【インタビュー】ZIGZO、ひねくれロッカーたちが放つストレート球「惰性じゃないことを示すべき時」

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◆15年後にまたRECできて、ライブでは相変わらずみなさん喜んでくれる。
ありがたいですよね。幸せな子だな、この子はって思います


――なるほど。では、収録曲について何曲かお話を聞かせて下さい。まずは「空飛ぶピアニスト」。夢があってすごく素敵な歌詞です。

高野:これは俺もいいなと思いました。ん? これ……俺が書いたんだっけ?

――そうですよ!

高野:すいません。照れです(笑)。

――歌詞に出てくる“アスリート パイロット 大好きな先生”、ここもいいです。キュンときますよ。

高野:ここは野球選手とかロックスターとかいっぱい書いたんですけど結果こうなりました。小学生ぐらいの夢ですよね。でも、今の子供って、高校生ぐらいになると将来の夢に公務員とかキャバ嬢って書くんですよ? 夢がねぇなと。夢を持つのって小学生までなんですかね? あっ、でもね、これはうちの近所のスーパーであった話なんだけど。七夕のときに小学生の子供たちが書いた短冊が飾ってあったんですね、それを見たら「パイロットになりたかった」と書いてあって。

――小学生にして夢が“過去形”(笑)。

高野:そう! 俺もぉびっくりして、声に出して笑っちゃた。この子に何があったんだろうって(笑)。

――「オレンジ」はすっごい甘酸っぱいポップチューンに振りきった曲でしたが。

高野:すっごいポップだからセックスの歌でも歌っとくかって(笑)。

――甘酸っぱい恋心の抱いたときの歌じゃないんですか?

高野:そっちにとってもいいし、ドスケベなほうにとってもいいし。

――ドスケベといえば「君をいつまでも」は、どちらかと言うとそっち方面ですか?

高野:でいいです! でも、ディレクターはこの歌詞見て「お前、サザンとかTUBEを狙ってるのか?」って言われました。そういう“シャツを脱ぐ”じゃないよってね(笑)。

――「少年の足跡」と「FOREVER YOUNG」は世界観がつながるような2曲でしたね。

高野:そうですね。「FOREVER YOUNG」はこの中で一番最初にあった曲です。実は、前作の「衝動」の曲出しのときにはあった曲で。そのときに俺が「すごく気に入っているから次のアルバムにとっておきたい。なんならアルバムのタイトルもこれでいい」って、何も考えずに言っていたんですよ。で、今回曲が揃って、リード曲の候補としてディレクターは「少年の足跡」と「B型ゆえのラブソング」推しだったんです。そのときは俺はどっちでもよくて、「でも、アルバムに「FOREVER YOUNG」は絶対に入れるね」とだけ言っていたんですね。それからレコーディングしながらも「やっぱ「FOREVER YOUNG」いいわー」ってディレクターに何回も何回もつぶやいていたら、最終的には「負けた」って「FOREVER YOUNG」がリード曲になりました(笑)。だから素直な作業をやる以前にあった曲がリード曲になり、アルバムタイトルにもなったんですよね。不思議なことに。

――でも、新しく作った曲と並べて聞いても全然違和感ないんですよね。

高野:ってことは、結局ディレクターはなんも仕事してなかったってことだ!!

――そのオチはやめてー(笑)。

高野:自分のなかのカーブじゃなくストレート球で勝負するっていう部分が、アルバム制作前から出ていて「FOREVER YOUNG」ができた。それを聴いて、ディレクターも俺もそっちにシフトしていったのかもしれないですね。

――それですよ、それ! そして、このアルバムで注目なのは「ひまわり」のセルフカバーだと思うんですが。

高野:これはスタッフのアイデアです。デビュー15周年、デビュー日に発売になるアルバムだから記念になることをやろうよってことで。どこいっても言われるんですよね。ZIGZOといえばこの曲って。

――代表曲ですからね。今さらなんですけど。この曲ができた経緯とか覚えてます?

高野:それ以前は自分で作曲というのはしていなくて。メンバーの作ったギターリフとかに僕がメロディーを乗せて歌詞を書く、というパターンでバンドをやってたんです。それで、自分で作詞、作曲をし出して、2曲目か3曲目にできた曲なんですよね。最初に作ったのがインストで、2曲目、3曲目が「ひまわり」か「何から何まで」なんですよ。そのときから「ひまわり」は絶対いいと自分でも思っていて。当時、nilというバンドをすでにやっていて、そのときのメンバーに聴かせたときも「いい」っていってくれたんですね。そこからゼロから曲を生むことに対して自信を持てた。という曲なんで、その曲を15年後にまたRECできて、ライブでは相変わらずみなさん喜んでくれる。ありがたいですよね。幸せな子だな、この子はって思います。

◆今回って、弁当屋でアルバイトしてた頃のぶわーって曲が出てくる
感じに近いんですよ。そしてそれは今も続いていて


――この子はサビメロも言葉もこねくりまわしてないですよね?

