【ライヴレポート】J、赤坂BLITZ 5DAYS第三夜に史上初の“ベースを弾かないJ”

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三番目の夜も、やはり灼熱だった。もちろん赤坂BLITZで連日開催中のJの五夜公演、『J 2014 SPECIAL LIVE AKASAKA BLITZ 5DAYS –LIKE A FIRE WHEEL-』の話である。

◆<J 2014 SPECIAL LIVE AKASAKA BLITZ 5DAYS –LIKE A FIRE WHEEL-> 拡大画像

11月23日、定刻の17時に場内が暗転すると、まずステージ上に現れたのはTOTAL FAT。ピアノのSEが響くなか、Shunが「赤坂、盛り上がっていきましょう! はじめまして、TOTAL FATです!」と叫ぶが、フロアには明らかに“はじめまして”ではない者たちの姿もたくさんある。1曲目の「Room45」が始まった瞬間から、楽曲展開にしっかりと呼応しながら大多数の観客がジャンプし、ステップを踏む。しかも、アッケラカンとしているようでいてどこかセンチメンタルな匂いの伴う彼らのサウンドには、初めてそれに触れた者たちをも同調させていく力がある。そう、誰もがパーティを楽しみに来ているのだから、このパーティ野郎どもの演奏が響かないはずがない。祭囃子を思わせるビートの「夏のトカゲ」では、メンバーたちの先導により“タオル回し”が伝染し、続く「PARTY PARTY」ではJoseのレクチャーに従って合唱が起こり、いっそうの一体感が場内を包んでいく。途中、Shunは「14歳で初めて買ったベースがJモデルでした」とカミングアウトし、「夢がひとつかなった日。ひとつでも響いたものがあったら俺たちのライヴに来てくれ!」と客席に呼びかけていた。その声が確実に届いたことは、その場のパーティ感がさらに高まりを見せていたことにも証明されていた。

続いて登場したのはAA=。いきなり新曲で幕を開けたステージ。このバンド(正式には上田剛士のソロ・プロジェクトと言うべきなのかもしれないが、敢えてこう呼びたい。たとえばJが一個人であると同時にバンドであるのと同様に)の音楽については、一般的にはインダストリアルやデジロックといった言葉を使って形容されることが多いはずだが、それは、かならずしも彼らの音楽が体温の伴わないものだという意味ではない。ビートが機械に支配されているのではなく、すべてが鼓動に同期されているのだ。「WARWARWAR」、「KILROY WAS HERE」といった今現在の彼らを代表する楽曲群もそれを象徴しているし、その鼓動の高まりが自然に客席の同調を誘う。前夜、The BONEZの一員として出演していたZAXの感情過多ドラムも、それに拍車をかけている。

「赤坂BLITZ、どうもありがとうございます! 今年に入ってからJと2回。感謝してます!」──ステージ終盤、上田はそう語った。そう、JとAA=は2014年の5月、東京・渋谷TSUTAYA-O-EASTでの『New Audiogram ver.7.4』でも“ありそうでなかった共演”を果たしているのだ。この機会は、今後もさらに重ねられていくべきもの──オーディエンスの多くもきっとそう感じていたに違いない。そして最後の最後、「FREEDOM」でふたたびフロアを掻き混ぜると、上田の「この後いよいよJが出てくるんで、最後までブチあがっていってください!」という言葉とともに、彼らはステージをあとにした。

AA=のステージ終了から20分ほどを経過すると、場内はふたたび暗転。お馴染みのSEに乗ってメンバーたちが配置につくと、Jがステージ中央へと駆け足で躍り出てきた。「飛ばしていくぜ! やれるか赤坂!」──なんだかその声自体が、初日よりも第二夜よりもラウドに響いている気がする。

この夜のオープニング・チューンは、前夜の本編最後に配されていた「Feel Your Blaze」。早くもあちこちでクラウドサーフが発生、フロアは灼熱状態だ。しかも、そこに油を注ぐように「Twisted dreams」が炸裂する。今回のライヴでは初お目見えとなる激烈チューンだ。この曲を含めて、この夜の演奏メニューには、前二夜には演披露されていなかった楽曲が、計6曲も含まれていた。J自身もMCのなかで、どの曲を演奏しようか迷うほどだったと認めていたが、彼自身が「このグルーヴは、ちょっと真似できないんじゃないかな」と語りながら披露された「SUPER HIGH」も、ライヴ本編のクロージング役を務めた「NEVER END」も、Jが作品発表を重ねるごとに彼自身の代表曲を確実に増やし続けてきたことを無言のうちに証明していた。彼には定番曲がたくさんある。だからこそセットリストは定番にはなり得ないのだ。

