【インタビュー】L'Arc-en-Ciel<WORLD TOUR 2012>ツアーディレクターが語る「NYのスタッフも驚いたくらいだ」

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■みなさんは私がこれまで関わったバンドの中で
■最も熱いファンだと思います

──リーダーであるtetsuyaさんとはどのようなコミュニケーションを?

リチャード:tetsuyaがL'Arc-en-Cielというバンドを作った人物ですから、彼の肩にはいつもバンドに対する大きな責任がありました。それを真摯に受け止めていたと思います。彼はDuran Duranのファンだったので、80年代に私が同行したツアーの話をしましたね。ステージ上のtetsuyaのパフォーマンスはとてもカッコよくて、大好きです。yukihiroはとても親しみやすい人物です。ホテルから空港、もしくは空港からホテルへの移動はいつも同じ車だったんですよ。いつも冗談を言って笑っていましたが、とても真剣なのでインタビューではあまり話したがらないのだと思いました。

──では、ステージ上の4人の印象深いシーンは?

リチャード:最も心に残っている瞬間は、ハワイで行ったファンクラブライヴです。みんながドラムライザーに座って、ファンと話をしたり、昔の曲をプレイしたり。とても親密にファンと交流していました。なかなかみられない光景に、とても心温まったのを覚えています。

──先ほども話が出ましたが、このワールドツアーのトピックのひとつは、日本人初のマディソン スクエア ガーデン単独公演だったと思います。当初は約5000人を収容するシアター(The Theater at Madison Square Garden)での開催を予定していたところ、チケットの申し込みが多数寄せられたことを受けて約2万人収容可能なアリーナ会場に変更されたとも聞きました。リチャードさんの目に、L'Arc-en-Cielのマディソン スクエア ガーデン公演はどのように映りましたか?

リチャード:スケジュール決定に難航したことはお話しましたが、日程が決定すると今度は、ライヴ撮影のための20台ものカメラ位置の問題が出てきました。これは、ライヴを日本の映画館へ中継するためのものですが、ニューヨークの撮影制作チームと機材を調達して行なっています。ライヴビューイングを成功させるため、ショウの3日前にMeadowlandsアリーナでゲネプロまで行ったことが大きかった。ただ、この公演はNBAバスケットボールのスケジュールの合間に行われたので、セットアップは1日だけで実行せねばならず。私たちはライヴ当日の午前0時に搬入し、その24時間後には撤収する必要があったのです。ワールドツアーでこのような時間規制はほかにありません。結果、行われたライヴは信じられないほど完成度の高いもので、リリースされたDVDにはその夜の様子が克明に捉えられています。公演のアフターパーティーは凄く良いムードだったことを覚えています。

──マディソン スクエア ガーデンのステージ設営の模様は、WEB上にも公開されていますね。映画『Over The L’Arc-en-Ciel』はアジア圏はもとより欧米の現地ファンのあまりにも高い熱量が伝わるものとなりました。<WORLD TOUR 2012>を通して、世界と日本の共通点や相違点など、リチャードさんにとっての新発見があれば教えてください。

リチャード:日本のバンド、アメリカのバンド、ヨーロッパのバンドにはたくさんの共通点があります。なぜなら本質的に彼らは同じところを目指しているから。そして、ワールドツアーはハードで、チームワークが必要不可欠です。私が気づいたL'Arc-en-Cielと欧米のバンドの違いを2つ挙げるならば、L'Arc-en-Cielはメンバーが各自チームを持っていること。これまでの私の経験ではバンドのチームは1つだったので、数チームとコーディネートするのは今回が初めてでした。そのために私はメンバーとチームの毎日のスケジュールを把握しつつ、なにが起こっているかわかるように毎朝ミーティングをすることにしたのです。もう1つは、とてもフォーマルな夕食がツアーのほぼ毎日用意されていたこと。これも私が過去に経験したことのないことであり、メンバーと座って話をするよい機会となっていたのです。これらとても親しみ易く、とても勤勉なスタッフやメンバー各自のチームにはいつも感心させられました。

──<WORLD TOUR 2012>は日本凱旋公演を経て、ハワイの追加公演で大団円を迎えました。もし、今後再びL'Arc-en-Cielのツアーディレクターを手掛ける機会があれば、どんなワールドツアーにしたいですか?

リチャード:2012年のワールドツアーでは、Kaz Utsunomiya氏や大石征裕氏をはじめ、スタッフが一丸となってツアーを成功に導くことができました。私たちが築いた関係は厚く深いものになったと思いますし、私個人のことでいえば、これまで培った知識を日本の最も有名なバンドとシェアすることができて嬉しかった。もし、彼らがまたワールドツアーを行うことがあれば、私たちが共有した素晴らしい経験を活かしたいと思います。再び依頼があれば、それは大変な名誉だと思っています。

──では最後に、L'Arc-en-Cielファンへメッセージをお願いします。

リチャード:みなさんは、私がこれまで関わったバンドの中で、最も熱いファンだと思います。本当に大勢のファンが世界中にいます。ドキュメンタリー映画『Over The L'Arc-en-Ciel』を楽しんでいただいて、再び素晴らしいワールドツアーが行われることを願って。良いクリスマスを! みなさんの幸せをお祈りいたします。

取材/文◎BARKS編集部 梶原靖夫



■ドキュメンタリー映画『Over The L'Arc~en~Ciel』

2014年12月5日(金)~8日間限定公開
監督:Ray Yoshimoto 出演/音楽:L’Arc-en-Ciel
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン 制作:ライブ・ビューイング・ジャパン/Day-O Productions
2014年/日本/ビスタサイズ/5.1ch/カラー/デジタル
(C) 2014 MAVERICK DC
【スケルトン仕様前売鑑賞券概要】
11月8日(土)より上映劇場にて発売
※詳細は公式サイト参照:http://www.larcenciel-film.com/
※豪華チケットは一部お取扱いのない劇場もございます。
発売価格:¥10,000(tax in)
※数量限定
※4枚綴り
●4枚の透明のフィルムに、メンバーそれぞれのソロカットが入り、4枚を重ねるとライヴステージが完成!
・1枚目:hyde/2枚目:ken/3枚目:tetsuya/4枚目:yukihiro
背景である台紙には、音楽の聖地 ニューヨーク マディソン スクエア ガーデンのライヴステージが描かれている。購入者には、チケットがぴったり収まる特製チケットホルダーがついてくる。
※ストラップの文字色は赤、白選べます。

【映画STORY】

香港、バンコク、上海、台北、ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、ジャカルタ、ソウル、横浜、大阪、東京、ホノルル──。2012年3月3日から5月31日まで行われた、世界14都市、17公演行われた初の大規模ワールドツアーに密着。総動員数45万人。バンド結成20周年を迎えたL’Arc-en-Cielが、日本のロックバンドでは前代未聞の大規模な海外ツアーに挑戦。迫力のライヴ映像に加え、これまでほとんど公にされることのなかったバックステージやオフステージの姿まで記録した貴重映像満載の一本だ。メンバー4人が見せる等身大の柔らかな表情。ニューヨークで生まれた新しい伝説――世界中のトップ ミュージシャンがめざす音楽の殿堂、マディソン スクエア ガーデンでの日本人史上初の単独公演という快挙の舞台裏。そして虹のかかる美しい土地で見せた涙の理由とは…!?

◆『Over The L'Arc-en-Ciel』BARKS内特集ページ
◆Richard Ames オフィシャルサイト
◆『Over The L'Arc-en-Ciel』オフィシャルサイト
◆L'Arc~en~Ciel オフィシャルサイト
◆L'Arc~en~Ciel レーベルサイト

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