高野:俺も今それ考えたんですけど、してないです。すら~っと出てきた。ここからいっぱい曲を書き出したんですよね。自動書記のように曲がすらすら出てきて仕方がなかったんです。当時弁当屋さんでアルバイトしていたんですけど。バイクで弁当配達中にも曲が出てくるから、配達中に家に寄って、MTRで曲録音して。「すいませーん、道迷っちゃって」って配達に戻ってました(一同笑)。だけど、それがあるとき出尽くしたんでしょうね。出尽くしたし、気づいたら「これ、2周目にきてるな」と思ったんです。

――それがいつ頃ですか?

高野:ZIGZO解散したときかな。メロディー作っていて呼ばれていく先が「これ、あの曲のパターンを自分でコピーしようとしているな」って思った。

――なるほど! 哲さんがBだCだDだってパターンを探すようになったきっかけは、そういうところにあったんですね。

高野:そうです。それと、普通にやってもつまんないからっていうもともとの俺のひねくれ根性が相まって。

――それで出し尽くしたからこそ、今回の制作パターンがあったのかもしれないですね。

高野:そうかも! しかも今回って、弁当屋でアルバイトしてた頃のぶわーって曲が出てくる感じに近いんですよ。そしてそれは今もそれが続いてて。ZIGZOが今の状態に振り切れたことによって、インディーズ電力は置いといて、他にやってるnilと THE JUNJULYAUGUST。こっちもその相乗効果でよりnilはあっけらかんとした方向、THE JUNJULYAUGUSTは暗い方向に振り切れててヤバいんです。俺、今面白いぞと。

――高野哲キテるぞ、と。売れちゃうぞと。

高野:売れ……売れ……これだけ宝くじ売ってるんだからどれか当たれ!!(一同爆笑)

――では、そのなかでもZIGZOに対して、哲さんは今どんな夢を描いてるんでしょうか。

高野:あと契約1年延期?

――わー、夢がないです(苦笑)。

高野:健全に武道館とか狙いたいですね。

――先にそれ言ってください(笑)。すごくいいじゃないですか! 武道館にZIGZOが立って、バックに“FOREVER YOUNG”って文字が浮かび上がる絵を想像しちゃいました。

高野:“FOREVER YOUNG”っていう電飾でね。予算がなかったら(同じディレクターが担当していた)THE YELLOW MONKEYから借りてくるか。で、「あ! 間違えました」って。

――わざわざ武道館でそんな壮大なコントみたいなことを(笑)。では最後にこれを読んでいる皆さんにメッセージを。

高野:ロックなオッサンとして、これまでダメな大人。俺、そういうつもりでいままで生きてきたんですけど。今回のアルバムは“いいロックな大人”の方かなって感じがします。なんで、ぜひ1人100枚買って頂いて、ぜひ僕を武道館のセンターに立たせて下さいと(笑)。その前に10月にライブがあるので、そこではアルバムの曲たちをギターなしで歌う……かも。それぐらい歌に集中したくなるようなアルバムが出来たので、ぜひライブを見に来てください。

インタビュー&文◎東條祥恵


<ZIGZO LIVE TOUR 2014 “FOREVER YOUNG”>
10月20日(月) 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
10月21日(火) 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
12月1日(月) 大阪 梅田Shangri-La
12月2日(火) 名古屋Electric Lady Land
<ZIGZO 15th Anniversary Live Vol.1 “All Those Years Ago”>
11月17日(月) 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
11月18日(火) 東京 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
チケット料金
東京公演:全席指定・前売:¥5,000-税込 ドリンク代別
大阪、名古屋公演:全立見 前売:¥5,000-税込 ドリンク代別
オフィシャルHP先行有り
■東京4公演
受付URL:http://l-tike.com/zigzo-ohp/ (PC・携帯共通)
受付期間: 6月30日(月)12:00~7月13日(日)23:59
■大阪名古屋公演)
受付URL:http://l-tike.com/zigzo-hp2014/ (PC・携帯共通)
受付期間: 7月14日(月)19:00~7月27日(日)23:59
■チケット一般発売日 2014年9月20日(土)
イープラス http://eplus.jp/
チケットぴあ 0570-02-9999 http://t.pia.jp/
10月東京公演 (Pコード:237-591)
11月東京公演 (Pコード:237-592)
大阪公演 (Pコード:237-568)
名古屋公演 (Pコード:237-008)
ローソンチケット 0570-084-003 http://l-tike.com/
10月東京公演 (Lコード:75393)
11月東京公演 (Lコード:75394)
大阪公演 (Lコード:56043)
名古屋公演 (Lコード:41381)

New Album
『FOREVER YOUNG』
2014年7月1日発売
CRCP-40380 ¥2,857+税
1.渦
2.少年の足跡
3.B型ゆえのLOVE SONG
4.君をいつまでも
5.空飛ぶピアニスト
6.My Sweet Shame
7.オレンジ
8.夜明け前の色
9.しわくちゃな夢
10.FOREVER YOUNG
11.ひまわり(15th Anniversary ~New Recording Version)

■ニコニコ生放送 配信情報
『ZIGZO 15周年 NEWアルバム「FOREVER YOUNG」発売記念 映像特番』
7月1日(火)21:00~
URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv184091691
21:00~22:00 Music Video
22:00~23:00 ライブ映像「ZIGZO BEYOND THE MOMENT」

◆ZIGZO オフィシャルサイト
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