしたら、なかなか入れなかったんですよ。でも入れるまで待って、ようやく入ることができたんですね。で、そこで話しかけたヤツがたまたまミュージシャンで、そいつの家に遊びに行ったら、セッションしていくうちにどんどん仲良くなって、寝泊まりさせてもらうまでの仲になった。後から思うと、“何か気になる”っていう感性をないがしろにしていたら、レストランに入れるまで待たなかったし、その出会いはなかった。何かわからないけど気になる、それが直感ですからね。旅ってその連続なの。なんかわかんないけど“今だ!”っていう直感。それが“Catch the moment”精神にもつながるんですよね。

――今回のアルバムタイトルに使ったフレーズですね。

ナオト:“なんかわかんないけどこの瞬間を逃すな”っていう感覚をキャッチしていくことが大事で。それをやることでいろんなことが起きていくってことをこれまでの旅の経験上でわかってるんですよ。なんかわかんないけどっていう直感が働いてるときはちゃんと素直にその直感に従う。そこでいろんなものが奇跡的に開けてくというのはまぎれもない事実だから。そういうものがこのアルバムにはたくさん詰まってるんですよね。“なんかわかんないけど、こっちのメロディーのほうがいいんだもん”とかね。

■今回のツアーは“移動式パワースポット”にしたい。
■みんなと楽しい空間を共有できる場所を用意したいです。


――あちこちで“Catch the momen”してると! 今回のアルバムはクリエイティブさをとても感じたのですが、ナイト・インティライミはシンガーであり、コンポーザーでもあり、サウンドクリエーターでもあり、プロデューサーでもある?

ナオト:“なんだチミは!”ってことでしょ? ……いや、シンガーっていうと恥ずかしいかな。歌がうまい人とかたくさんいますから。俺は音楽周りをまとめてでしか戦えない。シンガーだけじゃあキツいな。ものすごい感覚的であれやっちゃこれやっちゃえ! っていうような野性的なナオトがいるかと思えば、ミックスで1曲に対して300ぐらいのオーダーをエンジニアに出しちゃうプロデューサーマインドなナオトもいて。その両方があってのナオトなんですよ。1ヵ月ぐらいこもって思う存分曲作りやりたいと思うオタッキーな自分もいれば、毎日オマットゥリ野郎で10日間ぶち抜きでライブやりたいと思ってる自分もいる。その両極端な2人が遠くないところにいるのが俺かな、と。

――全国ツアーも始まりますが、どんなステージになりますか?

ナオト:俺のライブは、“俺の歌を、メッセージを聞け”っていうよりは、いかにお客さんと一緒に最高の空間を作っていくかってことを大切にしているんです。だから、完全なるお客さんとの共同作業。“今日どうする? みんなどうしたい感じ? なるほど! 踊りたいのか”ってその場所に応じて。だからまさにライブ。今回のツアーは“移動式パワースポット”にしたい。いいことばかりじゃないでしょ、人生って。でもここに来たら一瞬だけでも音楽だけに浸れる、みんなと楽しい空間を共有できる場所を用意したいです。

――そして7月10日、ナオトの日には日本武道館ライヴも開催されますが。

ナオト:2年半ぶりに聖地に戻ってくるのでね、もちろん最高の1日にしたいなと思います!

◆インタビュー“こぼれ話”へ
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