【インタビュー】KNOCK OUT MONKEY、2ndアルバムに「理想を描くよりも現実を描きたい」

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KNOCK OUT MONKEYが2015年1月14日、約1年ぶりメジャー2作目となるフルアルバム『Mr. Foundation』をリリースする。2014年の彼らは、初の全国ワンマンツアーをはじめ、メジャー1stアルバム発表、2ヵ月連続を含むシングル3枚のリリース、春夏冬の各地大型フェス出演など、制作とライブの両軸で精力的な活動を繰り広げてきた。その中でレコーディングされた2ndアルバムは、前作以上にエッジの効いたサウンドと強いメッセージが込められた作品に仕上がっている。

◆「RIOT」ミュージックビデオ

土台を意味する“Foundation”というワードを冠したアルバムには、自らの原点をてらい無く鳴らす衝動的なサウンドが溢れている。ある意味では、メロディを際立たせる知的なアレンジが印象的だった前アルバムに対して今作は振り切れ方が凄まじい。自身のバックボーンも、限界ギリギリのBPMも、ハダカのアレンジも、すべてが純度の高いKOMサウンドを物語る。BAKRSは『Mr. Foundation』の魅力を掘り下げるため、サウンド&プレイにより深く斬り込んだロングインタビューをお届けする。アルバムを聴きながら読んでいただければ、彼らのサウンドが10倍楽しめるはずだ。

   ◆   ◆   ◆

■“Foundation”とか“Back To The Basic”といった言葉が降ってきた
■今の自分は一度原点に立ち還って音を鳴らしたいんやなと

──『Mr. Foundation』は、どんな構想のもとに作られたアルバムでしょう?

w-shun:制作に入る前は、自分たちの根幹にあるものをもっと出したいと思っていました。2014年夏にリリースした2枚のシングルにしても、最新シングル「How long?」にしても、その時々に掲げたテーマに沿って作ったところがあったんですよ。つまり、KNOCK OUT MONKEYはこういう一面もありますよ、ということを提示した作品というか。今回のアルバムでは、もっとバンドの濃いところを出したいという気持ちがあったので、あまり考えず、衝動的に曲を作ることにしました。自然と出てきたピュアなものをピックアップして並べたのが今回のアルバムです。

──『Mr. Foundation』は、攻撃性とキャッチーさを併せ持っていて、テクニカルな面もあるという上質な楽曲が揃っていますよね。自然体で作った曲がそういうものであることからは、曲作りのスキルの高さを改めて感じます。

w-shun:そう言っていただけると嬉しいです。

──魅力的な楽曲が揃っていますが、曲を作っていく中でターニングポイントになった曲などはありましたか?

w-shun:「Take you」ができた時にアルバムのテーマがより明確に見えました。僕は、2000年代前半のミクスチャーがベーシックになっている部分があって、そういうものを聴き直すことも多いんですね。こういうテイストの曲をアルバムで1曲でもできたら満足やなと思っていたところに、「Take you」のオケができて。

──確かにミクスチャーの要素が強いですね。

w-shun:このギターのあり方はすごくカッコ良いなと思いましたね。その後、自分が今まで日常で経験したことやバンド活動の中で経験してきたことをなぞりながら「Take you」の歌詞を書き始めたら、“Foundation”とか“Back To The Basic”といった言葉が降ってきたんです。改めて、今の自分は一度原点に立ち還って音を鳴らしたいんやな、ということに気づかされたというか。結果、他の曲に対する取り組み方がすごくスムーズになったというか、スッキリした気持ちで曲と対峙できるようになったんです。最終的にどうなっていくんやろうじゃなくて、大丈夫という自信を持ったうえで楽曲に取り組めた。そういう意味で、「Take you」ができたことは転機になりましたね。

──アルバムのタイトルもそこから生まれたものだったという。

w-shun:そうなんです。

ナオミチ:曲作りの面で僕が特に印象深いのは「Our World」なんですけど、2分くらいで作った曲なんですよ(笑)。みんなでスタジオに入って「Take you」を完成させたら、ノリにノッた状態でテンションがすごく上がって。もうスタジオから出ないといけないギリギリの時間だったけど、この勢いでもう1曲いくぞと。で、“コード進行はこれで、速い2ビート”っていう感じで限界ギリギリの速さにテンポを設定して、“せーの!”で作ったんです(笑)。いつもはそこからコード進行やアレンジを変えたりしてブラッシュアップしていくんですけど、この曲はそのままの勢いを活かすために、元の形のままを採用しました。

亜太:僕は「Eyes」ですね。KNOCK OUT MONKEYが楽曲を作る時はw-shunが持っているイメージとか、dEnkAやw-shunが弾いたギターから入っていくことが多いんですけど、この曲は僕発信だったんです。イントロ部分を考えて、こういうイメージの曲どう?みたいなところから始まって。その後アレンジャーと一緒に作業して化けたという部分もあるんですけど、最初に自分が抱いていた真っすぐで、明るくて、キラキラした曲というイメージを強調する方向でブラッシュアップして。ベースも、ただルート弾きをするだけじゃなくて、サビのバックで躍動感があるフレーズを弾くことができたし、僕にとって大きな意味を持つ1曲になりました。

dEnkA:「Priority」が僕の中で印象に残ってますね。この曲はみんなでジャムりながら作ったんですけど、w-shunがやりたいことのイメージがすごく伝わってきたんです。西海岸で悪そうな兄チャンたちがバーベキューをしていたら、汚くて弦も錆ついたギターがその辺に落ちていて、ギターを弾いてみんなで歌ったらムチャクチャ盛り上がった、みたいな(笑)。完成形は間奏がR&B的な雰囲気に変わる構成になって、プレイ的に多彩なことをしていたり、音数も多かったりするけど、最初のイメージは崩れていない。風景が見えるような楽曲になったと思います。

──それぞれの想いが詰まった曲が並んでいるんですね。インダストリアルな味わいの「?」も注目の1曲です。

w-shun:まさに最近はMinistryとかNine Inch Nailsとか、インダストリアルなものを個人的に好んで聴いている部分もあって。ただ、インダストリアルはシーケンスを多用しているから、ライブで表現するのがすごく難しいんですよ。だから、シーケンスを押し出さずにインダストリアルな匂いをKNOCK OUT MONKEYで出せないかなと思って「?」のリフを作ったんですけど。それをバンドに持っていったら、センターで鳴っているギターとか刻みのギターのアイディアをdEnkAが出してくれたんです。

dEnkA:w-shunと僕の個性が混ざり合うことで、すごく面白いものになったよね。

w-shun:イントロはSystem Of A Down的なリフで、途中からMETALLICA好きなんだろうなと感じさせるギターが入ってくるという(笑)。ちょっと変な感じが、出来上がった時にすごく良く感じられて。自分一人だったら、こういうテイストは出せなかったということも含めて気に入っていますね。

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