「とんでもない熱で、このステージはサウナのようです!」──アンコールに応えて再登場したJはそう言って観衆を笑わせ、「まだまだ暴れ足りねえよな、おい!」と煽りながら、その場に集うすべての者たちにとってのアンセムというべき「PYROMANIA」を披露。赤坂BLITZは、クライマックスを超えた絶頂を迎えた。

そしてこの夜も、絶頂の先にはサプライズが待ち受けていた。第一夜の「MY WAY」、第二夜の「Bodies」に続いて、この夜のスペシャル・セッションで演奏されたのは、元祖パンク・ロックともいうべきTHE DAMNEDの「New Rose」。Jの「Is she really going out with him?」という台詞で、曲が転がり出す。ZAXのドラミングに続いて聴こえてきたギターのイントロは、TOTALFATのJoseによるもの。Shunの姿もそこにある。しかも、上田剛司もベースを弾いている。さらに言うならJはベースを抱えずにマイクスタンドを握り締めて歌い、ステージ下手ではスコット・ギャレットも歌っている。まさに、あり得ない顔ぶれによる、あり得ない場面。上田がこうしたセッションに顔を出すことはきわめて稀なことだし、実際、この場面への彼の登場は本当に予定外の出来事だった。それに、Jがベースを弾かずに歌う場面を目撃したことがある人も皆無に等しいはず。終演後の楽屋で本人に確認してみたところ、それが本当に“初”の機会だったことを認めていた。

こんなミラクルをごく自然に巻き起こしてしまう、灼熱の五夜公演。果たしてその第四夜にはどのような景色が見られるのか? 最終屋に控えているJのワンマン公演ともども、期待は膨らむばかりだ。

取材・文◎増田勇一

■<J 2014 SPECIAL LIVE Akasaka BLITZ 5DAYS -LIKE A FIRE WHIRL->
2014年11月21日(金)東京都 赤坂BLITZ <出演者>J / アルカラ / NAMBA69
2014年11月22日(土)東京都 赤坂BLITZ <出演者>J / The BONEZ / FULLSCRATCH / OVER ARM THROW
2014年11月23日(日・祝)東京都 赤坂BLITZ <出演者>J / AA= / TOTALFAT
2014年11月24日(月・祝)東京都 赤坂BLITZ <出演者>J / [Alexandros] / RADIOTS / 女王蜂
2014年11月25日(火)東京都 赤坂BLITZ (ワンマン)
※Akasaka BLITZ 5DAYS特設サイト:http://www.j-wumf.com/2014_akasaka5days/

■J赤坂BLITZ 5days最終日の模様をニコ生でオンエア決定!
『J ライブ独占生中継!~J AKASAKA BLITZ 5days -LIKE A FIRE WHIRL- FINAL!!~』
2014年11月25日(火)東京都 赤坂BLITZ(ワンマン)
開場:18:20~ 開演:18:30 ※ライブ生中継は19:00~
番組視聴URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv199262457

■<J 2014 Last Live>
2014年12月30日(火) 渋谷TSUTAYA O-EAST
OPEN 17:00 / START 18:00
チケット (税込 / ドリンク代別) : \5,300
チケット一般発売 2014年11月29日(土)~
[問]SOGO TOKYO:03-3405-9999

■< J 2015 SPRING TOUR>決定!
5/2(土) 大阪・梅田CLUB QUATTRO
5/3(日) 名古屋・CLUB QUATTRO
5/5(火祝) 仙台・Rensa
5/6(水祝) 東京・EX THEATER ROPPONGI

■<F.C.Pyro.NIGHT vol.12 >※FC限定ライヴ
4/26(日) 大阪・umeda AKASO
4/29(水・祝) 東京・LIQUIDROOM
※Jオフィシャルファンクラブ「F.C.Pyro.」で行うチケット優先予約は、12/14(日)23:59までにご入会手続きを完了された方までお申し込み可能です。※郵便振替:12/10(水)消印まで。詳細は近日発表!

◆J オフィシャルサイト
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