【インタビュー】YOSHIKI、青い血と美しきメロディに刺を忍ばせて

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──グラミーミュジアムでのライブイベントではソーシャルからリクエストを受けていましたが、いかがでしたか?

YOSHIKI:やはり「ART OF LIFE」が多かったのが不思議でしたね。

──「ART OF LIFE」全部やれと(笑)。

YOSHIKI:んな無理に決まっているじゃないですか(笑)。もともと「ART OF LIFE」という曲は、CBSソニーにいた時に、TV出演とかラジオ・オンエアーを考えてもっと短い曲を作ったほうがいいという状況下で、自分の中の反発や色んな意味を含めて書いた30分の曲だったんですね。それが今、こういう形で世界で需要を得ているというのがすごく嬉しい反面、不思議。「そうなんだ…あの曲というのは今この時代に世界中の人達の心を打っているんだ」というのがね。グラミーミュジアムでも「ART OF LIFE」の一部をサンプリングしてプレイする試みを演ったんですけど、「ART OF LIFE」へのリクエストはとても興味深かったですね。

──「ART OF LIFE」に埋め込まれた反骨精神…そのパンキッシュな精神性に、人の気持ちが刺激されたり揺り動かされたりするのではないでしょうか。

YOSHIKI:もともと自分自身が激動の少年時代を過ごしてきた…というか、父親を亡くしたときとか暗闇の中を突っ走っていて、行き場を無くした時にたまたまロックに出会った。それまではクラシックしかやっていなかったけど、そのロックに負のエネルギーを全てぶつけた。それがプラスのエネルギーに変わったという。

──ええ。

YOSHIKI:普通の人間がドラムを投げたり叫んだりしていたら、捕まりますよね(笑)。

──まさかYOSHIKIの口から、そんなセリフを聞くとは(笑)。

YOSHIKI:ステージでそういうことをやっているから、それがショーになり人に感動を与えることができて…という、そのようにして本当に音楽に救われたんです。もともと僕は、決して穏やかな少年ではなかった。内向的にも外に対しても尖ってしまっていた。当時は“いつ死ねばいいんだろう”と、死ぬ機会を探していたみたいな少年だったんで。少年と言ってもそのままおとなになっちゃったんですけどね。でもロックと出会って、時には大きな行事の主題歌も書かせていただいて、音楽に救われてきた。それでもやっぱり、どっかに僕は刺を持っている。どんなきれいなメロディでも刺がある。その刺が、その世界中のそういう人たちに、何か悲しみを持っている人たちに刺さるんじゃないかとは思ったりもします。単純にきれいなメロディを提供しているのでもなく、ノリやすいポップを提供しているんじゃなくて、どこかそのメロディの中に刺が入っていて、ね。

──音楽に救われたと言えば、今回石巻市に行ったんですよね?

YOSHIKI:もともと行きたかったんです。チャリティはライフワークのようにやっているんです。僕が自分がそういう少年だったんで、傷を負ってしまった子どもたちを支えたい。でも今回行って思ったのは、それを支える人たちもが強くなくてはいけないんだなということだった。子どもたちだけではなく先生たちとも今回色んな話をしたんですけど、彼らがいてくれることで、はじめて子どもたちも頑張れるんだなと。

──大切なポイントですね。

YOSHIKI:どれだけ復興しているのかも気になっていたんですけど、市長さんの話では本当の復興は10年20年かかると。心に負った傷はこれからまだまだかかる、これからが本当の勝負だと。まだ仮設住宅に住んでる人もすごく多い。災害が発生したときは多くの注目を集めますけど、2年後でも3年後でも、僕らのような立場の人間が被災地の現実を伝えていく責任があるとも思っています。自分が行ったことで何ができるか自分でも模索中ですけど、その状況を目で見てメディアを通して「まだいろんな支援が必要なんですよ」と訴えることができることも含めて、長いスタンスで続けなければいけないと思っています。

──話してくれてありがとうございます。

YOSHIKI:チャリティーって、支援する側も強くなければいけないんです。それぞれの人がそれぞれの出来る範囲でやっていけばいいと思うし、無理して自分のすべてを投げ出してやる必要はない。僕は音楽家として自分のできる範囲で自分のできるペースで、今回このタイミングで、行ってきたということです。

──その言葉をそのまま記載しますね。

YOSHIKI:保育園、小学校、中学校と回ってきたんですが、場所によっては3割の人が被災してしまっている中で、こっちが逆に勇気をもらったりしました。中学校に行くと男性がサインを求めてくるんです。X JAPANって昔から男性ファンって多いんですよね。こんな格好してますけど、とてもそれが嬉しかった。先生が「いつも突っ張っている生徒がYOSHIKIさんのサインをもらっていてびっくりしました」とかね。なにか同じ匂いを感じだんじゃないでしょうかとかね、その辺りも興味深かった。

──痛みは味わった者にしか分からないからね。

YOSHIKI:今回、東京オリンピック開催決定で日本が明るくなっていって欲しいですし、そんな中でケアしなくてはいけないところに被災地の問題がありますから、そういう部分で自分が少しでも力になれればいいと思っていますし、是非『YOSHIKI CLASSICAL』も聞いてみてください。心に触れるメロディがいっぱい入っていると思います。

取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也

『YOSHIKI CLASSICAL』
2013年9月25日(水)発売
WPCL-11616 (CD)\3,150(税込)
1.Miracle
2.Seize The Light (Classical Version)
3.Golden Globe Theme
4.Tears (Classical Version)
5.Red Christmas (Classical Version)
6.Rosa (Classical Version)
7.Anniversary
8.Forever Love (Classical Version)
9.I'll Be Your Love (Classical Version)
10.Amethyst
11.Golden Globe Theme (Quartet Version)

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