【インタビュー】minus(-)、1stミニアルバム『D』完成「絶望しかなかった」

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minus(-)が10月22日、1stミニアルバム『D』をリリースする。同ユニットは、多感な10代のときに出会い、後に当時のロック/ダンスシーンに衝撃を与えたSOFT BALLETを結成、才気あふれる個性を持つアーティスト同士なだけに衝突することも多かった藤井麻輝と森岡賢が2014年に始動させたものだ。同年5月に行なわれた初ライブをはじめ、yukihiro(acid android 、L'Arc~en~Ciel)主催イベント出演などを経て、ついに作品がリリースされる。

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なぜ、2人は再び出会い、共に新しい音楽を生み出すことになったのか。運命のような計り知れない不思議な意志が作用したとしか思えないほど、藤井と森岡のベクトルは音楽の中でひとつに溶け合っている。森岡は新作を「極上のアンビエントミュージック」と表現し、藤井は「ジャンル分けができない全く新しい形のアンビエント」と定義した。そして、彼らが鳴らす音には浄化作用があり、コンクリートの風景にも自然が広がる景色にも滲んで広がっていくような静かなエナジーが渦巻いている。

■野望めいたものではなく、単純に18歳とか17歳で会ったときに
■リスペクトした音楽を大事にしてやればいいんじゃない?って

──まず、minus(-)結成のいきさつから教えてください。

森岡:最初は藤井くんのほうから連絡があって、2人でお茶をしながら、一緒にやろうかって。

藤井:それが今年の3月ぐらいですね。

──藤井さんは震災以降、建築関係の仕事に就かれていたということですが、どんな気持ちの推移があって、森岡さんに声をかけたんですか?

藤井:それまで音楽に対しては絶望しかなかったんです。でもある時に、今、プロデュースしているLiiles and Remainsの曲を聴いて“音楽っていいな"と再度思ったという。僕をひきずり出してくれた方もいたりするんですけど、自分個人としてもライブを演ってみたいと思ったときに、最初に頭に浮かんだのが森岡賢だったので、すぐに連絡をとって。

──「絶望しかなかった」というのは、藤井さん自身やりたいことがなくなってしまったからですか?

藤井:いや、そうじゃなくて。僕は音楽を作るときは自分の肉を剥いで骨を削るくらいの気持ちなので。そうやって作ったものがベルトコンベア的に流れて消えていってしまうことへの絶望ですかね。いいと思うものをリリースしても、それが消化される前に次の作品を出さなければならないという繰り返し。“なんでもっと1曲1曲を愛してくれないの?"という葛藤が5~6年前からありました。

──音楽を作ることではなく、環境や消費されることへの絶望。

藤井:TVから流れてくるものや、コンビニ等で垂れ流されてくる曲に感動を覚えることがあまりにもなさすぎて、音楽全般が嫌いになっていたんです。そんな理由でSUILEN(睡蓮)のリリース関係も一旦中止にしていて。

──ということは、月日を経て、藤井さんの中の何かが呼び起こされたんですよね?

藤井:そうですね。Liiles and Remainsを聴いたときには“こういう音楽を、今、やろうとしてる人がいるんだ"と思ったし、それは自分の中で大きかったですね。

──森岡さんは藤井さんから突然連絡が来たときに、どういうふうに感じたんですか?

森岡:僕は実はSOFT BALLETをまたやりたかったので、藤井と遠藤に電話してたんですよ。でも、2人とも連絡がとれなくて。あきらめていたところに急に連絡がきて、何十年ぶりかに藤井と会ったという。

藤井:ははは、何十年って(笑)。2004年まで閉経したバンド(2002年に一時的にSOFT BALLETを再結成)をやってたから大体10年ぶりだよね。

森岡:そうか。話をしたら、藤井がminus(-)のビジョンを強く持っていたので、今回は僕がそこに乗っかるカタチで始まったんです。僕自身はそのとき低迷期だったので。

──低迷とは、音楽の方向性に迷っていた時期だった?

森岡:いろいろな部分で悩んでたんですよね。

藤井:最初に会ったときは、そんなにたいした話はしてないんですよ。とにかく「ピアノはマストだから」っていう話と、「スランプとか関係ないから思いついたものを送ってくれたら、ちゃんと仕上げるから」という話。彼から出てくるものがどんな素材であれ、構築するって考えてましたね。

──資料によると“SOFT BALLET結成前、森岡さんに初めて会ったときの衝撃をカタチにしようと思った"ということですが。

藤井:ただ、それは野望めいたものではなく、単純に18歳とか17歳で会ったときにリスペクトした音楽を大事にしてやればいいんじゃない?っていう。

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